拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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回避は無理ですわ

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「謝罪は受け入れますけど・・・」

 言わないわけにはいきませんよね。
だって、アチラにも謝罪しないとまずいですし。

 躊躇ってお父様のお顔を見ますと、頷かれました。

 ああ。気が重いです。

「あの・・・言いにくいのですが」

「な、なんでしょうか?ミリム嬢」

「ご子息、ランドル様が婚約破棄を告げられたのは、セシリア・ジャグリング公爵令嬢様のお誕生日パーティーでして・・・」

「ああ。多くの高位貴族の方々がいらっしゃる前で、あの愚息は!」

 ええ。そうなんですけど、それだけではなくて。

「その場には、ラナリス王女殿下もいらしていまして・・・」

「王女殿下が?そ、そうですか・・・」

「ラナリス様は、私と銀髪に、銀色の瞳をされていますよね・・・」

「え、ええ」

 不穏なものを感じたのか、デルモンドご夫妻の顔色がどんどん悪くなっていきます。

 これ以上言い渋っていては、蛇の生殺しですわね。
 私も覚悟を決めませんと。

「その、ラナリス様を婚約破棄を告げられまして。ラナリス様がノリノリで対応されてしまったのです。あの、なんだか申し訳ありません」

 私が謝るというのも変な話ですが、婚約者でありながら顔すらわかってもらえてなかったというのも、ねぇ?

 私の発言に、完全にデルモンド侯爵ご夫妻は固まってしまわれました。

「ちょっと待ってちょうだい。ねぇ、ミリム様。あの子、ミリム様と出かけたことは?」

「ありませんね」

「お誕生日のお祝いなどは?」

「パーティーの招待状は送りましたけど、お返事もいただけていませんね」

 侯爵夫人は、顔を真っ青にして、ソファーに崩れ落ちられました。

「なんて酷い・・・こちらが婚約破棄を告げられで仕方ない所業じゃない」

「アデライン子爵。ミリム子爵令嬢。本当に申し訳なかった。婚約に関しては白紙撤回出来ないか、王家に謝罪に伺った上でお願いして来る。その上で当然ながら慰謝料も払わせていただく」

「慰謝料は必要ありませんよ。今のデルモンド侯爵家で慰謝料を払えば、事業も立ち行かなくなるでしょう。幸いにもご嫡男は優秀な方のようですから、事業に関しても継続しましょう。領民には罪はありませんからね」

 お父様の言葉に、侯爵様は涙を流されました。

 我が家とデルモンド侯爵家は、ある事業を共同で行なっています。

 多分ですけど、元婚約者様はそんなこともご存知なかったのでしょうね。

 まぁ顔も知らない婚約者のことですから、興味もなかったんでしょうけど、自分の家が被る被害とか思いつかなかない時点で、貴族の資格はありませんね。
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