16 / 130
あ。お断りします。
しおりを挟む
バッチリと元婚約者様と目があってしまったわ。
周囲のみんなが私を見たものだから、人違いですとも言えないし。
いつまでもお姉様に任せておくんじゃない、ということなのかしら。
「ルーベンス子爵令嬢!」
「そう何度もお呼びにならなくても、聞こえております、元婚約者様」
仕方ないので、一歩前に出る。
「なんだ、その呼び方は!それに婚約破棄は撤回だ!仕方ないから、お前と結婚してやる!」
「え?絶対嫌です。お断りします」
「は?」
あら、いやだ。
思わず素で答えちゃったわ。
あ、お姉様にウケたみたい。
笑われてるわ。
「今なんと言った?」
「え?聞こえなかったんですか?その若さで耳が遠いとかですか?絶対嫌だと申し上げました。姉に、婚約破棄を宣言するような人と結婚とかあり得ません。しかも第二夫人だなんて。気持ち悪い」
「気持ち・・・悪い・・・貴様っ!たかが子爵令嬢風情が、公爵令息である僕に気持ち悪いだとっ!」
ついつい正直に発言したら、元婚約者様が激昂した。
やぁねぇ。気が短くて。
貴族がそんなに感情を露わにしてたら、足元を掬われるわよ。
さっきから子爵令嬢風情、子爵令嬢風情とうるさいけど、こんなに馬鹿な人を私の婚約者にするなんて、王配殿下にはお灸を据えてもらわなきゃ。
それに随分と家格にこだわっているみたいだけど、既に廃籍手続きは終わっているから、ファンティーヌ様が男爵位を賜る許可が出なければ、二人仲良く平民になるのだけど。
さっきコンラッド公爵様から言われたの、もう忘れたのかしら。
「誰に向かって、『貴様』などと言っているのかしら?もしかして、私の可愛い可愛いクロエじゃないでしょうね?」
地の底を這うようなお姉様の声に、元婚約者様は「ヒッ!」と情けない悲鳴をあげて尻餅をついた。
美人が怒ると、迫力があるのよね。
「答えなさい。答え次第では、タダではおかないわ」
「めっ、メルキオール様っ!お怒りをお鎮めください。愚息・・・いえ、そこの愚か者には必ず罰を与えますので」
「廃籍だけの罰なんて認めないわよ」
「もちろんです」
お姉様のお怒りに、とうとうコンラッド公爵が廃籍以上の罰を与えると約束した。
あーあ。
大人しくしていたら、もしかしたら女男爵の夫になれたかもしれなかったのに。
私のことをお姉様の前で、ボロクソに言うからよ。
ま、挑発したのは私だけど。
だって腹立つじゃない。
別に好きな人が他に出来たなら、それは仕方ないと思うけど、それなら私に謝罪して婚約の撤回をお願いするべきでしょ。
子爵令嬢だからって、人を見下すような馬鹿には無理な話なんでしょうけど。
周囲のみんなが私を見たものだから、人違いですとも言えないし。
いつまでもお姉様に任せておくんじゃない、ということなのかしら。
「ルーベンス子爵令嬢!」
「そう何度もお呼びにならなくても、聞こえております、元婚約者様」
仕方ないので、一歩前に出る。
「なんだ、その呼び方は!それに婚約破棄は撤回だ!仕方ないから、お前と結婚してやる!」
「え?絶対嫌です。お断りします」
「は?」
あら、いやだ。
思わず素で答えちゃったわ。
あ、お姉様にウケたみたい。
笑われてるわ。
「今なんと言った?」
「え?聞こえなかったんですか?その若さで耳が遠いとかですか?絶対嫌だと申し上げました。姉に、婚約破棄を宣言するような人と結婚とかあり得ません。しかも第二夫人だなんて。気持ち悪い」
「気持ち・・・悪い・・・貴様っ!たかが子爵令嬢風情が、公爵令息である僕に気持ち悪いだとっ!」
ついつい正直に発言したら、元婚約者様が激昂した。
やぁねぇ。気が短くて。
貴族がそんなに感情を露わにしてたら、足元を掬われるわよ。
さっきから子爵令嬢風情、子爵令嬢風情とうるさいけど、こんなに馬鹿な人を私の婚約者にするなんて、王配殿下にはお灸を据えてもらわなきゃ。
それに随分と家格にこだわっているみたいだけど、既に廃籍手続きは終わっているから、ファンティーヌ様が男爵位を賜る許可が出なければ、二人仲良く平民になるのだけど。
さっきコンラッド公爵様から言われたの、もう忘れたのかしら。
「誰に向かって、『貴様』などと言っているのかしら?もしかして、私の可愛い可愛いクロエじゃないでしょうね?」
地の底を這うようなお姉様の声に、元婚約者様は「ヒッ!」と情けない悲鳴をあげて尻餅をついた。
美人が怒ると、迫力があるのよね。
「答えなさい。答え次第では、タダではおかないわ」
「めっ、メルキオール様っ!お怒りをお鎮めください。愚息・・・いえ、そこの愚か者には必ず罰を与えますので」
「廃籍だけの罰なんて認めないわよ」
「もちろんです」
お姉様のお怒りに、とうとうコンラッド公爵が廃籍以上の罰を与えると約束した。
あーあ。
大人しくしていたら、もしかしたら女男爵の夫になれたかもしれなかったのに。
私のことをお姉様の前で、ボロクソに言うからよ。
ま、挑発したのは私だけど。
だって腹立つじゃない。
別に好きな人が他に出来たなら、それは仕方ないと思うけど、それなら私に謝罪して婚約の撤回をお願いするべきでしょ。
子爵令嬢だからって、人を見下すような馬鹿には無理な話なんでしょうけど。
5,560
あなたにおすすめの小説
見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。
愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。
梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。
ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。
え?イザックの婚約者って私でした。よね…?
二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。
ええ、バッキバキに。
もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる