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5 システムも残酷
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5 システムも残酷
兄という協力者を得た俺はその日から自らを鍛える事に邁進した。貴族としての基本的な勉強はもちろん、魔法も早いうちに家庭教師に師事して教えてもらう事になり、わざわざ王都から偉い先生を招いて学ばせてもらった。
やはりノアには類い稀なる魔術の才能があったようで、先生の教えもあり俺はあっという間に魔力を使い熟せるようになった。
この世界における魔法というものはとても便利で、日本での生活に例えるならば家電みたいなものでもあるようだ。冷めた物を温めたり、洗濯や風呂に使ったり、明かりにしたり。使い道は様々で、人によって得意な属性があるそうだ。
例えば、メアリーは火属性と水属性の素養があり、この二つを組み合わせる事でメイドとして働いているのだという。二属性持ちというのはそこそこ珍しいそうで、魔法が使える者は大抵一属性らしい。
そういえば、ゲームに登場する魔法使いも確か火、風、水、土を使い熟す四属性持ちが一人と、光属性、闇属性を使う特殊属性の魔法使いがそれぞれ一人ずついた。魔力のある人は大抵が基本である火風水土のどれかの素養があり、稀に複数属性持ちがおり、更に珍しい人で光や闇の属性持ちがいる…というのがこの世界における魔法の設定らしい。
ちなみにノアはまさかの全属性持ち。まさに悪役ボスチート。鑑定してくれたのは既に勉強を見てもらっていて、追加で魔法を教えてくれる事になった先生だ。いつも穏やかで厳しくも優しい先生があんな素っ頓狂な声を出したのを聞いたのは後にも先にもあの一回しかない。
俺に才能があると分かるやいなや先生は俺をビシバシ鍛えてくれた。基本的な魔力の使い方からスタートして、魔力に属性を与える事、複数の属性を組み合わせる事。様々な事を先生から学んだ。
日本人として生きていた頃はあまり勉強は好きではなかったが、魔法の勉強はとても楽しい。組み合わせ次第で無限に新しい事が出来るし、人の役にも立てる。
魔法使いとしての勉強は捗りに捗っていた俺だが、成長するつれ別の問題が立ちはだかった。
もともとのゲームの設定に引き摺られているのか、そもそもの体質なのか。この体はびっくりするくらい体力がないのである。
元の俺はサッカー部員で朝から晩まで走り回る事だってあったが、ノアは少し階段を駆け上がるだけでめちゃくちゃ息が切れる。これじゃいかんと基礎体力や筋力を付けるための訓練を入れてもらってせっせと取り組んでいるが、一向に体力がつく気配がない。昔に比べればマシになったかなー程度だ。
そんな調子だから辺境の領主達が集まった会合で他領の子供と遊ぶ時も俺だけ毎回ヒーヒー言いながら彼等について回る体たらく。むしろ、周りに気を遣わせてしまって非常に申し訳ない始末だ。
うちが周辺を統括している侯爵家なせいか、周りの子がめちゃくちゃ気をつかってくれるのが嬉しくも本当に悲しいし、マジで申し訳ない。これでも鍛えてんだよ。俺だって皆と走り回りたい。
更に剣の方はいくら鍛えても筋力と体力がつかない所為でギリギリ人間の、しかも素人相手の自衛程度にしか使えない事が判明した。物凄く言いにくそうに剣術の先生からそう言われた日の夜は流石にベッドで独りちょっとばかり泣いた。ファンタジー世界で剣は浪漫だったのに……!せっかくなら魔法剣士とか目指したかった。
おのれ文系体質と恨みながらもこの辺はゲームらしくステータスの偏りがあるのだろうと諦めた。まあ、ゲームの中のノアも敵として立ち塞がる時は魔法使いとしてだったしな……。悔しくなんてないぞ!
兄という協力者を得た俺はその日から自らを鍛える事に邁進した。貴族としての基本的な勉強はもちろん、魔法も早いうちに家庭教師に師事して教えてもらう事になり、わざわざ王都から偉い先生を招いて学ばせてもらった。
やはりノアには類い稀なる魔術の才能があったようで、先生の教えもあり俺はあっという間に魔力を使い熟せるようになった。
この世界における魔法というものはとても便利で、日本での生活に例えるならば家電みたいなものでもあるようだ。冷めた物を温めたり、洗濯や風呂に使ったり、明かりにしたり。使い道は様々で、人によって得意な属性があるそうだ。
例えば、メアリーは火属性と水属性の素養があり、この二つを組み合わせる事でメイドとして働いているのだという。二属性持ちというのはそこそこ珍しいそうで、魔法が使える者は大抵一属性らしい。
そういえば、ゲームに登場する魔法使いも確か火、風、水、土を使い熟す四属性持ちが一人と、光属性、闇属性を使う特殊属性の魔法使いがそれぞれ一人ずついた。魔力のある人は大抵が基本である火風水土のどれかの素養があり、稀に複数属性持ちがおり、更に珍しい人で光や闇の属性持ちがいる…というのがこの世界における魔法の設定らしい。
ちなみにノアはまさかの全属性持ち。まさに悪役ボスチート。鑑定してくれたのは既に勉強を見てもらっていて、追加で魔法を教えてくれる事になった先生だ。いつも穏やかで厳しくも優しい先生があんな素っ頓狂な声を出したのを聞いたのは後にも先にもあの一回しかない。
俺に才能があると分かるやいなや先生は俺をビシバシ鍛えてくれた。基本的な魔力の使い方からスタートして、魔力に属性を与える事、複数の属性を組み合わせる事。様々な事を先生から学んだ。
日本人として生きていた頃はあまり勉強は好きではなかったが、魔法の勉強はとても楽しい。組み合わせ次第で無限に新しい事が出来るし、人の役にも立てる。
魔法使いとしての勉強は捗りに捗っていた俺だが、成長するつれ別の問題が立ちはだかった。
もともとのゲームの設定に引き摺られているのか、そもそもの体質なのか。この体はびっくりするくらい体力がないのである。
元の俺はサッカー部員で朝から晩まで走り回る事だってあったが、ノアは少し階段を駆け上がるだけでめちゃくちゃ息が切れる。これじゃいかんと基礎体力や筋力を付けるための訓練を入れてもらってせっせと取り組んでいるが、一向に体力がつく気配がない。昔に比べればマシになったかなー程度だ。
そんな調子だから辺境の領主達が集まった会合で他領の子供と遊ぶ時も俺だけ毎回ヒーヒー言いながら彼等について回る体たらく。むしろ、周りに気を遣わせてしまって非常に申し訳ない始末だ。
うちが周辺を統括している侯爵家なせいか、周りの子がめちゃくちゃ気をつかってくれるのが嬉しくも本当に悲しいし、マジで申し訳ない。これでも鍛えてんだよ。俺だって皆と走り回りたい。
更に剣の方はいくら鍛えても筋力と体力がつかない所為でギリギリ人間の、しかも素人相手の自衛程度にしか使えない事が判明した。物凄く言いにくそうに剣術の先生からそう言われた日の夜は流石にベッドで独りちょっとばかり泣いた。ファンタジー世界で剣は浪漫だったのに……!せっかくなら魔法剣士とか目指したかった。
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