冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな

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願い〜女神様視点〜

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 わたくしの名前はエウリュノメー。

 この世界を生み出した、創造の女神と呼ばれるものです。

 正確に言うと少々違うのですが、難しい話になりますので、世界というゲーム盤を眺めている傍観者とでも思ってくださればいいと思います。

 わたくしは、多くの生き物をこの世界に生み出しました。

 植物も、動物も、魔物も、妖精も、人間も、魔族も。

 全てに等しく命を与えて生み出した以降は、わたくしがそれらに何かをすることはありません。

 わたくしはあくまで傍観者であり、生み出した者たちが争おうと淘汰されようと、手を出すことはありません。

 そんなわたくしですが、ただ一度だけ一人の少女の生に手を差し伸べてしまいました。

 彼女は、わたくしが選んだ聖女という存在です。

 等しく力を与えましたが、永き時の中で格差ができて来ました。

 人間よりも魔族や魔物の方が力が強く、容易く人間が滅んでしまうことから、人間を守る守護者としての役目を聖女に与えたのです。

 聖女の力の源は、わたくしの力です。

 ですから、それを行使するに相応しい精神の持ち主を厳選します。

 今期選んだのは、平民の少女ルディアです。

 両親を病で失い、それでも前を向いて生きていた少女。

 食べることすら苦しい生活から、聖女になれば人に敬われる存在になる。

 だからこそルディアを選んだのです。

 彼女のこの先の生が、実りあるものであるようにと。

 ですが、愚かな人間というものはいつの時代にもいるものです。

 こともあろうに聖女を便利な道具扱いをし、生命の危機にあった生活から脱出させるための聖女認定だったというのに、聖女になる前よりも酷い生活を送らせたのです。

 そして、あろうことか聖女を悪女と罵り、わたくしの選んだ聖女の首を刎ねたのです。

 許されることではありませんが、わたくしはルディアの時を巻き戻すことにしました。

 罰を受けることになるでしょう。
それでも、どんな扱いをされてもただひたすらわたくしに祈ってくれていたあの子に、笑顔で過ごして欲しいと思ったのです。

 聖女を殺した国になど、生まれ変わらせたりしません。

 ルディアを守れる強者、魔王の国に転生させることにしました。

 聖女の力は、ルディアにこそ相応しいものです。

 ルディアが守りたいと思うものを、守れるための力を与えておきたい。

 元々は弱き人間を守るための聖女という存在ですが、それを自ら手放したのが人間です。

 ならば、淘汰されても文句は言えないはずです。

 わたくしは、罰を受けてしばらくは眠りにつかなければなりません。

 どうかどうか、目覚めた時にルディアが幸せな生を送っていますように。

 聖女になったことを心から喜んでいますように。

 
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