はい!喜んで!

みおな

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リエル・イグリットの場合

リズ・オビュスの訴え

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「聞いておりますの?お父様、お母様!わたくしとて従兄弟が憎いわけではありませんが、あのような言動は許せるものではありませんわ!」

 リズは、両親に学園であったことを訴えていた。

 いくら王族と親戚関係といっても、自分は公爵令嬢。

 叔父叔母だからといって、直接カルロスの愚行を伝えに行くつもりはない。

 だが、見て見ぬ振りはできない。

 リズは、このような時に止めるのは、自分の役目だと思っていた。

 今は叔父も叔母も健在だから良いが、いずれカルロスが国の頂点に立った時、あのような愚行を行えば国が傾く。

 それを正すのも、自分たち臣下の役目だとリズは思っているのだ。

 リズの父親、つまりは現国王陛下の兄でカルロスの伯父にあたるアーサー・オビュス公爵は、娘の訴えに淡々と答えた。

 妻であるパトリシアとのお茶の時間に乱入して来た娘は、妻に似てどうにも正義感があり、気が強い。

「そんなに慌てなくても、セルゲイは為政者として優れている。親バカでもない。判断も早く、情に流されたりもしない。今頃、影から報告を受けて、カルロスを廃嫡する決断をしているだろう」

「そうよね。今頃、ミハエル様の王太子教育や、婚約者選定の準備のことを考えられていると思うわ。カルロス様も困ったお方だこと。あれほど、婚約者のことは大切になさいと陛下から言われていたでしょうに」

 母であるパトリシアの言葉に、リズはそうなのですか?と目を見開いた。

 確かに叔父である国王陛下は優秀な方だと思うが、姪である自分にはとてつもなく甘い。

 だから、その優しい叔父が即座に嫡男である息子を切り捨てる判断をするということに驚いた。

 両親が嘘をつくとは思えないが、意外だったのである。

 しかし、親に婚約者を大切にするようになどと言われないと、大切にできないのか、あの従兄弟は。

 王族であるカルロスや、高位貴族である自分などは、政略結婚が当たり前である。

 相手も望んでの婚約とは限らないのだから、大切にするのは当然のことだ。

 当然のことながら、リズも政略結婚相手になる婚約者のことを大切にしている。

 他国の王族の三男の婚約者とは、頻繁に会えるわけではないが、手紙も欠かさないし、贈り物もマメにしている。

「だから、リズが心配することはない。あとで、セルゲイにも確認しておく」

「わかりましたわ、お父様。ですが、あのパンランチ準男爵令嬢のことは如何いたしましょう」

「確かあそこは、疫病が流行した時に薬の発明で爵位を得たのだったか。親は立派な方なのにな」

 アーサーは、ため息を吐いた。
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