「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした

みおな

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婚約破棄を喜んでお受けしますわ

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「じゅ、ジュリ?遠慮することはない。この女とは婚約破棄するから・・・」

 ジュリさんの言葉に、ジュエル様は狼狽えながらもさらに言い募っています。

 あらあら。自分が受け入れられないとは思わなかったようですわね?

 確かに、平民のジュリさんからしたら、王族の婚約者といえば聞こえはいいですけれど、ご自分が第3王子であることをお忘れではないかしら?

 結婚と同時に王籍を抜けるジュエル様は、爵位をいただけるほどの功績もなく、平民として暮らせるほどの忍耐もないお方。
 そんな方を婚約者にしたら、見えるのは苦労だけ。

 しかも、このような場所で公爵家の一人娘のわたくしに婚約破棄を告げているのです。
 国王陛下から叱責の上で、即座に王籍から外されるでしょう。

 やはり、ジュリさんは聡明な方のようですわね。

「やめて下さい!!私は殿下のこと何とも思っていませんから!私を巻き込まないで下さい!!」

「ジュリ!どうしてそんなことを言うんだ?僕のことをかっこいいですねって言ってくれたじゃないか」

 まあ!ジュエル様はそれでジュリさんに好かれていると思われたのかしら?
 いくらなんでも、好きですと言われてもないのに、そんなこと思いませんわよね?

「だって、殿下がかっこいいだろうってお聞きになったんじゃないですか!」

 あら?それは頷く以外に選択肢はありませんわよね。
 しかし、情けのない方だこと。
ご自分から聞かないと誰も褒めて下さいませんものね。

 涙目で反論しているジュリさんを見て、そろそろわたくしもお話に参加させていただくことにしました。

 このままでは、王族のジュエル様に不敬罪に問われてしまいかねませんからね。

 ジュエル様は実力はありませんけど、プライドだけは山のように高い方ですから。

「お話中、失礼しますわ。婚約破棄の件ですけど・・・」

「今は、大事な話の最中だっ!!」

「先にわたくしとのお話を終わらせてくださいませ。婚約破棄の手続きもあるのですから」

「うるさい女だ!僕が婚約破棄だと言っているのだから、お前はそれに黙って従えばいいんだ!!」

 本当に・・・どうしてこんな方が王族なのかしら?国王陛下も王妃様も、王太子殿下も第2王子殿下も、皆様すばらしい方だというのに。
 どこかで拾われて来たのじゃありませんわよね。見た目だけは、国王陛下に似てらっしゃるし、血は繋がってますわよね。

 残念。残念の一言に尽きますわ。
見た目王子より、残念王子の方がピッタリですわ。
 まぁ、王子でいられるのも時間の問題ですけれど。

「かしこまりましたわ。婚約破棄お受けしますわ」
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