はい!喜んで!

みおな

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リエル・イグリットの場合

リズ・オビュス公爵令嬢

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 リズ・オビュス。
ファーゼンバーグ王国の筆頭公爵家の令嬢である。

 父親は王兄で、妻になった公爵令嬢が王妃が嫌だと言ったことから、王太子の座を弟に押し付けて、妻の公爵家を継いだ変わり者である。

 それでも周囲から文句を言われなかったのは、父親が優秀な上に母親も社交界の華と呼ばれていて、後に国王となった弟にも好かれていたからである。

 その娘であるリズも、そんな両親を見て育ったために、華やかでありながら能力至上主義に育った。

 四年間通う王立学園に、半分も過ぎた頃に編入して来た令嬢はリズが感嘆するほど優秀だった。

 リエル・イグリット侯爵令嬢。

 今までお茶会にも一度も現れたことのない、イグリット侯爵家の令嬢。

 イグリット侯爵家は、二年前に突然現れた貴族だ。

 他国の貴族だったらしいが、王家からこの件は口出し無用との御触れが出て、誰も詳細を知らない。

 だが侯爵家ではあるものの、領地も持たず、当主も夫人も何の権限を持とうとしないために、誰も文句言えなかった。

 そう。
そんな中、突然編入して来たイグリット侯爵家の令嬢。

 注目を集めないわけがない。

 しかも本人は、極上のビスクドールのような容姿で、成績優秀。

 当然、男共は色めき立った。
だが、リエルが塩対応だったことと、リエルが編入して二ヶ月後に王太子の婚約者となったことが発表されたために、それも沈静化した。

 だが、その代わりに別の愚か者が湧いた。

 リズは、冷ややかに転んだ令嬢を見ると、その綺麗な顔をしかめた。

「パンランチ準男爵令嬢。貴女、イグリット侯爵令嬢様に対して、お名前で呼んだ挙句に付けをなさった?しかも、イグリット様が足をかけた?貴女が走って来た側を歩いていたのはわたくしでしてよ?それなのに、どうやってイグリット様が足をかけますの?しかも、淑女が廊下を走るだなんて。人に冤罪をかける前にご自分のなさったことを恥じるべきではないかしら」

 周囲も、リズが対応しているために口は出さないが、その通りだと頷いている。

 そもそも、もし足をかけられたのだとしても、文句を言える精神が分からない。

 侯爵家と準男爵家。
そこには、天と地ほどの差があるのだ。

「ひっ、酷いです!私は本当に足をかけられて・・・」

「なら、わたくしが貴女を足をかけて転ばせたと言いたいの?わたくしはリエル様と違って、優しくはありませんわよ。貴女がそう言い張るのでしたら、徹底的に調べて冤罪を晴らしますわ」

「何を騒いでいるんだ」

 そこに現れたのは・・・
 
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