悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな

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好きだということ《ソル視点》

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 またリアナ様が意識を失った。

 ダイアンサス嬢と話しているからと少し離れた位置でいた俺は、糸が切れたように倒れるリアナ様を抱き止めることができなかった。
 シオン様がいたおかげで、リアナ様は床に倒れる前にシオン様に抱き上げられた。

 俺が護衛になる前のリアナ様のことは、噂程度でしか知らないが、病弱などとの噂はなかった。
 異母兄であるシオン様にべったりで、我儘放題の王女。俺が聞いていたリアナ様の噂だ。

 だけど、俺は別にその噂を信じてはいない。浮浪児である俺を拾ってくれたのが、リアナ様だからだ。

 リアナ様からしたら、単なる気まぐれだったのかもしれない。だけど、生きていくことすら難しかった浮浪児が、生きる道を得ることができた。
 たとえそれが人を殺める道だとしても、俺は生きたかった。

 それに、無理矢理やらされたわけじゃない。ただ、俺にはそういう適性があった。ただそれだけだ。

 そして、再びリアナ様の存在により、俺は人を殺める道から救い出された。

 俺にとってのリアナ様は道標であり、俺の道を照らす光なんだ。

 リアナ様は、学園の入学式で倒れて、数日寝込んだ。
 その後は元気に学園に通い始めたのに、妙な鼠がリアナ様にまとわりつき、挙句に危害を加えた。

 その後からだろうか?不安そうに瞳を揺らされるようになったのは。
 嫌いにならないでと、口にされるようになったのは。

 誰がリアナ様を嫌ったらするというのか。シオン様など、ご自身が半分血が繋がっていることを忘れているのではないかと・・・いや、繋がっていても過ちを犯すのではないかと思うほど、溺愛しているというのに。
 最近は、シオン様の護衛のカイが、外部にではなく、シオン様自身の行動に警戒しているような気すらする。
 気のせいだとは思うが。

 そんなことを考えながら、お茶菓子の準備をしていると、カイが現れた。

「よっ」

「シオン様はどうした?」

「今、陛下と一緒に姫君のお見舞い中だ。陛下がいらっしゃるし、護衛もいるからな、少し外れてもいいと言われたんだよ」

「そうか」

 カイは俺と同じ暗部の暗殺部隊にいた男だ。年も同じだったことと、カイはそんな部隊にいるにもかかわらず明るい性格のせいで、人とうまく接せれない俺ともよく話をした。

「なにしてるんだ?」

「リリウム公爵令嬢がリアナ様のお見舞いに訪れる。その時の茶菓子だ」

「そうか。鼠は処理したのにな。何があったんだ?」

「いや、わからない。リアナ様も立ちくらみだとしか言わないんだ。普通にダイアンサス嬢と話していたんだ。シオン様もいらしたし」

 本当に、わからない。シオン様もなんだかはっきり言わないし。微妙に睨まれた気がしたけれど、リアナ様溺愛のシオン様だから、それもいつものことだし。

 俺が考え込んでいると、カイが愉快そうに笑った。

「ホント、姫君って罪作りだなぁ」

「なんのことだ?」

「へ?だっておまえ姫君に恋・・・いや、なんでもない。俺、戻るわ」

 カイは訳のわからないことを言って、さっさと出て行った。
 一体なんなんだ?アイツのいいところは、物事をはっきり言うところだというのに。

 俺は首を傾げながら、お茶菓子の準備を続けるのだったー




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