43 / 64
甘い時間
しおりを挟む
ユリウス様が私のガウンの紐を解き・・・
そのまま硬直されてしまいました。
「ユリウス様?」
「これは?」
「あ、ラナリス様からのお祝いの品で・・・変でしょうか?メリアは似合っていると言ってくれたのですけど」
ユリウス様のお好みではなかったのかもしれません。
しゅんとして俯くと、ユリウス様の手が頬に触れて、顎を持ち上げられます。
こ、これは・・・
セシリア様がおっしゃっていた『顎クイ』というやつでは?
以前、セシリア様が恋愛小説で読んだらしく、熱く語って下さったのです。
もちろん、その恋愛小説を勧めたご友人にはジャグリング公爵家から注意をしていただきました。
十歳のセシリア様に、そういう刺激の強いお話はまだ早いですわ。
いずれは閨教育も必要になりますけど、セシリア様は公爵家のご令嬢。
政略結婚をしなくてはならないかもしれません。
あまり恋愛に夢を抱かせて、傷つける結末になってはいけませんし。
「破壊力が・・・」
「破壊力?」
ユリウス様の呟きに、首を傾げます。
何か壊れたのかしら?
「きゃっ」
そのままユリウス様に抱き上げられ、ベッドへと連れて行かれました。
広いベッドに下ろされて、ユリウス様もベッドに上がって来られます。
私とユリウス様が並んでも、まだ二人くらい寝れそうな大きなベッドです。
辺境伯夫妻の主寝室は、私の部屋とユリウス様のお部屋の真ん中にあります。
全てが扉で繋がっているのですが、昨日まであの扉は鍵がかかっていたのです。
ですから、私がこの寝室に入るのは初めてで・・・
「ユリウス様」
「優しくする。辛かったら言ってくれ」
「はい」
閨教育で、初めては痛いものだと聞いております。
ユリウス様はゆっくりと私に覆い被さると、瞼に優しくキスをされました。
私が目を閉じると、キスはおでこに、眦に、頬に、と繰り返され、そして私の唇にユリウス様の唇がそっと重なります。
「ふふっ」
「どうした?」
「ユリウス様と出会ったから、婚姻まで駆け足でしたので、そういえば口付けをするのも初めてだったと思いましたの」
そうなのです。
そもそもご一緒にお出かけしたのも、あの花飾りの布を買いに行っただけです。
随分と慌てて結婚したものだと、今思いましたのよ。
貴族令嬢なら何年も婚約期間を持ち、婚姻までに半年から一年の期間を持ちます。
その間に婚約者と交流し想いを深めあうのですが、私ユリウス様と手を繋いだのもあの日が初めてでした。
「ああ。触れてしまったら我慢できないからな、自制していた。これから時間はたくさんある。ゆっくりと仲を深めていこう」
「はい。ユリウス様」
ユリウス様が再び唇を重ね合わせます。
私はその甘い夜に、身も心もユリウス様の妻になりました。
そのまま硬直されてしまいました。
「ユリウス様?」
「これは?」
「あ、ラナリス様からのお祝いの品で・・・変でしょうか?メリアは似合っていると言ってくれたのですけど」
ユリウス様のお好みではなかったのかもしれません。
しゅんとして俯くと、ユリウス様の手が頬に触れて、顎を持ち上げられます。
こ、これは・・・
セシリア様がおっしゃっていた『顎クイ』というやつでは?
以前、セシリア様が恋愛小説で読んだらしく、熱く語って下さったのです。
もちろん、その恋愛小説を勧めたご友人にはジャグリング公爵家から注意をしていただきました。
十歳のセシリア様に、そういう刺激の強いお話はまだ早いですわ。
いずれは閨教育も必要になりますけど、セシリア様は公爵家のご令嬢。
政略結婚をしなくてはならないかもしれません。
あまり恋愛に夢を抱かせて、傷つける結末になってはいけませんし。
「破壊力が・・・」
「破壊力?」
ユリウス様の呟きに、首を傾げます。
何か壊れたのかしら?
