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第五章 ボフミエ皇帝誘拐する
大国の東方方面軍第一師団 ボフミエに向けて全軍出撃す
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「はくしゅんっ」
オーウェンが盛大なくしゃみをした。
「最悪」
オーウェンはブスっとして言った。
せっかく人間砲弾になってまでクリスを助けるために飛んできたのに、ぶつかる瞬間に皇帝とサロモンはクリスを連れて転移していったらしい。
海の中でおぼれかけていたオーウェンはなんとかジャルカに助けてもらって今はこの戦闘艇でボフミエに向かっていた。
第一魔導師団の大半はまだ到着していないので後での合流となる。
オーウェンはボフミエに先行させていた騎士たちの事も心配だったが、洋上では魔導電話があまり使えず、どうなったかは判らなかった。
ジャルカらはさすがに少し寝てそれから転移でボフミエに向かうようだ。
「くっそう、せめて東方師団が動いてくれたなら、まだ何とかなるのに」
オーウェンは悔しがった。
「ああ、あの生真面目なフィリップジュニアのことですな」
ジャルカが笑って言った。
「皇太子殿下が実験に命懸けでお付き合い頂きましたからな。
かやつらも今頃必死でボフミエに向かっている頃だと思いますぞ」
ジャルカが笑って言った。
「えっジャルカ殿。どうしてそれを」
「皇太子殿下の本気度見せて頂きました。
まさかあんな命懸けの人間砲弾なんかやって頂けるとは。私もそれに応えねばとアダムにお願いいたしましたのじゃ」
ジャルカが胸を張って言った。
「えっあのマッド魔導学者に?」
「はいっ。殿下の乗って頂いたカプセルに火薬詰めて東方第一師団の頭上で破裂するように、あの後発射してもらいましてのう」
「えっでもあれが爆発すると」
「上空で花火が破裂したようなもの。被害はありますまい」
ジャルカは笑って言ったが、今回の砲弾も1発で貨物船が轟沈、ボフミエの魔導部隊が1個大隊は消滅したと思われる。本当に被害が無いのかとても不安だったが、あんなの真上で爆発させられたらボフミエに攻撃されたと思うに決まっている。
まさか友軍からそれもマーマレードから攻撃されたとは思うまい。
東方第一師団にしてはちょっと気の毒な気もしたが、ここは絶対にボフミエの好きにさせてよい訳は無いとオーウェンは思ってていた。
そして第一師団駐屯地。
疲れ切ったミューラーは熟睡していた。
あの後、何故ボフミエを攻撃しないのかと部下から突き上げを喰らって訪ねて来た隊長たちからの突き上げを何とか収めて帰らせるのに1時間くらいかかった。
そら見た事かとレオンの白い眼を無視して何とか下士官たちを引き下がらせたが、彼らも不満たらたらだった。
ミューラーはクリスに自分の兵士たちまでもが篭絡されているとは思ってもいなかった。
そして、一部の警戒の歩哨を残して師団の寝入りばなにジャルカの砲弾がさく裂したのだ。
ズドーン
すさまじい爆発音にたたき起こされる。
爆風で哨戒していた兵士たちは弾き飛ばされた。
「ボフミエ敵襲」
哨戒に当たっていた兵士たちはもうそれ以外に考えられなかった。
国境線上にあったボフミエの哨戒小屋は飛び起きた魔導師たちの手で一瞬に破壊された。
それに対して魔術でボフミエが反撃する。
「突撃」
前線にいた騎兵隊が慌てて突撃。
少人数だったボフミエ国境警備隊は殲滅させられていた。
「閣下。ボフミエの攻撃です」
飛び起きたミューラーのところに連絡兵が飛び込んでくる。
「何だと」
「国境線にて戦闘。敵哨戒部隊を一掃したそうです」
ミューラーは慌てた。
国王陛下の命令は待てだった。それをあっさり破ってしまった。
慌てて司令部に行く。
「レオン、どうなっている」
「ボフミエからの遠距離魔導攻撃だったようです」
レオンが言う。
「それと同時に前線にて衝突。我が部隊は敵前線部隊を敗走させて残敵掃討中です」
「本当にボフミエからの攻撃だったのか?」
一抹の不安を残して言う。
王都の老害共なら、秘密工作でボフミエの攻撃となるようにやりかねない。
「ボフミエの方角からの遠距離攻撃だったのは確認しました。
攻撃して来ない我々に対しての挑発行為は明白。
前線にいた第一大隊は進軍を開始しています」
「やめろ。直ちに進軍の中止を」
副官の報告にミューラーは慌てる。
「閣下、第一大隊長はベン・ドーブネルですよ。突っ走りだすと止まりません」
「くそう、あの脳筋か」
ミューラーは歯ぎしりした。
ドーブネル将軍の長男で猪突猛進の性格は親譲りだった。
「もうこうなったらボフミエの王城まで突っ走るしかないのでは無いですか。
兵士たちはそのつもりみたいですが。」
副官が諦めたように言う。
「1個師団で行けるか!
