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第7話
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「その男爵令嬢は礼儀も何もなくまるで平民が使うような言葉遣いでしたね」
穏やかな口調だが、その眼差しは厳しかった。
余程嫌な思い出のようだ。
「彼女は何故か私のことを知っているようでした。その生い立ちから趣味嗜好、友人に話してない事柄まで言い当てられた際は鳥肌が立ちましたよ」
それは確かに気味が悪いだろう。
オフィーリアがそう思って聞いていると、
「多少ならまだ分かります。けれど相手の身分が男爵令嬢で一度も顔を合わせたことがない、とくると不気味さしか感じませんでしたね」
その上その男爵令嬢は更におかしなことを言い始めたという。
「思惑が読めなかったので、最初は穏やかに身分上そういう言葉使いや態度は改めた方がいい、と言うと、あたしはヒロイン? というものだから何をしても許される、などと全く訳の分からないことを言い始めました」
気分が悪くなったのかオフィーリアの顔から色が消えた。
「気持ちの悪い話をしてしまい、申し訳ありませんが後少しで終わらせますので」
オフィーリアの方を気遣うように見やったシャガール辺境伯令息の言葉が続く。
「しまいには国家機密の一端までべらべら話し始めたのでこれはマズいと思いましてね。何とか機嫌を取って話を聞き出したら更にとんでもないことを話し出しまして」
彼女によるとこの世界は『乙女ゲーム』という遊戯であり、ロメオや自分は『攻略対象』とかいったものであり、ヒロインの彼女だけには態度が柔らかくなるのだという。
「おまけにその内の誰かと婚約が決まったとしても他の攻略対象も恋人に出来る、と聞かされて握りしめた拳を抑えるのにこちらは必死でしたよ」
その表情からは相当の負荷だったのだろう。
嫌悪の情が安々と見て取れた。
「失礼。長い前置きになってしまいましたが、その道具は彼女が――他にも協力者はいたようですが――自作したもののようです。何でも前の世界にあった『盗聴器』というものの仕組みを生かして魔方陣を組んだそうです」
「最初にその報告を受けた時は何の冗談かと思ったが」
国王が信じられない、というふうに口を開いた。
「これまで我が国になかった物を作り出したことは目出たいが、少々妄想癖が激しそうだな。その製造主は」
「誠に。幾ら発想が素晴らしくとも意思の伝達に支障を来たすようでは困りますな。ここは然るべき人材を集め、場所を定めてそこでのみ働いて貰った方が重畳かと」
マベウス公爵がそう応じたが、要するに飼い殺しのようなものである。
気の毒そうな表情になったように見えたオフィーリアだったが、そこで何かに気付いたように口を開いた。
「もしかしてその男爵令嬢というのは――」
「ああ。シェリー・ピアーズ男爵令嬢だ」
穏やかな口調だが、その眼差しは厳しかった。
余程嫌な思い出のようだ。
「彼女は何故か私のことを知っているようでした。その生い立ちから趣味嗜好、友人に話してない事柄まで言い当てられた際は鳥肌が立ちましたよ」
それは確かに気味が悪いだろう。
オフィーリアがそう思って聞いていると、
「多少ならまだ分かります。けれど相手の身分が男爵令嬢で一度も顔を合わせたことがない、とくると不気味さしか感じませんでしたね」
その上その男爵令嬢は更におかしなことを言い始めたという。
「思惑が読めなかったので、最初は穏やかに身分上そういう言葉使いや態度は改めた方がいい、と言うと、あたしはヒロイン? というものだから何をしても許される、などと全く訳の分からないことを言い始めました」
気分が悪くなったのかオフィーリアの顔から色が消えた。
「気持ちの悪い話をしてしまい、申し訳ありませんが後少しで終わらせますので」
オフィーリアの方を気遣うように見やったシャガール辺境伯令息の言葉が続く。
「しまいには国家機密の一端までべらべら話し始めたのでこれはマズいと思いましてね。何とか機嫌を取って話を聞き出したら更にとんでもないことを話し出しまして」
彼女によるとこの世界は『乙女ゲーム』という遊戯であり、ロメオや自分は『攻略対象』とかいったものであり、ヒロインの彼女だけには態度が柔らかくなるのだという。
「おまけにその内の誰かと婚約が決まったとしても他の攻略対象も恋人に出来る、と聞かされて握りしめた拳を抑えるのにこちらは必死でしたよ」
その表情からは相当の負荷だったのだろう。
嫌悪の情が安々と見て取れた。
「失礼。長い前置きになってしまいましたが、その道具は彼女が――他にも協力者はいたようですが――自作したもののようです。何でも前の世界にあった『盗聴器』というものの仕組みを生かして魔方陣を組んだそうです」
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「ああ。シェリー・ピアーズ男爵令嬢だ」
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