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聖女と異母兄と婚約者
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「フローラ様は聖女様なのですね」
いや、知ってたけどね。でも、聖女と公表するのは、シオンの学園卒業と同時で、婚約発表もその時だったはずなんだけど。
まぁ、私がソルと婚約した時点でゲームのルートからは外れているから、そんなこともあるわよね。
でも、そっかー。フローラはシオンルートだったんだ。全然、攻略してるように見えなかったけど。
「聖女といっても未熟ですが、リアナ様のことは必ず私が守ってみせますわ」
「ふふっ、フローラ様ってば。聖女は国の宝ですわ。私のことなどより、ご自分のことを大切になさって下さいませ」
この国、というか『花乙』の世界での聖女とは、国に繁栄と平穏をもたらす存在である。
聖女が存在する時は、魔獣などの悪意を持つものは弱体化し、天候も良好となり、作物などもよく育つ。
人々も平穏な日々を過ごし、争い事も大きく減ると言われている。
だから、聖女は王太子妃となることが当然とされる。もちろん、聖女が望まない場合は聖女の意思が尊重される。その上で、国に擁護される。
聖女とはその程の存在なのだ。
ほんと、ゲーム内のリアナってば、よくまあそんな存在をいじめたりしたわね。ある意味大物だわ。
「リアナ、当分は1人での行動はしないようにね。必ず僕かソル、お友達でも数名と行動する様にしなさい」
「?」
「フローラは聖女だから、王太子の妃として公認されたことになった。となると、狙いは可愛いリアナになる。権力を抜きにしても可愛いリアナを欲するものは多いだろう」
えと、シオンは何を言ってるんでしょうか?リリー嬢みたいな人がまた現れるということ??
「はぁ。ソル、カイ、フローラ、リアナから目を離さないように」
「かしこまりました」
「了解です」
「わかってるわ」
3人がシオンにうなづいてるけど、えー、私がわからないわ。大体、なんでシオンの護衛のカイまでが私を見張らないといけないの?
というか、フローラはシオンの婚約者で聖女でしょう!私の護衛じゃないわよ。
「お兄様、私は大丈夫ですわ。ソルもいますもの。フローラ様やカイにまでご面倒をおかけするものではありませんわ」
「リアナが何をもってして大丈夫というのかはわからないが、当分はみんなと共にいなさい。それがきけないなら、学園に通うのは禁止だ」
「横暴ですわ、お兄様!」
「父上の許可も出ている」
あんの、ピー親父(自主規制)
なんでシオンは、そんなに警戒してるの?みんなも私のこと可哀想なものを見る目で見ないでよ。一体、何が起きるというの?
私は本当に全然わかっていなかった。
王太子妃が決まったという時点での、私の存在価値に。
何も気付かず、油断していたのだ。
いや、知ってたけどね。でも、聖女と公表するのは、シオンの学園卒業と同時で、婚約発表もその時だったはずなんだけど。
まぁ、私がソルと婚約した時点でゲームのルートからは外れているから、そんなこともあるわよね。
でも、そっかー。フローラはシオンルートだったんだ。全然、攻略してるように見えなかったけど。
「聖女といっても未熟ですが、リアナ様のことは必ず私が守ってみせますわ」
「ふふっ、フローラ様ってば。聖女は国の宝ですわ。私のことなどより、ご自分のことを大切になさって下さいませ」
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聖女が存在する時は、魔獣などの悪意を持つものは弱体化し、天候も良好となり、作物などもよく育つ。
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だから、聖女は王太子妃となることが当然とされる。もちろん、聖女が望まない場合は聖女の意思が尊重される。その上で、国に擁護される。
聖女とはその程の存在なのだ。
ほんと、ゲーム内のリアナってば、よくまあそんな存在をいじめたりしたわね。ある意味大物だわ。
「リアナ、当分は1人での行動はしないようにね。必ず僕かソル、お友達でも数名と行動する様にしなさい」
「?」
「フローラは聖女だから、王太子の妃として公認されたことになった。となると、狙いは可愛いリアナになる。権力を抜きにしても可愛いリアナを欲するものは多いだろう」
えと、シオンは何を言ってるんでしょうか?リリー嬢みたいな人がまた現れるということ??
「はぁ。ソル、カイ、フローラ、リアナから目を離さないように」
「かしこまりました」
「了解です」
「わかってるわ」
3人がシオンにうなづいてるけど、えー、私がわからないわ。大体、なんでシオンの護衛のカイまでが私を見張らないといけないの?
というか、フローラはシオンの婚約者で聖女でしょう!私の護衛じゃないわよ。
「お兄様、私は大丈夫ですわ。ソルもいますもの。フローラ様やカイにまでご面倒をおかけするものではありませんわ」
「リアナが何をもってして大丈夫というのかはわからないが、当分はみんなと共にいなさい。それがきけないなら、学園に通うのは禁止だ」
「横暴ですわ、お兄様!」
「父上の許可も出ている」
あんの、ピー親父(自主規制)
なんでシオンは、そんなに警戒してるの?みんなも私のこと可哀想なものを見る目で見ないでよ。一体、何が起きるというの?
私は本当に全然わかっていなかった。
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何も気付かず、油断していたのだ。
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