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《最終話》悪役令嬢、攻略対象のヒロインになる
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私が刺繍したハンカチが、カイルの私室の壁に額に入れられて飾られているのは、何故かしら?
ソファーに座って、目の前の壁に飾られているハンカチを眺める。
ハンカチって、飾るものじゃないわよね。
いや、まぁ、私も前世でお気に入りのハンカチとかをたくさん集めて、使わずにしまっていた経験はあるけど。
「カイル様。どうしてハンカチを額に?使ってくださらないの?」
「え?だってシアからもらった手作りの品だよ?お菓子とかはさすがに、飾っておいたら腐っちゃうけど。額に入れてたら汚れないし」
えーと、ハンカチは汚れてなんぼじゃないかな。
というか、腐らなかったらお菓子もおいておくつもりだったの?
公爵令嬢が手作りしたんだから、貴重っちゃ、貴重かもしれないけど!
「次に刺繍したら、使ってくださいませね?」
「またくれるの?」
「カイル様がお使いになるハンカチ全てに、刺繍いたしますわ。それなら使って下さいますよね?」
お願いだから、壁紙のようにハンカチで壁を埋めないでよ?
「やった!」
喜んでくれるカイルに、胸が熱くなった。
カイルは、いつも真っ直ぐに私への愛を伝えてくれる。
ちょっとヤンデレ入ってる?って思う時もあるけど、私もカイルのことを好きだからそれも良しと思えるわ。
メロディに、カイルへの想いを語ってから、私はカイルにちゃんと愛が伝わるように言動で示すようになった。
メロディの見本になれるように。
メロディがちゃんとダミアンに向き合えるように。
そのメロディは、苦戦したようだけど刺繍したハンカチをダミアンに渡した。
ダミアンは見せびらかす用?なのか、使うハンカチは別に持っていて、それでもメロディにもらったハンカチを時々出してはニヤニヤしている。
ラノベの中では絶対に見なかったわ。あんなダミアン。
それでもまぁ、幸せそうで何よりだ。
「何考えてるの?」
カイルが私の手をギュッと握りしめる。
相変わらず、私が他事を考えているとすぐに気付く。
これもまぁ、愛だと思えば嬉しいわよね。
「殿下はメロディ様からもらったハンカチを、それはそれは嬉しそうに時々眺めていらっしゃいますわよね」
「ああ。ニヤニヤしてるよね」
「でもアレで、殿下に擦り寄ろうとするご令嬢は減りましたわ。どう見ても、殿下がメロディ様に想いを寄せられているとわかりますもの」
中には気にせずダミアンにアタックしている強者もいるけど、ダミアンが全く相手にしないから、最近はそういう令嬢も現れない。
メロディは、まだダミアンと婚約していない。
学園の卒業を待って、婚約することになっているらしい。
ちなみにラノベでは、この卒業式にアナスタシアは断罪されて、メロディとダミアンは卒業後すぐに結婚した。
ちなみに、私とカイルは卒業後すぐに結婚する予定だ。
色んな意味で、もうラノベから離れたんだなって思う。
「卒業までに、たくさん刺繍しますから、使って下さいね」
「僕に寄ってくる虫なんかいないのに。でも、僕の大切なお姫様のお願いだからね、分かったよ」
「ふふっ。約束ですわよ?私の王子様」
私はカイルの肩にそっと頭を寄せた。
ねぇ、王妃様。
アナスタシアは、あなたの中では悪役令嬢だったかもしれないけど、私はカイルの中ではヒロインなの。
現実ではハーレムエンドなんてあり得ないし、幸せになりましたおしまいとはいかなくて、ずっとこの後も続いていくの。
だからね。
メロディとダミアンのためにも、早くそれに気が付いて。
「カイル様。幸せになりましょうね?」
そう言うと、カイルが私にそっと顔を寄せた。
*****end*****
ソファーに座って、目の前の壁に飾られているハンカチを眺める。
ハンカチって、飾るものじゃないわよね。
いや、まぁ、私も前世でお気に入りのハンカチとかをたくさん集めて、使わずにしまっていた経験はあるけど。
「カイル様。どうしてハンカチを額に?使ってくださらないの?」
「え?だってシアからもらった手作りの品だよ?お菓子とかはさすがに、飾っておいたら腐っちゃうけど。額に入れてたら汚れないし」
えーと、ハンカチは汚れてなんぼじゃないかな。
というか、腐らなかったらお菓子もおいておくつもりだったの?
公爵令嬢が手作りしたんだから、貴重っちゃ、貴重かもしれないけど!
「次に刺繍したら、使ってくださいませね?」
「またくれるの?」
「カイル様がお使いになるハンカチ全てに、刺繍いたしますわ。それなら使って下さいますよね?」
お願いだから、壁紙のようにハンカチで壁を埋めないでよ?
「やった!」
喜んでくれるカイルに、胸が熱くなった。
カイルは、いつも真っ直ぐに私への愛を伝えてくれる。
ちょっとヤンデレ入ってる?って思う時もあるけど、私もカイルのことを好きだからそれも良しと思えるわ。
メロディに、カイルへの想いを語ってから、私はカイルにちゃんと愛が伝わるように言動で示すようになった。
メロディの見本になれるように。
メロディがちゃんとダミアンに向き合えるように。
そのメロディは、苦戦したようだけど刺繍したハンカチをダミアンに渡した。
ダミアンは見せびらかす用?なのか、使うハンカチは別に持っていて、それでもメロディにもらったハンカチを時々出してはニヤニヤしている。
ラノベの中では絶対に見なかったわ。あんなダミアン。
それでもまぁ、幸せそうで何よりだ。
「何考えてるの?」
カイルが私の手をギュッと握りしめる。
相変わらず、私が他事を考えているとすぐに気付く。
これもまぁ、愛だと思えば嬉しいわよね。
「殿下はメロディ様からもらったハンカチを、それはそれは嬉しそうに時々眺めていらっしゃいますわよね」
「ああ。ニヤニヤしてるよね」
「でもアレで、殿下に擦り寄ろうとするご令嬢は減りましたわ。どう見ても、殿下がメロディ様に想いを寄せられているとわかりますもの」
中には気にせずダミアンにアタックしている強者もいるけど、ダミアンが全く相手にしないから、最近はそういう令嬢も現れない。
メロディは、まだダミアンと婚約していない。
学園の卒業を待って、婚約することになっているらしい。
ちなみにラノベでは、この卒業式にアナスタシアは断罪されて、メロディとダミアンは卒業後すぐに結婚した。
ちなみに、私とカイルは卒業後すぐに結婚する予定だ。
色んな意味で、もうラノベから離れたんだなって思う。
「卒業までに、たくさん刺繍しますから、使って下さいね」
「僕に寄ってくる虫なんかいないのに。でも、僕の大切なお姫様のお願いだからね、分かったよ」
「ふふっ。約束ですわよ?私の王子様」
私はカイルの肩にそっと頭を寄せた。
ねぇ、王妃様。
アナスタシアは、あなたの中では悪役令嬢だったかもしれないけど、私はカイルの中ではヒロインなの。
現実ではハーレムエンドなんてあり得ないし、幸せになりましたおしまいとはいかなくて、ずっとこの後も続いていくの。
だからね。
メロディとダミアンのためにも、早くそれに気が付いて。
「カイル様。幸せになりましょうね?」
そう言うと、カイルが私にそっと顔を寄せた。
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