3 / 57
悪役令嬢の役割
しおりを挟む
あれから、熱を出して3日間寝室にこもりきりだった私は、自分の置かれた状況を考えていた。
花乙の世界である魔術王国の王族は、薔薇の花を家紋に持つアイリーン家。
その第1王女が、リアナである。
そのリアナが想いを寄せる相手が、異母兄の第1王子であるシオンだ。
王妃はシオンを産んだあと亡くなり、その後妻の現王妃の子供がリアナなので、シオンとリアナは半分は血の繋がったれっきとした兄妹だ。
なのに、リアナはシオンと婚約したフローラに嫉妬し、嫌がらせを始めるのである。
いや、どれだけブラコン拗らせてんだって話だ。作った私が言うのもなんだけど。
花乙は乙女ゲームなので、ヒロインであるフローラが攻略する、攻略対象がいる。
まずは、王道ルートである第1王子であるシオン・アイリーン。
シオンの友人で、宰相の息子のハロルド・サンセット。
騎士団長の息子のジェイムス・ラグノア。
魔術団長の息子のイリアス・ホワイト。
そして、隠しルートである、のちにリアナの護衛騎士になる元暗殺者のソル・フィルズ。
そして、フローラがどのルートに進んだとしても、悪役令嬢として立ち塞がるのがリアナなのだ。
リアナはどのルートでも破滅の道を辿ることになる。
シオンルートだと、聖女となったフローラを害しようとして断罪され処刑。
ハロルド、ジェイムス、イリアスルートだと国外追放。追放後、野盗に襲われたり、諸々で死亡。
ソルの隠しルートに入ると、フローラに心惹かれるソルに暗殺される。
全部、バッドエンドなのである。
いや、ほんとマジで何してくれてんの?前世の自分。
いや、乙女ゲームなんだから、わかりやすく善悪を分けた方がと思ったんだけど、まさか悪の方に転生するとは。
だって、プレイヤーはヒロインを操作するんだから、悪役が生き残ってたら嫌かなぁと思ったのよね。
第一、庶民落ちとかにしたとしても、王族として暮らしていた王女が、庶民として暮らすなんてできるわけがないし。
とにかく、異母兄であるシオンはもちろん全攻略対象から距離を取らないと。
あとは、フローラに対して嫌がらせは一切しない。大体、天使なフローラに対して嫌がらせなんてあり得ないわ。
問題は、これが乙女ゲームの世界なら強制力とやらが働くかもしれないということ。そうすると、やってなくても私がやったことにされる可能性がある。
うーん、これは非攻略対象者に味方を作っておくべきかな。
花乙は私の愛情をたっぷり詰め込んだゲームだから、登場人物は全員もれなく美形なのよね。だから、当然リアナも超美少女!
性格は、まぁ甘やかされた王女だなって分かる程度には我儘だし、シオンのことで辛辣にもなっていくけど、今は中身が私なんだから、そこの辺はちゃんとやっていけると思う。
よし!
とにかく攻略対象者には近づかずに、良い子と振る舞って味方を作ろう!
花乙の世界である魔術王国の王族は、薔薇の花を家紋に持つアイリーン家。
その第1王女が、リアナである。
そのリアナが想いを寄せる相手が、異母兄の第1王子であるシオンだ。
王妃はシオンを産んだあと亡くなり、その後妻の現王妃の子供がリアナなので、シオンとリアナは半分は血の繋がったれっきとした兄妹だ。
なのに、リアナはシオンと婚約したフローラに嫉妬し、嫌がらせを始めるのである。
いや、どれだけブラコン拗らせてんだって話だ。作った私が言うのもなんだけど。
花乙は乙女ゲームなので、ヒロインであるフローラが攻略する、攻略対象がいる。
まずは、王道ルートである第1王子であるシオン・アイリーン。
シオンの友人で、宰相の息子のハロルド・サンセット。
騎士団長の息子のジェイムス・ラグノア。
魔術団長の息子のイリアス・ホワイト。
そして、隠しルートである、のちにリアナの護衛騎士になる元暗殺者のソル・フィルズ。
そして、フローラがどのルートに進んだとしても、悪役令嬢として立ち塞がるのがリアナなのだ。
リアナはどのルートでも破滅の道を辿ることになる。
シオンルートだと、聖女となったフローラを害しようとして断罪され処刑。
ハロルド、ジェイムス、イリアスルートだと国外追放。追放後、野盗に襲われたり、諸々で死亡。
ソルの隠しルートに入ると、フローラに心惹かれるソルに暗殺される。
全部、バッドエンドなのである。
いや、ほんとマジで何してくれてんの?前世の自分。
いや、乙女ゲームなんだから、わかりやすく善悪を分けた方がと思ったんだけど、まさか悪の方に転生するとは。
だって、プレイヤーはヒロインを操作するんだから、悪役が生き残ってたら嫌かなぁと思ったのよね。
第一、庶民落ちとかにしたとしても、王族として暮らしていた王女が、庶民として暮らすなんてできるわけがないし。
とにかく、異母兄であるシオンはもちろん全攻略対象から距離を取らないと。
あとは、フローラに対して嫌がらせは一切しない。大体、天使なフローラに対して嫌がらせなんてあり得ないわ。
問題は、これが乙女ゲームの世界なら強制力とやらが働くかもしれないということ。そうすると、やってなくても私がやったことにされる可能性がある。
うーん、これは非攻略対象者に味方を作っておくべきかな。
花乙は私の愛情をたっぷり詰め込んだゲームだから、登場人物は全員もれなく美形なのよね。だから、当然リアナも超美少女!
性格は、まぁ甘やかされた王女だなって分かる程度には我儘だし、シオンのことで辛辣にもなっていくけど、今は中身が私なんだから、そこの辺はちゃんとやっていけると思う。
よし!
とにかく攻略対象者には近づかずに、良い子と振る舞って味方を作ろう!
152
あなたにおすすめの小説
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
悪役令嬢は断罪イベントから逃げ出してのんびり暮らしたい
花見 有
恋愛
乙女ゲームの断罪エンドしかない悪役令嬢リスティアに転生してしまった。どうにか断罪イベントを回避すべく努力したが、それも無駄でどうやら断罪イベントは決行される模様。
仕方がないので最終手段として断罪イベントから逃げ出します!
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
婚約破棄は踊り続ける
お好み焼き
恋愛
聖女が現れたことによりルベデルカ公爵令嬢はルーベルバッハ王太子殿下との婚約を白紙にされた。だがその半年後、ルーベルバッハが訪れてきてこう言った。
「聖女は王太子妃じゃなく神の花嫁となる道を選んだよ。頼むから結婚しておくれよ」
【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる