おバカな婚約者に説教していたらほとんど終わっていた件

神崎 ルナ

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第2話

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「……何とおっしゃいました?」

「だからオフィーリア、君との婚約は解消しないと言ったんだ」

「どういうことでしょう? ロメオ様はそのピアーズ男爵令嬢を見初められたのですよね?」

「ああ。だが愛しいシェリーは残念ながらその身分が釣り合わないんだ。無理に王太子妃候補にしてもすぐに大臣達の反対にあってしまうだろう。そこで君の出番だ」

 指摘されてまさか、とロメオの方を見ると得意げにオフィーリアの方を見ていた。

「私にこのまま王太子妃候補として過ごせとおっしゃるのですか?」

「ああ。その通りだ。君はいつも通りにしていてくれればいい」

 思わずそんなバカな、というふうにオフィーリアがロメオの目を見るとどうやら本気でそう言っているらしい。

「……御子はどうされるのです?」

「それは心配ない。シェリーの産んだ子を次の王太子にすればいいだけだ」

 立場上は側室にするしかないが、俺は彼女を幸せにするつもりだ。

「……」

「だから、君もこれからは何の心配も――」

「……は?」

 とても低い声がした。

「誰かいるのかっ!?」

 思わずロメオが人払いをした執務室内を見渡してしまう位には。

「今はまだ、と思っていました。まだ王太子であるならやり直しがきくと。ですが」
 
 まさに怒り心頭、といった風情のオフィーリアがそこにいた。

「何を考えているんですかっ、このトリ頭はっ!!」

 とんでもない声量とその迫力にロメオが数歩下がった。

「俺は王族だぞ」

「だから何です」

「は?」

 オフィーリアはすう、と息を吸った。

「まだ未熟だから、と手を緩めていたのがいけなかったようですね。これしきの公務で根を挙げて私に助けを求めるとは。そして単に甘い言葉を掛けられただけで真実の愛? 子供の戯言ですか? 仮にも王族でしたらもう少し知性のあることを述べて欲しいですわ」

「王族である俺に向かって――」

「でしたら、これから公務は全てお一人でこなして下さるんですね?」

「待て。それは婚約者であるお前の責任――」

「貴方に課せられた公務です」

 一言一言区切るように告げると漸くロメオが黙った。

「大体私が貴方の婚約者にならなければならかなった事情だってご存じのはずですのに、ここまで無知……世間知ら……、あら当たり障りのない言葉が思い浮かびませんわ。ごめんあそばせ」

 そこで貴族令嬢らしくにこり、と笑みをはく。

「とにかく、そこでどうして王太子妃教育どころか上級貴族の礼儀も見に付けていない令嬢を迎えようとするのか、全く分かりませんけれど」

 ――まさか、御自分より格下の人物を側に置いて優越感に浸りたかっただけではありませんよね?





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