推ししか勝たん!〜悪役令嬢?なにそれ、美味しいの?〜

みおな

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悪役令嬢、お茶会を開く

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 何とかお茶会までこぎつけた。

 はっきり言って大変だった。

 ・・・と思う。主にアデライン公爵家の使用人たちが。

 離宮をお借りするけど、主催は我がアデライン公爵家なので、お茶やお菓子の準備に、招待客への招待状、エトセトラ、エトセトラ。

 通常業務の上に、余計な仕事を増やしてごめんよ。

 ちなみに離宮は、ちゃんと申請すれば貴族なら借りることが出来る。

 参加者は、私とカイル。兄のジュリアンに婚約者のエリザベス様。
 当事者の王太子ダミアン。

 うちのクラスの婚約者がいない令嬢九人とメロディ。

 Bクラスからゾルガー侯爵令嬢、シマント伯爵令嬢、ジョーヌ子爵令嬢、ナーベラル子爵令嬢。

 攻略対象の、騎士団長子息のメイソン・ワイアット侯爵令息と、教皇子息のオスカー・ジェイデン伯爵令息。

 あ。この二人は婚約者がいなかった。

 ラノベの中で、婚約者のいなかったカイルとジュリアンに婚約者がいて、婚約者のいたダミアンとメイソン、オスカーに婚約者がいないということになってた。

 まぁ婚約者がいないのなら、ダミアンも一人だとって言うので参加を許可した。

 ちなみに私はこの二人のことは、あまり好きではない。

 あ。ラノベの中の話ね。
アナスタシアを裏切ったダミアンもだけど、婚約者を裏切ったメイソンとオスカーのことも許せなかった。

 今回、王家から婚約の打診が来なければ、彼らに関わることはなかったと思う。

 王家・・・
王妃から逃げるために、わざわざ関係ないダミアンの婚約者探しをしてやるのだ。

「皆、ご苦労さま。もう少し頑張って下さいませね。今日の働きに関しては、臨時ボーナスをレナードに渡してありますから、後で受け取って下さいね」

 お茶会前、使用人たちを集めて激励する。

 今日のお茶会はアデライン公爵家としての仕事ではないので、私の私財から給金は出すことにしている。

 お父様もお母様もその必要はないとおっしゃって下さったけど、公爵家の使用人を雇っているのはお父様。

 私が自分勝手に使って良いわけじゃない。

 それでも今日、私に貸し出してくれたのだから、臨時ボーナスくらいは私が出さないとね。

「それからレナード。が来ないようにお願いね」

「かしこまりました」

「少々、ヒートアップなさるご令嬢がいるかもしれないわ。何かあれば、私かお兄様に。皆様の会話には耳をよく効かせておいてちょうだい」

 この場で表立って騒動を起こすほどの馬鹿はいないと思うけど、私たちの目が届かないところでは、陰湿な行動をするかもしれない。

 クラスメイトたちを信じないわけじゃないけど、表と裏があるのが貴族だもの。

 表ばかりで判断するわけにはいかないわ。
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