拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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パーティーに向かう前に

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 王都でのお披露目パーティーは、何故か王宮で行われることになりました。

 おかしいわ。何故?
お兄様の結婚なら、わかります。

 お兄様は次期国王陛下になられる予定ですし、もしなられなくてもラナリス様が女王陛下に、お兄様は王配となられるのですから。

 ですが、何故辺境伯のユリウス様と私の結婚披露パーティーを王宮で行いますの?

 しかも国王陛下主催だと聞きました。

 色々とおかしいですわ。

 文句を言いたいのに、もう皆様王都に戻られていますから、手紙でしか言うことが出来ません。

「計画の一端なのだろうな。国王陛下主催のパーティーで問題を起こせば、確実に処罰される」

「きっとお兄様の発案ですわね」

「ああ。ヒルトは頭が回るからな。そして手紙で知らせてきたのも、ミリムの文句を直接聞かないためだろう」

 クスクスと笑われるユリウス様に、頬を膨らませて抗議します。

「まぁ!ユリウス様は私の味方をしてくださらないのですね」

「まさか。俺はどんなことがあろうとミリムの味方だ。そんな可愛い顔をしていると、このまま寝室に連れ込むぞ」

「!」

 周囲に聞こえないように、耳元で付け加えられた言葉に、私は真っ赤になってしまいました。

 結婚式の夜から三日間、私は辺境伯夫妻の寝室から出ることが出来ませんでした。

 目覚めると、ユリウス様のお膝で食事を摂り、食休みのあとはまたユリウス様に愛されます。

 時々果物や飲み物を与えられ、湯浴みもユリウス様自らがして下さり・・・

 三日後、ようやく部屋から出る時には、私は自分で立つことが出来ませんでした。

 ユリウス様に抱き上げられ、私のお部屋のベッドに運ばれて。

 ユリウス様は、メリアに叱られていましたわ。

「お気持ちはわかりますが、奥様のお身体のことも気遣って差し上げてください」

 確かに少々疲れましたし、声も枯れ、立てませんでしたけど、別に、その・・・嫌ではありませんのよ。

 世継ぎを産むことは妻の役目ですし、ユリウス様にとことん甘やかされて愛されるのは、とても、その、幸せですから。

 ですが、今日午後から王都に向けて出発する予定なのです。

 だ、抱き潰されてしまったら、二、三日出発を伸ばさなければならなくなります。

 国王陛下主催のパーティーですから、ゆとりをもって出発するつもりですのに、ギリギリになってしまいますわ。

 私はブンブンと顔を振りました。

「ゆ、ユリウス様のお気持ちを疑ってなどいませんわ」

「慌てずとも、ちゃんと午後には出発する。着くのが遅れたら、ヒルトに何を言われるか分からないからな。それに義父上や義母上もお待ちだ」

 ユリウス様はそうおっしゃると、私の髪を優しく撫でてくださいました。
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