奴らは魔術師の国なのだぞ。我々には魔術師は50名ばかりしかいまい」
「オーウェン皇太子がマーマレードのジャンヌ王女と共同でボフミエ皇帝を攻撃したそうです。
ボフミエ魔導師100名を撃破したとか」
「それは本当か」
「はい。攻撃の後に証拠の画像と共に送られてきました」
苦り切った表情でミューラーは副官の顔を見る。
「ベンは皇太子殿下に後れを取るなとこの部屋から飛び出して行きました」
「判った。王都に連絡。
我ボフミエからの攻撃を受け反撃。これを撃退せり。以降追撃戦に移る。」
そう言うと全員を見回した。
もうここまで来たらあきらめの心境だった。
ドラフォード最強師団がこの東方第一師団だ。
師団に攻撃受けてまで待機は出来まい。
「これより全軍出撃する」
進軍ラッパが高らかに鳴り響いた。
**********************************************
皇帝に連れ去られたクリスの運命やいかに
次回はクリスの登場です。
シャラザールが出現するか
地上部隊の殲滅か
ボフミエの王宮崩壊か…
クリスの危機のはずが何故か危機に瀕するボフミエの未来しか見えません????
オーウェンが盛大なくしゃみをした。
「最悪」
オーウェンはブスっとして言った。
せっかく人間砲弾になってまでクリスを助けるために飛んできたのに、ぶつかる瞬間に皇帝とサロモンはクリスを連れて転移していったらしい。
海の中でおぼれかけていたオーウェンはなんとかジャルカに助けてもらって今はこの戦闘艇でボフミエに向かっていた。
第一魔導師団の大半はまだ到着していないので後での合流となる。
オーウェンはボフミエに先行させていた騎士たちの事も心配だったが、洋上では魔導電話があまり使えず、どうなったかは判らなかった。
ジャルカらはさすがに少し寝てそれから転移でボフミエに向かうようだ。
「くっそう、せめて東方師団が動いてくれたなら、まだ何とかなるのに」
オーウェンは悔しがった。
「ああ、あの生真面目なフィリップジュニアのことですな」
ジャルカが笑って言った。
「皇太子殿下が実験に命懸けでお付き合い頂きましたからな。
かやつらも今頃必死でボフミエに向かっている頃だと思いますぞ」
ジャルカが笑って言った。
「えっジャルカ殿。どうしてそれを」
「皇太子殿下の本気度見せて頂きました。
まさかあんな命懸けの人間砲弾なんかやって頂けるとは。私もそれに応えねばとアダムにお願いいたしましたのじゃ」
ジャルカが胸を張って言った。
「えっあのマッド魔導学者に?」
「はいっ。殿下の乗って頂いたカプセルに火薬詰めて東方第一師団の頭上で破裂するように、あの後発射してもらいましてのう」
「えっでもあれが爆発すると」
「上空で花火が破裂したようなもの。被害はありますまい」
ジャルカは笑って言ったが、今回の砲弾も1発で貨物船が轟沈、ボフミエの魔導部隊が1個大隊は消滅したと思われる。本当に被害が無いのかとても不安だったが、あんなの真上で爆発させられたらボフミエに攻撃されたと思うに決まっている。
まさか友軍からそれもマーマレードから攻撃されたとは思うまい。
