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悪役令嬢の在り方
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目の前で微笑ったリアナは、本当に綺麗だと思った。
きっと、異母兄のシオンに恋をしたのでなければ、いや。シオンが同じようにリアナを愛してくれたのであれば、リアナはきっとこんな風に笑えていたんだ。
ゲームで、ヒロインがシオンを攻略しなくても、シオンはリアナを『特別』には見ない。
それは、リアナがシオンに焦がれるあまりに熾烈な言動を繰り返すからだ。
だけど。
もし、シオンがリアナの半分でもいい、リアナを大切な存在だと伝えていたら、リアナは『悪役令嬢』にならなかったのではないだろうか。
ゲームを作った私が、そんなことを考えるのはおかしいことかもしれないけど。
《おかしくなんかないけど、私は別に今までの自分を恥じてはいないわよ》
・・・そうだった。ここは思念の世界だから、私が考えてることは筒抜けだったわ。
(恥じてないんだ)
《いいことをしてたとは思ってないわよ?でも、フローラが聖女だろうと何だろうと、シオン兄様に想われたかったの。それを邪魔する存在は消したかったのよ》
余計に嫌われてしまったけどね、とリアナは微笑った。
《でも、人の気持ちなんて、ほんの小さなきっかけで変わるものなのよね。今のシオン兄様は私のことを好きでいてくれてるもの》
(うん。それは私も分かる)
《それは、私とあなたが違うからかもしれないけど。あなたはソルを選んだものね》
ソル・・・
リアナを殺す人。暗殺者で、口数も少なくて・・・いつもいつも私を守ってくれる人。
《好きだから、相手が見えなくなるのは私も分かるけど、あなた確か29歳とか言ってたわよね?》
(う・・・うん)
《それならもうちょっと・・・まぁ、いいわ。戻ったら、ちゃんとソルと話しなさいよ?アレが浮気だって言うのなら、引っ叩いてやればいいのよ、婚約者なんだから》
(ふ、ふふっ)
《笑ってるんじゃないわよ、全く》
呆れたように言うリアナが愛しい。私、こんなふうにみんなに接して欲しかった。気を遣ったり、心配ばっかりされるんじゃなく、対等な関係でいたかったんだ。
《それは仕方ないわよ。王女なんだから、対等に接するのなんて、シオン兄様かお父様くらいでしょ。シオン兄様はあなたのこと溺愛してるからこんな言い方絶対しないわよ》
(じゃあ、ずっとリアナが対等に話してくれる?)
《・・・私は、私はあなただから、あなたの中に溶け込んで眠るもの。会話はできないわよ》
え?じゃあ、もう話せない?だって、こんなに幸せなのに・・・
《あなたの幸せは、目覚めた世界にあるでしょ?それは私にとっても幸せなの。対等に話したいなら、フローラにでも頼みなさいよ。聖女になったんだし》
(聖女・・・そうだ。闇の聖女はどうするの?)
《・・・私が眠りにつく時に一緒に眠らせてあげるわよ。だから、心配しなくていいわ。でも、これからは不安になっても殻に閉じこもったりしないで、ちゃんと話し合いなさいよ?》
(リアナ・・・)
《返事は!》
(は、はいっ!)
それでよろしい。そう言って笑ったリアナが、とても綺麗だったから。
私は闇の聖女のことなんて全然わかっていなかったから。
だから。わかっていなかった。
私の目覚めと共に眠りについたはずのリアナが、闇の聖女の存在とともに消えてしまったことにー
きっと、異母兄のシオンに恋をしたのでなければ、いや。シオンが同じようにリアナを愛してくれたのであれば、リアナはきっとこんな風に笑えていたんだ。
ゲームで、ヒロインがシオンを攻略しなくても、シオンはリアナを『特別』には見ない。
それは、リアナがシオンに焦がれるあまりに熾烈な言動を繰り返すからだ。
だけど。
もし、シオンがリアナの半分でもいい、リアナを大切な存在だと伝えていたら、リアナは『悪役令嬢』にならなかったのではないだろうか。
ゲームを作った私が、そんなことを考えるのはおかしいことかもしれないけど。
《おかしくなんかないけど、私は別に今までの自分を恥じてはいないわよ》
・・・そうだった。ここは思念の世界だから、私が考えてることは筒抜けだったわ。
(恥じてないんだ)
《いいことをしてたとは思ってないわよ?でも、フローラが聖女だろうと何だろうと、シオン兄様に想われたかったの。それを邪魔する存在は消したかったのよ》
余計に嫌われてしまったけどね、とリアナは微笑った。
《でも、人の気持ちなんて、ほんの小さなきっかけで変わるものなのよね。今のシオン兄様は私のことを好きでいてくれてるもの》
(うん。それは私も分かる)
《それは、私とあなたが違うからかもしれないけど。あなたはソルを選んだものね》
ソル・・・
リアナを殺す人。暗殺者で、口数も少なくて・・・いつもいつも私を守ってくれる人。
《好きだから、相手が見えなくなるのは私も分かるけど、あなた確か29歳とか言ってたわよね?》
(う・・・うん)
《それならもうちょっと・・・まぁ、いいわ。戻ったら、ちゃんとソルと話しなさいよ?アレが浮気だって言うのなら、引っ叩いてやればいいのよ、婚約者なんだから》
(ふ、ふふっ)
《笑ってるんじゃないわよ、全く》
呆れたように言うリアナが愛しい。私、こんなふうにみんなに接して欲しかった。気を遣ったり、心配ばっかりされるんじゃなく、対等な関係でいたかったんだ。
《それは仕方ないわよ。王女なんだから、対等に接するのなんて、シオン兄様かお父様くらいでしょ。シオン兄様はあなたのこと溺愛してるからこんな言い方絶対しないわよ》
(じゃあ、ずっとリアナが対等に話してくれる?)
《・・・私は、私はあなただから、あなたの中に溶け込んで眠るもの。会話はできないわよ》
え?じゃあ、もう話せない?だって、こんなに幸せなのに・・・
《あなたの幸せは、目覚めた世界にあるでしょ?それは私にとっても幸せなの。対等に話したいなら、フローラにでも頼みなさいよ。聖女になったんだし》
(聖女・・・そうだ。闇の聖女はどうするの?)
《・・・私が眠りにつく時に一緒に眠らせてあげるわよ。だから、心配しなくていいわ。でも、これからは不安になっても殻に閉じこもったりしないで、ちゃんと話し合いなさいよ?》
(リアナ・・・)
《返事は!》
(は、はいっ!)
それでよろしい。そう言って笑ったリアナが、とても綺麗だったから。
私は闇の聖女のことなんて全然わかっていなかったから。
だから。わかっていなかった。
私の目覚めと共に眠りについたはずのリアナが、闇の聖女の存在とともに消えてしまったことにー
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