あなたなんて大嫌い

みおな

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第4話

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「ニケちゃん、もう一度言ってくれるかしら?」

 部屋の温度が下がった気がする。義姉から発せられる威圧にも似た冷気に、ニケは両手で体をかき抱いた。

 (これ、確実に粛正コースじゃない?アリエルお姉様に話したのマズかったかしら。でも、ノクスお兄様に話したら絶対王太子殿下の権力を使いそうなのよね)

 自分を溺愛してくれている兄の行動が簡単に予想できる。

 クレティアは結婚して隣国にいるから大丈夫だと思うが、ここの夫婦に知られると、これまた面倒なことになることは確実だ。

 家族が愛してくれていることは、素直に嬉しい。ニケも家族みんなのことが大好きだ。
 ただ、まぁ、ちょーっとだけ愛が重いかなぁなんて思うこともある。

 (ま、それもうちの家系の専売特許みたいなものだしね)

 少々、周囲に被害が及ぶかもしれないが、ニケとしてはロートレック侯爵家がどうなろうと、マグエルがどうなろうと、いまさらどうでもいいので、洗いざらい話すことにした。

「マグエル様は、半分は義妹のミリィの体調が悪いとデートをキャンセルされ、残りの半分は幼馴染のエリン様が寂しがるということで3人で出かけていました。そのことに文句を言いましたら、ここ1ヶ月はデートはキャンセルばかりでお会いしていませんの」

「あらあら。マグエル・ロートレック様は随分と面白いことをしてくれるのね。私の可愛い義妹のニケちゃんを蔑ろにするなんて。うふふふふふふ」

 アリエルは笑顔のままなのだが、その笑顔からは冷気があふれていて、ニケはピキッと固まってしまう。

 自分に怒っているのではないのとはわかっているのだが、怒らせてはいけない人間を怒らせたマグエルに、思わず頭の中でご愁傷様と両手を合わせた。

 (婚約解消さえできれば、ミリィとでもエリン様とでも好きに付き合ってくれればいいんだけど。このままじゃ、お姉様様たちにキツいお灸を据えられそうよね)

 別にマグエルが痛い目をみてもどうでもいいが、変に長引かれても困る。
 どうせ放っておいても、勝手に落ちぶれていくことは間違いない。

「アリエルお姉様。私は婚約解消さえできればいいのです。私と別れた後に、マグエル様がエリン様と婚約しようとミリィを溺愛しようと、どうでもいいんです。1日も早く無関係になりたいんです」

「・・・そう。ニケがそう言うなら、すぐにでも解消出来るように、ノクス様にお話するわ。大丈夫。ノクス様ならロートレック様有責の証拠くらいすぐ集められるわ」

 アリエルの言葉に、ニケは頷いた。確かに、ノクスなら様々な手を使って、証拠を集めるだろう。

 結局、ノクスに知られてしまうことになるが、これも早く婚約解消するためだと、ニケは諦めることにした。

 

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