拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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悪あがきだと思います。

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「お父様っ、クライヴを責めないで。婚約者としての交流をしようとしなかったのは、ルーベンス子爵令嬢も同じじゃない」

 ファンティーヌ様の言葉に、コンラッド公爵はキツい視線を彼女に向けた。

「面倒をみてやったのに、恩を仇で返すとはな。まぁ、いい。今日無事に成人したことで、保護義務は終えた。明日朝イチに出て行ってくれ」

「え?出て行ってって・・・お父様?」

「私は君の父親ではない。君の父親は私の弟で、弟夫妻が亡くなったから面倒をみて来ただけだ。もちろん、コンラッド公爵家に籍など入れていない。養子縁組の書類にサインした覚えもないだろう?」

「え、だって・・・じゃあ、私は・・・」

 ファンティーヌ様が戸惑ったように、コンラッド公爵様や元婚約者様、王配殿下へと視線を彷徨わせている。

 引き取られたから自分が公爵令嬢になったつもりだったのかもしれないけど、それならば兄となった元婚約者様とベタベタするのは問題だと思わなかったのかしら?

 従兄妹だから成立していた関係だったのよ。

 良かったわね。大好きな元婚約者様と結ばれることが出来るわよ?

「女王陛下がお認め下されば、お前はアキレタ男爵家の女男爵となる。お認め下されなければ、平民だな」

「へ、平民っ?どうして!お父様!」

「引き取った時に、妻が言ったよな?お母様と呼ぶな、と。お前のお母様は亡くなった男爵夫人であって、自分ではないと。お前はそれを妻のいじめだとか言っていたらしいが、それは言葉通りの意味だったということだ」

 ああ、なるほど。
かわいそうだからと成人までの間面倒を見ることにした姪が、お父様お母様と呼ぶものだから注意したのね。

 それをお母様は私を娘と認めてくれない~とか、かわいそうなヒロイン気取りだったわけだ。

 馬鹿じゃないの。
幼い子供ならともかく、引き取られたのって十五歳の時よね?

 私が婚約した少し後に、引き取られたのよね?

 なら、知っていておかしくないわよね?養子縁組にはサインが必要だって。

 幼い子供の場合でも、本人がその内容を理解できる場合は説明の上でサインさせるのよ。

 幼児の場合は、代わりに引き取り先の家を調査した人間が、責任もってサインする。

 虐待とかあると大変だからね。

 だから、サインしていない時点で、養女ではないということなのだけど。

 もしかして、理解していなかったのかしら。

「ちょ、ちょっと待って下さい、父上!でも、ファンティーヌが従妹であることには違いないでしょう?」

 あら?
元婚約者様。復活なさったのね。
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