冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな

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誰にも奪わせはしない〜ヴィンセント視点ー

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「ルディアはどうしている?」

 イブリンに尋ねると、黙々と回復薬を作っていると言われた。

 いや、どれだけ仕事人間なんだ。
仕事中毒なんじゃないか。

 好きなことをして過ごして欲しいのに、嬉々として回復薬を作っているらしい。

 そうすることが当たり前だと思わせたネモフィラ王国の人間を、心から憎いと思う。

 身も心も犠牲にして、聖女としての務めを果たしていたルディアを、悪女だと冤罪をかけて殺したネモフィラ王国。

 あんな国、滅ぼしてしまいたいが・・・

 そういえば、聖女がネモフィラ王国は、現在どうなっているのだろうか。

「イブリン、ノワールに言ってネモフィラ王国が現在どんな様子なのか調べさせろ」

「かしこまりました」

「ルディアには知らせるな。優しいルディアのことだ。民が苦しんでいると知ったら助けようとするかもしれない」

「心得ております。ルディア様は真の聖女たるお方。人間のためにそのお心を痛めることがあってはなりません」

 イブリンの言葉に苦笑した。

 ルディアは元々、低姿勢で王宮の使用人たちに人気があった。

 そこに来て、カナを救ったことで人気はさらに急上昇だ。

 その筆頭がイブリンとアレッタだ。

「さて、ルディアをお茶にでも誘ってくるか」

「中庭でお茶の準備をいたします」

 イブリンが頭を下げて部屋から出て行った。

 城には俺に敵意を持つ者はいないが、人間を嫌う者は多くいる。

 カナを救ったルディアに害意を向ける人間はいないと思うが、念のためにルディアが口にする物はイブリンかアレッタに毒味をさせている。

 ルディアの聖女の力が、ルディア自身に効くのかどうかも分からないから用心に越したことはない。

 ルディアの部屋に向かい扉を叩こうとすると、手が扉に当たる前にスッと内側から開いた。

「どうぞ」

「・・・ルディアは?」

「今、集中されているので、お静かに」

 アレッタが内側から扉を開けて、俺をソファーへと誘う。

「休憩のお誘いですか?」

「ああ」

「あと五分ほどで終わると思います」

 今日はアレッタがルディアの護衛だ。
イブリンとアレッタは、交互にルディアの護衛に付いている。

 カナたち家族には、カナが回復したのは王宮医師の懸命な治療によるものだと聞かれたら答えるように伝えているが、他国に噂が流れれば聖女の存在を知られて、ルディアを奪おうとする者も現れる可能性がある。

 そのために、たとえ安全な王宮内であってもどちらかはルディアの側にいるようになった。

 ルディアは聖女である以前に、俺の大切な婚約者だ。

 誰にも奪わせはしない。
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