拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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パーティー開始。

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 パーティーが始まった。

 今回のパーティーは、皇女の帰国祝いとかいう意味のわからないものだけど、それでもほとんどの貴族に参加が義務とされた。

 帰国祝いって何?
婚約を解消されて帰国したのを祝うの?

 言いたいことはあるけど、とりあえず目的の男爵家まで参加を義務付けられたから良しとしなきゃ。

 私は、左腕に付けたブレスレットに視線を落とした。

 深紅の石の付いたブレスレット。

 今日の私のドレスは、深紅に黒のレースの付いたものだからドレスとの調和も取れている。

 そう。
あの日、卒業パーティー用にシリルから贈られ、お姉様が持ってきてくださったドレスだ。

 無事に婚約解消も出来、フリーとなった私はようやくそのドレスを着ることが出来た。

 そして、このブレスレット。
これは、メルキオール帝国に戻ってすぐに渡された。

 どうやら守護の魔法が込められているらしく、肌身離さずずっと付けているようにと言われた。

 皇女の私に危害を加えようとする人間は、メルキオール帝国の中では少ないと思うけど、それでも皆無ではない。

 その上、今は闇組織との接触中。
念には念を入れる気持ちは分かる。

 でも・・・
やっぱり自己主張し過ぎだわ。

 ドレスといい、護りのブレスレットといい、マキシミリオン王国王族の色なんだもの。

 ため息が出そうになる。
今回はレグディア男爵令嬢を突き詰める時に役に立ちそうだからいいけど。

「クロエ、がそうよ」

 皇帝陛下であるお父様の挨拶の後、パーティーは始まった。

 これから公爵家から順番に、私たちに挨拶にやって来る。

 子爵家と男爵家は人数が多いから、二家から三家まとめて挨拶を受ける。

 お母様の囁きに、礼をとっている三組の左端、ピンク色の肩ギリギリの髪をした令嬢を見つめた。

 またピンク色。
非常識な令嬢って、髪色がピンクと決まっているの?

 ファンティーヌ様よりは濃いめの、赤みの強いピンクだけど、ピンクはピンクよね。

 そのピンク色の髪に、淡いとはいえピンク色のドレス。

 ファンティーヌ様と違って、フリルやリボン、レースは馬鹿みたいに付いてはないけど。

 レグディア男爵は、マトモな精神の持ち主みたいだから、頭がおかしいと思われるドレスは許さなかったのかもしれないわね。

 隣で礼をとる、夫人と男爵にも視線を向ける。

 令嬢によく似たピンク色の髪をを結い上げた夫人を見ながら、あのピンク色は夫人似かと納得する。

 あれだけ似た髪色なのに、レグディア男爵は夫人との血の繋がりを疑わなかったのかしら?
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