「きゃっ」
そのままユリウス様に抱き上げられ、ベッドへと連れて行かれました。
広いベッドに下ろされて、ユリウス様もベッドに上がって来られます。
私とユリウス様が並んでも、まだ二人くらい寝れそうな大きなベッドです。
辺境伯夫妻の主寝室は、私の部屋とユリウス様のお部屋の真ん中にあります。
全てが扉で繋がっているのですが、昨日まであの扉は鍵がかかっていたのです。
ですから、私がこの寝室に入るのは初めてで・・・
「ユリウス様」
「優しくする。辛かったら言ってくれ」
「はい」
閨教育で、初めては痛いものだと聞いております。
ユリウス様はゆっくりと私に覆い被さると、瞼に優しくキスをされました。
私が目を閉じると、キスはおでこに、眦に、頬に、と繰り返され、そして私の唇にユリウス様の唇がそっと重なります。
「ふふっ」
「どうした?」
「ユリウス様と出会ったから、婚姻まで駆け足でしたので、そういえば口付けをするのも初めてだったと思いましたの」
そうなのです。
そもそもご一緒にお出かけしたのも、あの花飾りの布を買いに行っただけです。
随分と慌てて結婚したものだと、今思いましたのよ。
貴族令嬢なら何年も婚約期間を持ち、婚姻までに半年から一年の期間を持ちます。
その間に婚約者と交流し想いを深めあうのですが、私ユリウス様と手を繋いだのもあの日が初めてでした。
「ああ。触れてしまったら我慢できないからな、自制していた。これから時間はたくさんある。ゆっくりと仲を深めていこう」
「はい。ユリウス様」
ユリウス様が再び唇を重ね合わせます。
私はその甘い夜に、身も心もユリウス様の妻になりました。
196
あなたにおすすめの小説
【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。
五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」
オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。
シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。
ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。
彼女には前世の記憶があった。
(どうなってるのよ?!)
ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。
(貧乏女王に転生するなんて、、、。)
婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。
(ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。)
幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。
最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。
(もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)
「失礼いたしますわ」と唇を噛む悪役令嬢は、破滅という結末から外れた?
パリパリかぷちーの
恋愛
「失礼いたしますわ」――断罪の広場で令嬢が告げたのは、たった一言の沈黙だった。
侯爵令嬢レオノーラ=ヴァン=エーデルハイトは、“涙の聖女”によって悪役とされ、王太子に婚約を破棄され、すべてを失った。だが彼女は泣かない。反論しない。赦しも求めない。ただ静かに、矛盾なき言葉と香りの力で、歪められた真実と制度の綻びに向き合っていく。
「誰にも属さず、誰も裁かず、それでもわたくしは、生きてまいりますわ」
これは、断罪劇という筋書きを拒んだ“悪役令嬢”が、沈黙と香りで“未来”という舞台を歩んだ、静かなる反抗と再生の物語。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます
tartan321
恋愛
最後の結末は??????
本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ
との
恋愛
2月のコンテストで沢山の応援をいただき、感謝です。
「王家の念願は今度こそ叶うのか!?」とまで言われるビルワーツ侯爵家令嬢との婚約ですが、毎回婚約破棄してきたのは王家から。
政より自分達の欲を優先して国を傾けて、その度に王命で『婚約』を申しつけてくる。その挙句、大勢の前で『婚約破棄だ!』と叫ぶ愚か者達にはもううんざり。
ビルワーツ侯爵家の資産を手に入れたい者達に翻弄されるのは、もうおしまいにいたしましょう。
地獄のような人生から巻き戻ったと気付き、新たなスタートを切ったエレーナは⋯⋯幸せを掴むために全ての力を振り絞ります。
全てを捨てるのか、それとも叩き壊すのか⋯⋯。
祖父、母、エレーナ⋯⋯三世代続いた王家とビルワーツ侯爵家の争いは、今回で終止符を打ってみせます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる