はい!喜んで!

みおな

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シリル・イグリットの場合②

フミナ・イヤーズ子爵令嬢

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 フミナ・イヤーズ。
イヤーズ子爵家の次女である。

 四歳年上の姉と二歳年上の兄がいて、父親似の姉と兄と違い、母親似のフミナは可愛らしい容姿をしていた。

 姉は三年前に伯爵家に嫁いでいたし、兄も来年、子爵家のご令嬢と結婚することが決まっていた。

 フミナも先月、男爵家との婚約が決まっていたのだが、フミナはその婚約が気に入らなかった。

 姉が伯爵家に嫁いだのに、兄嫁が同じ子爵家の令嬢なのに、何故自分の婚約者が男爵家なのか。

 フミナは幼い頃から、周囲に可愛いと言われ続けていたため、容姿に絶対の自信を持っている。

 その自分の婚約者が、平凡なことが不満で仕方ない。

 しかも、フミナのことを可愛いと褒め称えない。

 着飾ることにしか興味がないフミナに、男爵夫人になるのなら、もっと勉強して欲しいという始末。

 フミナはなりたくてなるわけじゃない!と不満で仕方なかった。

 可愛い自分は、公爵家や侯爵家、何なら王太子殿下に見染められて、みんなに傅かれるべき存在だとすら思っていた。

 決して、甘やかされて育ったわけではない。

イヤーズ子爵家の両親は、嫡男も長女も次女も、分け隔てなく教育を受けさせた。

 長女も長男も、一生懸命に勉強に励み、そのおかげで良い縁談にも恵まれたのに、フミナだけはあれが嫌だのこれが嫌だのと、文句だけが一人前になり、見た目にしか興味を持たないような令嬢に育ってしまった。

 そのために、両親が探し回り、ようやく見つけた縁談が男爵家だったのである。

 だが、自分に変な自信があるフミナは、自分に縁談が来ないのは周囲が自分を高嶺の花だと思っているから、という妙な理論を展開した。

 お馬鹿ではあるが、両親も兄も姉もフミナが嫌いなわけではない。

 少々、イラっとするところはあるが、良い相手に恵まれて結婚して幸せになってもらいたいと思っている。

 だが、優秀な兄や姉にコンプレックスのあるフミナは、その思いに気付かない。

「ちょっと、貴女!王太子であるエドワードに馴れ馴れしく話しかけるなんて!立場をわきまえなさいよ」

「そんな・・・私はただ・・・」

「言い訳するんじゃないわよ!」

「何をやってるんだ、ステラ!フミナ大丈夫か?ステラ、お前はカナーバ公爵家の令嬢だが、身分で人を差別するのは褒められたことではないな」

 学園で、親しくなった王太子のエドワード。

 エドワードと仲良く話していると必ず、公爵令嬢であるステラ・カナーバが文句を言ってくるけど、その度にエドワードが庇ってくれる。

 フミナはとても気分が良かった。
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