拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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あ。気付かれてしまいました。

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「ファンティーヌが従妹であることには変わりないでしょう!」

 復活した元婚約者様が父親に食ってかかっているけど、だから何?って感じなのだけど。

 従妹だろうと何だろうと、公爵家に養子縁組されてないのだから、当主が出ていけと言うなら出て行くしかないと思うわ。

 そもそも実子であっても、当主が勘当すると王家に書類を出して、それが認められれば出ていかなければならないのよ?

 まさか、知らないとか言わないわよね?

 学園で学んだでしょう?
専攻授業ではなく、一般授業で学ぶことよ?

 この人、本当に優秀だったのかしら?
 問題ありな人間なら、たとえ公爵家の人間だとしても私の婚約者候補にはしないはずだけど。

 でも、顔合わせの時点からロクデナシだったわよね。

 つまりは、王家の調査不足だったということかしらね。

「従妹だから、何だというんだ?ファンティーヌの心配をしている場合か?ルーベンス子爵令嬢との婚約が今、お前はコンラッド公爵家の後継ではなくなった。せいぜい、陛下がファンティーヌを男爵と認めてくださることを祈るのだな。でなければお前も平民だ」

「なっ、何をおっしゃっているのですか、父上!兄上が継がれない以上、僕しかコンラッド公爵家の子供はいないでしょう!」

「だから?だから、好き勝手していたわけか?残念だが、親戚筋から後継を選んである。そこの従妹と仲睦まじくしていればいい」

「そん・・・な」

 コンラッド公爵様は、完全に元婚約者様を切り捨てることにしたみたいね。

 まぁ?切り捨てなければ、コンラッド公爵家自体か、公爵夫妻かが罰せられることは間違いないものね。

 今回、私はカロリーナ様が後継になることを認めた。

 つまり、そのことが滞りなく行われたならば、コンラッド公爵家に罰を与えないということなのだ。

 親の監督不行届ということで、公爵夫妻にはカロリーナ様に引き継ぎ次第、領地に下がってもらうけど。

 あまりキツい罰は与えられないのよね。

 ビアンカ王太女殿下の婚約者は、コンラッド公爵令息のアドルファス様だから。

 未来の女王陛下の王配の実家が没落とか、ちょっとね。

 ま、王配殿下には何らかの罰が与えられると思うけど、そこは女王陛下にお任せしてある。

 父親に切り捨てられた元婚約者様は、助けを求めるように視線を彷徨わせて・・・

 お姉様の後方にいた私と、目があってしまった。

「ルーベンス子爵令嬢!」

 そう叫んだ元婚約者様は、周囲が私を見たことで、私が当人だと理解したみたい。

 ああ。
ものすごくめんどくさい予感がするわ。
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