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婚約者様、ごきげんよう。〜最終話〜
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空が澄み渡ったよき日に、私はマキシミリオン王国王太子殿下シリル・マキシミリオンと結婚する。
シリルは王太子として、私は年齢的に、最短の結婚式となった。
普通、王侯貴族は子供のことも考えてもっと早く結婚するものだけど、私は二度も婚約を解消したからその罰もあってこの年齢になってしまった。
新婚だからと、二人の時間を楽しむ余裕はないわ。
シリルは王太子。
後継を早く作るのは、王太子妃の義務だもの。
マーガレット様はすでに、カグレシアン公爵閣下の元へ行かれた。
婚姻式は私たちの半年後だけど、すでに籍は入れてあるのだそう。
だから今日は、カグレシアン公爵夫人として参列して下さっている。
「クロエ、綺麗よ」
「ありがとうございます、お姉様」
「幸せになりなさい」
「はい、お母様」
お姉様、お母様と軽く抱き合う。
「シリルとマキシミリオン王国を頼むよ」
「頑張りますわ、ルーファスお義兄様」
ルキを抱いたお義兄様に、頷く。そして、お父様へと視線を向けた。
「お父様・・・たくさんご迷惑をおかけしました。これまで育ててくださり、ありがとうございました」
「・・・嫁いでもクロエは、私たちの可愛い娘だ。何かあればちゃんと相談しなさい。そして夫と手を取り合い、幸せになりなさい」
「はい・・・」
泣いたら化粧が崩れるのに、涙がこぼれそう。
お母様がサッと、ハンカチで眦の涙を吸い取ってくれる。
クロエ・ルーベンスの名は、爵位と共に伯母様にお返しした。
もう、名や身分を偽らずに、クロエ・メルキオールとしてマキシミリオン王国に嫁ぎ、クロエ・マキシミリオンになる。
最初から・・・
メルキオール帝国皇女としてアルトナー王国に留学していたなら、シリルと結婚することはなかったかもしれない。
あのまま元婚約者様と結婚して、色々な煩わしさに振り回されながら暮らしていたかもしれない。
「ふふっ」
「どうかした?クロエ」
控え室まで迎えに来てくれたシリルにエスコートされながら、聖堂の扉の前に立つ。
このまま二人で王妃様の前に進み、婚姻証に署名をする。
本来なら、国王陛下の前で署名なのだけど、今回は王妃様が代理をしてくださる。
侍従が扉を開けてくれるまで、二人で扉の前で待つのだけど、思わず微笑んだ私にシリルが首を傾げた。
銀色の礼服に身を包んだシリルは、私の頭ひとつ分背が高くて、私の顔を覗き込むのに少し身を屈める。
「ふふっ。婚約者シリル・マキシミリオン様、ごきげんよう。そして、旦那様シリル・マキシミリオン様、これからもよろしくお願いしますね」
私たちの未来は、決して順風満帆ではないだろう。
だけど、私たちはこれからも手を取り合って苦難を乗り越えていくのだろう。
聖堂の扉が開いた。
***おしまい***
シリルは王太子として、私は年齢的に、最短の結婚式となった。
普通、王侯貴族は子供のことも考えてもっと早く結婚するものだけど、私は二度も婚約を解消したからその罰もあってこの年齢になってしまった。
新婚だからと、二人の時間を楽しむ余裕はないわ。
シリルは王太子。
後継を早く作るのは、王太子妃の義務だもの。
マーガレット様はすでに、カグレシアン公爵閣下の元へ行かれた。
婚姻式は私たちの半年後だけど、すでに籍は入れてあるのだそう。
だから今日は、カグレシアン公爵夫人として参列して下さっている。
「クロエ、綺麗よ」
「ありがとうございます、お姉様」
「幸せになりなさい」
「はい、お母様」
お姉様、お母様と軽く抱き合う。
「シリルとマキシミリオン王国を頼むよ」
「頑張りますわ、ルーファスお義兄様」
ルキを抱いたお義兄様に、頷く。そして、お父様へと視線を向けた。
「お父様・・・たくさんご迷惑をおかけしました。これまで育ててくださり、ありがとうございました」
「・・・嫁いでもクロエは、私たちの可愛い娘だ。何かあればちゃんと相談しなさい。そして夫と手を取り合い、幸せになりなさい」
「はい・・・」
泣いたら化粧が崩れるのに、涙がこぼれそう。
お母様がサッと、ハンカチで眦の涙を吸い取ってくれる。
クロエ・ルーベンスの名は、爵位と共に伯母様にお返しした。
もう、名や身分を偽らずに、クロエ・メルキオールとしてマキシミリオン王国に嫁ぎ、クロエ・マキシミリオンになる。
最初から・・・
メルキオール帝国皇女としてアルトナー王国に留学していたなら、シリルと結婚することはなかったかもしれない。
あのまま元婚約者様と結婚して、色々な煩わしさに振り回されながら暮らしていたかもしれない。
「ふふっ」
「どうかした?クロエ」
控え室まで迎えに来てくれたシリルにエスコートされながら、聖堂の扉の前に立つ。
このまま二人で王妃様の前に進み、婚姻証に署名をする。
本来なら、国王陛下の前で署名なのだけど、今回は王妃様が代理をしてくださる。
侍従が扉を開けてくれるまで、二人で扉の前で待つのだけど、思わず微笑んだ私にシリルが首を傾げた。
銀色の礼服に身を包んだシリルは、私の頭ひとつ分背が高くて、私の顔を覗き込むのに少し身を屈める。
「ふふっ。婚約者シリル・マキシミリオン様、ごきげんよう。そして、旦那様シリル・マキシミリオン様、これからもよろしくお願いしますね」
私たちの未来は、決して順風満帆ではないだろう。
だけど、私たちはこれからも手を取り合って苦難を乗り越えていくのだろう。
聖堂の扉が開いた。
***おしまい***
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