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ころちゃん視点 帰ったら侍女は怒って俺を待っていましたが、顔を舐めてやると機嫌を直してくれました
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俺は屋根裏の覗きスペースから、ベンヤミンののろまなガマガエルの使い魔が二階の窓から飛び降りるのをじっと見送っていた。
しかし、のろい。知らせようとするベンヤミンの努力は認めるが、あのスピードでは、反乱が終わってもまだ王宮に着かないのではないかと俺には思えた。
なんとも残念な事だ。
俺はベンヤミンの連絡方法にがっかりした。
それを見て少し考えていたからか、俺はベンヤミンの部屋で、少し時間を過ごしすぎたようだ。
まだ夜ご飯の時、すなわちコリーが帰って来る時までは時間があるが、俺は不吉な予感を感じた。
このかんはよく当たるのだ。
俺はできる限り早く、部屋に帰った。
俺が慌てて部屋に戻って、天井から部屋の中を見ると、なんとコリーが仁王立ちしていた。
やばい! 帰るのが遅すぎたのか?
でも、夕食まではまだまだ時間があるのに!
「シロちゃん、降りてらっしゃい!」
コリーには天井裏に俺がいるのは完全に判っているみたいだ。
どうしよう? あのコリーの感じだと俺がスパイのような事をしているのがバレたんだろうか?
いや、俺はどう見ても今は白い子犬だ。多少は不審に思うかもしれないが、バレることは無いだろう。
それに今は何をされても人間の体に戻ることは無い。
3日間くらい女性の肌から離れないと人間には戻れないのだ。
俺がいくら頑張っても人間には戻れないのだ。
でも、さすがに天井裏に上がる犬はいないだろう。猫ならいると思うけれど。
そこを不審に思われるかもしれない。
「そこにいるのは判っているんだからね。私が上がる前に降りていらつしゃい」
コリーは手を伸ばしてくれた。
「わん!」
俺は仕方なしに、コリーの胸に飛び降りたのだ。
ぎゅっとコリーは俺を抱き取ってくれた。
「シロちゃん、どうやって天井に上がったの?」
コリーが聞いてきた。
「わん!」
俺はそう鳴くしかなかった。
「本当にもう、とても心配したじゃない」
ぎゅっとコリーが抱きしめてくれたのだ。
良かった。俺がスパイだってバレたんじゃないみたいだ。
俺はほっとした。
「でも、もう絶対に天井に上がっては駄目よ」
コリーが念押ししてくれた。
「わん」
俺はその言葉を聞くつもりは無かったが、ここは無難に頷いておいた。
「本当かな。でも、本当にどうやって上ったのよ?」
布団の上に座ってコリーはしつこく聞いていた。
でも、子犬の俺には人間の言葉は話せないのだ。
「わん」としか言えなかった。
「あんな高いところまでベッドから飛べる訳ないから、絶対にこの扉を駆け上がったのね」
コリーは衣装棚の扉の裏を見て指摘してくれた。
ここは頷いてはいけないところだ。
「うーーーー」
俺は唸って見せた。
「しろちゃん、怒らないから本当のことを言ってみて。ここから登ったでしょ」
「うーーーー」
「しろちゃん!」
あくまでもコリーは頷くまで止めないみたいだ。
「わん!」
俺は仕方なしに頷いてみた。
「やっぱりそうじゃない!」
コリーは怒りだしたんだけど、話が違うぞ。
コリーの話によると何でも今日は仕事が早く終わって早く上がれたのだとか。
それで俺を目一杯可愛がろうと思って帰ってきたのに、俺がいなくなっていて驚いて探し回った所に俺が帰ってきたらしい。
「だからしろちゃん、あなたがいないと知って本当に驚いたんだから。もう二度といなくなったら駄目よ」
しかし、その言葉には頷けなかった。ノース帝国の兵士達が、来る正確な時が判れば俺はここから去るのだ。
でも、今はそれを悟られる訳には行かない。
その後、コリーは俺を私を構い倒してくれたので、俺も付き合ってやったのだ。
コリーの顔をペロペロなめてやったのだ。
俺はコリーにシャワーも浴びせられて、ゴシゴシ洗われた。
胸の中に抱かれて、胸を押しつけられたのには参った。
まあ、でも、今日だけの我慢だ。
俺はそろそろカーラの所に帰るつもりだった。
明日くらいに、館の庭にある、前いた傭兵の詰め所に行ってみようと思っていた。そこならもっと詳しい情報が掴めるかもしれない。まあ、前いたベイル達は王宮の地下牢の中だが、手下の一部が残っているだろう。そいつらがいればうまくいけば俺をしばらく置いてくれるはずだ。俺が白い騎士だなんてバレているはずはないし、俺はベイルだけでは無くて他の男達にもなついていたのだ。
少しの間なら置いてくれるはずだった。
彼らからノース帝国軍のもっと詳しい動きもつかめるかもしれない。あそこにいるだけでノース帝国の騎士達がいつ来るか、そういう情報も掴めるはずだった。
だから、コリーと会うのかは今日が最後かもしれなかった。
まあ、今までコリーには世話になったのだ。俺は恩を返すためにもコリーに甘えてやったのだ。
コリーには少しは情が沸いていた。
当然、俺が愛しているのはカーラだったが……いろいろ世話にはなったのだ。
その夜コリーは俺を胸に抱いて寝てくれた。
俺はカーラに比べて大きな胸の中で、抱きしめられた。
その夜は俺も夜間の外出をすることなく、コリーの胸の中でじっくり寝てやったのだ。
しかし、のろい。知らせようとするベンヤミンの努力は認めるが、あのスピードでは、反乱が終わってもまだ王宮に着かないのではないかと俺には思えた。
なんとも残念な事だ。
俺はベンヤミンの連絡方法にがっかりした。
それを見て少し考えていたからか、俺はベンヤミンの部屋で、少し時間を過ごしすぎたようだ。
まだ夜ご飯の時、すなわちコリーが帰って来る時までは時間があるが、俺は不吉な予感を感じた。
このかんはよく当たるのだ。
俺はできる限り早く、部屋に帰った。
俺が慌てて部屋に戻って、天井から部屋の中を見ると、なんとコリーが仁王立ちしていた。
やばい! 帰るのが遅すぎたのか?
