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4、少年
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誘拐から数日後。
マルセルがレオンのもとにやって来たのは夕方だった。
マルセルの視線が首輪に止まる。レオンは反射的に首をすくめ、視線を逸らした。
そんなレオンの全身をマルセルはくまなく観察する。視線に耐えれなくなったレオンは口を開いた。
「なにを見てる」
「レオンさん、服を脱いでください」
「…………」
一瞬、部屋の空気が凍る。レオンはゆっくりと顔を上げ、耳を疑った。
「……は?」
「??レオンさんに似合う服を選ぶだけですよ」
マルセルの声は変わらず穏やかだった。だが、その瞳にはどこか楽しげな光が宿っている。
服を選ぶなら服の上からでも十分だろ。
顔を真っ赤にして言うレオンに、マルセルは一歩近づく。
「近づくな!」
「怖がらないでください。ただ脱ぐだけですよ」
「怖がってなんかっ――」
言葉より先に身体が動いた。レオンは後退り、ベッドの端に踵をぶつける。バランスを崩し、仰向けに倒れ込む。
「レオンさん!」
マルセルが手を伸ばした。
だが、185cm近くあるレオンをマルセルが支えれるはずもなく、二人はもつれるようにベッドに沈んだ。
「……っ」
レオンは息を呑んだ。マルセルの膝が自分の腰の両側に落ち、シャツのボタンが一つ、外れていた。
夕日の赤みが、開いた胸元に影を落とす。
マルセルは上から見下ろした。猫が獲物を弄ぶような、悪戯っぽい笑み。
「良い眺め」
「ッウ…………」
レオンはマルセルを睨みつける。
囚われるネズミのような無力な自分。クラクラとする頭。マルセルに悟られたくない――そう思うほど、マルセルの視線に熱が帯びていく気がした。
クソッ。おかしくなりそうだ…………。
マルセルはゆっくりと身を起こした。指先でレオンのシャツの裾を摘み、軽く引っ張る。
「服を脱がないとサイズを測れませんよ?」
「……服の上からでいいだろ」
「よれると正確に測れません」
マルセルの指が、第二のボタンに触れた。レオンは反射的にその手を掴む。
「触るな」
「触らないと測れませんよ?」
マルセルの声は低く、どこか甘い。レオンは唇を噛んだ。抵抗すればするほど、この状況が"遊び"に変わっていくのがわかる。
――クソッ。
レオンは目を閉じた。マルセルの指が、ゆっくりとボタンを外していく衣擦れ音だけが、夕暮れの部屋に響いていた。
マルセルがレオンのもとにやって来たのは夕方だった。
マルセルの視線が首輪に止まる。レオンは反射的に首をすくめ、視線を逸らした。
そんなレオンの全身をマルセルはくまなく観察する。視線に耐えれなくなったレオンは口を開いた。
「なにを見てる」
「レオンさん、服を脱いでください」
「…………」
一瞬、部屋の空気が凍る。レオンはゆっくりと顔を上げ、耳を疑った。
「……は?」
「??レオンさんに似合う服を選ぶだけですよ」
マルセルの声は変わらず穏やかだった。だが、その瞳にはどこか楽しげな光が宿っている。
服を選ぶなら服の上からでも十分だろ。
顔を真っ赤にして言うレオンに、マルセルは一歩近づく。
「近づくな!」
「怖がらないでください。ただ脱ぐだけですよ」
「怖がってなんかっ――」
言葉より先に身体が動いた。レオンは後退り、ベッドの端に踵をぶつける。バランスを崩し、仰向けに倒れ込む。
「レオンさん!」
マルセルが手を伸ばした。
だが、185cm近くあるレオンをマルセルが支えれるはずもなく、二人はもつれるようにベッドに沈んだ。
「……っ」
レオンは息を呑んだ。マルセルの膝が自分の腰の両側に落ち、シャツのボタンが一つ、外れていた。
夕日の赤みが、開いた胸元に影を落とす。
マルセルは上から見下ろした。猫が獲物を弄ぶような、悪戯っぽい笑み。
「良い眺め」
「ッウ…………」
レオンはマルセルを睨みつける。
囚われるネズミのような無力な自分。クラクラとする頭。マルセルに悟られたくない――そう思うほど、マルセルの視線に熱が帯びていく気がした。
クソッ。おかしくなりそうだ…………。
マルセルはゆっくりと身を起こした。指先でレオンのシャツの裾を摘み、軽く引っ張る。
「服を脱がないとサイズを測れませんよ?」
「……服の上からでいいだろ」
「よれると正確に測れません」
マルセルの指が、第二のボタンに触れた。レオンは反射的にその手を掴む。
「触るな」
「触らないと測れませんよ?」
マルセルの声は低く、どこか甘い。レオンは唇を噛んだ。抵抗すればするほど、この状況が"遊び"に変わっていくのがわかる。
――クソッ。
レオンは目を閉じた。マルセルの指が、ゆっくりとボタンを外していく衣擦れ音だけが、夕暮れの部屋に響いていた。
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