ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな

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婚約者?なにそれ、おいしいの?

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 1番会いたくない連中に遭遇した私は、イヴァンさんの腕にしがみついてしまった。

「すみません。こちらも余所見をしていたようです。お怪我はありませんか?」

 私を背に隠すようにして、イヴァンさんがシルヴァン様に謝罪している。
 あ。伯爵家の令嬢としてこの対応はマズイかも。

 私はイヴァンさんの背から出ると、カーテシーをした。

「申し訳ございません、シルヴァン・ラシュール王子殿下」

「いや。今日はお忍びだからそんなにかしこまらなくて構わないよ。愛らしいご令嬢。名前を伺っても構わないかな?」

「・・・ローズレット伯爵が娘、アリアと申します」

「名前も愛らしいな」

 出来ることなら名乗りたくなかった。なかったけど、学園に入ったら絶対会うし、そしたらここでキチンと対応してないことで伯爵家に迷惑かかったりしたら困る!

 私自身を嫌ってくれるのなら、大歓迎なんだけど。

「・・・それで、そちらの殿方は?」

「彼は・・・私のこっ、婚約者ですっ!」

 咄嗟に出た嘘に、シルヴァン王子たちが目を見開く。
 うゔっ。怖くてイヴァンさんの顔が見れない。
 どうしよう。どうしよう。お願いだから否定しないで。お忍びとはいえ、王族に嘘ついたってバレたら伯爵家に迷惑かけちゃう。

「婚約者?」

「はい。アリア様の婚約者、イヴァン・ギフトと申します」

 イヴァンさんが私の気持ちを汲んで、シルヴァン王子たちに頭を下げてくれる。

 婚約者と言ったのは咄嗟のことだけど、婚約者と言うことで攻略対象たちと距離が出来るならという無意識のズルい考えがあったことは否めない。

 それにイヴァンさんを巻き込んでしまったことは、申し訳ないと思う。

 というか私、イヴァンさんのこと何も知らない。名前だってさっき知ったばかりだし。
 それに、婚約者だなんて言って、伯爵家のお父様やお母様、怒らないかな?

 どうしよう。考えなしに発言しちゃったけど、帰ってから頭を下げて許可もらわなきゃ。

「そうか。婚約者・・・いや。そろそろ失礼しよう。お邪魔してしまったね、ローズレット嬢」

「あ、はい。失礼したします」

 シルヴァン王子は何かぶつぶつ言ってたけど、そのまま立ち去ってくれた。

 良かった。ホッとしたわ。

「・・・あの、イヴァン?ごめんね?」

「何を謝ってるんです?」

「だって、その婚約者だって・・・」

「意味がよく分かんないですけど、事実なんだから別にいいですよ?王子に知られたって。というか、言いたくなかったんですか?」

 イヴァンさん・・・、イヴァンにジト目で見られるけど、え?ちょっと待って?
 今、事実って言った?え?ええ?
私とイヴァンって婚約者同士なの??
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