でも、夕食まではまだまだ時間があるのに!
「シロちゃん、降りてらっしゃい!」
コリーには天井裏に俺がいるのは完全に判っているみたいだ。
どうしよう? あのコリーの感じだと俺がスパイのような事をしているのがバレたんだろうか?
いや、俺はどう見ても今は白い子犬だ。多少は不審に思うかもしれないが、バレることは無いだろう。
それに今は何をされても人間の体に戻ることは無い。
3日間くらい女性の肌から離れないと人間には戻れないのだ。
俺がいくら頑張っても人間には戻れないのだ。
でも、さすがに天井裏に上がる犬はいないだろう。猫ならいると思うけれど。
そこを不審に思われるかもしれない。
「そこにいるのは判っているんだからね。私が上がる前に降りていらつしゃい」
コリーは手を伸ばしてくれた。
「わん!」
俺は仕方なしに、コリーの胸に飛び降りたのだ。
ぎゅっとコリーは俺を抱き取ってくれた。
「シロちゃん、どうやって天井に上がったの?」
コリーが聞いてきた。
「わん!」
俺はそう鳴くしかなかった。
「本当にもう、とても心配したじゃない」
ぎゅっとコリーが抱きしめてくれたのだ。
良かった。俺がスパイだってバレたんじゃないみたいだ。
俺はほっとした。
「でも、もう絶対に天井に上がっては駄目よ」
コリーが念押ししてくれた。
「わん」
俺はその言葉を聞くつもりは無かったが、ここは無難に頷いておいた。
「本当かな。でも、本当にどうやって上ったのよ?」
布団の上に座ってコリーはしつこく聞いていた。
でも、子犬の俺には人間の言葉は話せないのだ。
「わん」としか言えなかった。
「あんな高いところまでベッドから飛べる訳ないから、絶対にこの扉を駆け上がったのね」
コリーは衣装棚の扉の裏を見て指摘してくれた。
ここは頷いてはいけないところだ。
「うーーーー」
俺は唸って見せた。
「しろちゃん、怒らないから本当のことを言ってみて。ここから登ったでしょ」
「うーーーー」
「しろちゃん!」
あくまでもコリーは頷くまで止めないみたいだ。
「わん!」
俺は仕方なしに頷いてみた。
「やっぱりそうじゃない!」
コリーは怒りだしたんだけど、話が違うぞ。
コリーの話によると何でも今日は仕事が早く終わって早く上がれたのだとか。
それで俺を目一杯可愛がろうと思って帰ってきたのに、俺がいなくなっていて驚いて探し回った所に俺が帰ってきたらしい。
「だからしろちゃん、あなたがいないと知って本当に驚いたんだから。もう二度といなくなったら駄目よ」
しかし、その言葉には頷けなかった。ノース帝国の兵士達が、来る正確な時が判れば俺はここから去るのだ。
でも、今はそれを悟られる訳には行かない。
その後、コリーは俺を私を構い倒してくれたので、俺も付き合ってやったのだ。
コリーの顔をペロペロなめてやったのだ。
俺はコリーにシャワーも浴びせられて、ゴシゴシ洗われた。
胸の中に抱かれて、胸を押しつけられたのには参った。
まあ、でも、今日だけの我慢だ。
俺はそろそろカーラの所に帰るつもりだった。
明日くらいに、館の庭にある、前いた傭兵の詰め所に行ってみようと思っていた。そこならもっと詳しい情報が掴めるかもしれない。まあ、前いたベイル達は王宮の地下牢の中だが、手下の一部が残っているだろう。そいつらがいればうまくいけば俺をしばらく置いてくれるはずだ。俺が白い騎士だなんてバレているはずはないし、俺はベイルだけでは無くて他の男達にもなついていたのだ。
少しの間なら置いてくれるはずだった。
彼らからノース帝国軍のもっと詳しい動きもつかめるかもしれない。あそこにいるだけでノース帝国の騎士達がいつ来るか、そういう情報も掴めるはずだった。
だから、コリーと会うのかは今日が最後かもしれなかった。
まあ、今までコリーには世話になったのだ。俺は恩を返すためにもコリーに甘えてやったのだ。
コリーには少しは情が沸いていた。
当然、俺が愛しているのはカーラだったが……いろいろ世話にはなったのだ。
その夜コリーは俺を胸に抱いて寝てくれた。
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その夜は俺も夜間の外出をすることなく、コリーの胸の中でじっくり寝てやったのだ。
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