悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

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怒り発無双行き

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 私は結界から出した右の掌に、意識を集中させました。

 魔王のお兄様や、魔族の姫であるローズほどの魔力はありませんが、ヴァイオレットにも魔力があり風魔法が使えました。

 お兄様に光魔法を使うために誘導していただきましたが、ヴァイオレットの記憶がある私には魔法の使い方は分かります。

 自分の中にある魔力の流れを掴み、手の先などに集中させること。

 使いたい魔法のイメージを明確に描くこと。

 ローズはさすが、魔王であるジルベールお兄様の妹です。

 右手に大きな魔力が集まって行くのを感じます。

 声を上げられたら面倒なので、まず口を塞ぎましょう。

 それから、エセルにこれ以上危害を加えられないためにも、手足が動けないようにしなければなりません。

 私は右手の人差し指で男を指差しました。

「凍れ」

 詠唱は必要ありませんが、意思をはっきりとさせることで、魔法の効果が上がります。

 私の言葉で、一瞬で男の口と手足が凍りつきました。

 念の為に、残りの五人も拘束しておいた方がいいですね。

 私は目を瞑ると、先ほど感じた気配の五人に意識を向けます。

 お兄様ほどではありませんが、ローズにも闇魔法は宿っています。

 彼らの影を使って、拘束するイメージを強く描きます。

 足元から伸びた影が鞭のようにしなやかに伸びて、彼らの手足体を拘束するイメージです。

 ああ。舌などを噛まれたら面倒ですから、口は氷で凍らせておきましょう。

 離れた場所ですので、イメージだけでできるか不安でしたが、まるで目の前で拘束するように魔法は発現したようです。

 私は、動けず、口を開くこともできずにいる目の前の男も影から出た鞭で縛り上げました。

 そこまでしてから、ようやく結界から足を踏み出し、倒れているエセルの元へ向かいます。

「エセル!」

「姫・・・さま。結界から出られては・・・」

「うん。すぐ戻るよ。立てる?風魔法で体を浮かせるね」

 エセルの脇腹には血が滲み、顔色も真っ青です。

 それでも、私の安全を優先するエセルに風魔法を使います。

 風魔法はヴァイオレットの固有魔法でしたから使い慣れているので、エセルの傷に障らないようにそっと体を浮かせて、結界内へと移動させます。

 治療のために光魔法を使うにしても、この男の前で使うわけにはいきません。

「面倒ですね。気絶させた方が早いでしょうか」

 この男の持っている魔法が何なのか分からないので、氷と闇の両方で拘束しましたが、私より強い適性のある魔法の場合、私の魔法が無効化される可能性があるのです。

 雷撃なら気絶させられるかもですね。氷と闇の魔法は私の方が上のようですから、最悪逃げられることはないでしょう。
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