拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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お任せします

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「申し訳ございませんっ!」

 現れたゴーマン伯爵夫人は、土下座する勢いで私たちに謝罪されました。

 夫と娘の頭をそれぞれの手で掴んで、地面に押し付けながら。

 なんだか・・・ものすごい方がいらっしゃったわ。

「本当に申し訳ございません!夫と娘には、しっかりと再教育をいたしますっ!必ずっ!必ず、反省させますからっ!どうか、どうか、お許しくださいっ!」

「ゴーマン伯爵夫人。ちゃんと躾けていただかないと。仏の顔も三度と言いますけど、次はありませんよ?」

「はいっ!お約束いたします!辺境伯様も、辺境伯夫人様も、どうかどうか、お許しくださいっ!」

 お兄様の言葉に、さらにご本人も頭を地面につきそうなくらい下げられます。

 お兄様?どうしてこんなに怯えていらっしゃるのか、ご説明くださるかしら?

 チラリとお兄様を見ると、フイと顔を逸らされました。

 そう。そういう態度を取りますのね。

「その方々とは私がお話します。お兄様たちはどうぞお帰りになって下さい」

「えっ?ミリム?え?ちょ、ちょっとヒルト!謝りなさい!」

「み、ミリム?ご、ごめんなさい!ちゃんと説明するわ!だから、怒らないで!」

「お姉様?わ、私・・・何かいけないことをしてしまいましたか?ごめんなさい、お姉様。お願いです、嫌わないで」

 お兄様以外の、お母様、ラナリス様にセシリア様が慌てたように謝罪されます。

 お父様はオタオタとされていますし、セルフィー殿下も戸惑った表情をされています。

 当のお兄様は・・・

「コイツらが、大事なミリムを馬鹿にしたような発言をしたから」

「私がお兄様にお任せしたのですから、私も同罪ですけど。いつも申し上げていますわよね?やり過ぎないように、と。私が子爵令嬢だったのは事実なのですから、仕方ないではありませんか。まぁ、私のことを思ってくださったことは、嬉しいですけど」

「あ、あの・・・お嬢様が辺境伯様の奥様?」

 私がお兄様とお話していると、伯爵夫人が声をかけていらっしゃいました。

 でも、何故そんなにオドオドされていますの?
 私は別に取って食ったりしませんわ。

「ええ。先日、辺境伯家当主ユリウス様とは婚姻をいたしました。今日は領民の方々にお披露目を。ミリム・グラナードと申します」

「ゴーマン伯爵が妻のエリアナと申します。辺境伯夫人様、どうか主人と娘のことは、私にお任せ願えませんか?キチンと再教育をいたします。二度と、二度と辺境伯領にも立ち入らせません。ですから、どうか!」

「後でご報告下さいね?」

 このままお兄様やラナリス様たちにお任せしていたら、伯爵家が潰されてしまいます。

 夫人はマトモな方のようですし、お任せした方が良さそうです。
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