東方第一師団にしてはちょっと気の毒な気もしたが、ここは絶対にボフミエの好きにさせてよい訳は無いとオーウェンは思ってていた。
そして第一師団駐屯地。
疲れ切ったミューラーは熟睡していた。
あの後、何故ボフミエを攻撃しないのかと部下から突き上げを喰らって訪ねて来た隊長たちからの突き上げを何とか収めて帰らせるのに1時間くらいかかった。
そら見た事かとレオンの白い眼を無視して何とか下士官たちを引き下がらせたが、彼らも不満たらたらだった。
ミューラーはクリスに自分の兵士たちまでもが篭絡されているとは思ってもいなかった。
そして、一部の警戒の歩哨を残して師団の寝入りばなにジャルカの砲弾がさく裂したのだ。
ズドーン
すさまじい爆発音にたたき起こされる。
爆風で哨戒していた兵士たちは弾き飛ばされた。
「ボフミエ敵襲」
哨戒に当たっていた兵士たちはもうそれ以外に考えられなかった。
国境線上にあったボフミエの哨戒小屋は飛び起きた魔導師たちの手で一瞬に破壊された。
それに対して魔術でボフミエが反撃する。
「突撃」
前線にいた騎兵隊が慌てて突撃。
少人数だったボフミエ国境警備隊は殲滅させられていた。
「閣下。ボフミエの攻撃です」
飛び起きたミューラーのところに連絡兵が飛び込んでくる。
「何だと」
「国境線にて戦闘。敵哨戒部隊を一掃したそうです」
ミューラーは慌てた。
国王陛下の命令は待てだった。それをあっさり破ってしまった。
慌てて司令部に行く。
「レオン、どうなっている」
「ボフミエからの遠距離魔導攻撃だったようです」
レオンが言う。
「それと同時に前線にて衝突。我が部隊は敵前線部隊を敗走させて残敵掃討中です」
「本当にボフミエからの攻撃だったのか?」
一抹の不安を残して言う。
王都の老害共なら、秘密工作でボフミエの攻撃となるようにやりかねない。
「ボフミエの方角からの遠距離攻撃だったのは確認しました。
攻撃して来ない我々に対しての挑発行為は明白。
前線にいた第一大隊は進軍を開始しています」
「やめろ。直ちに進軍の中止を」
副官の報告にミューラーは慌てる。
「閣下、第一大隊長はベン・ドーブネルですよ。突っ走りだすと止まりません」
「くそう、あの脳筋か」
ミューラーは歯ぎしりした。
ドーブネル将軍の長男で猪突猛進の性格は親譲りだった。
「もうこうなったらボフミエの王城まで突っ走るしかないのでは無いですか。
兵士たちはそのつもりみたいですが。」
副官が諦めたように言う。
「1個師団で行けるか!
奴らは魔術師の国なのだぞ。我々には魔術師は50名ばかりしかいまい」
「オーウェン皇太子がマーマレードのジャンヌ王女と共同でボフミエ皇帝を攻撃したそうです。
ボフミエ魔導師100名を撃破したとか」
「それは本当か」
「はい。攻撃の後に証拠の画像と共に送られてきました」
苦り切った表情でミューラーは副官の顔を見る。
「ベンは皇太子殿下に後れを取るなとこの部屋から飛び出して行きました」
「判った。王都に連絡。
我ボフミエからの攻撃を受け反撃。これを撃退せり。以降追撃戦に移る。」
そう言うと全員を見回した。
もうここまで来たらあきらめの心境だった。
ドラフォード最強師団がこの東方第一師団だ。
師団に攻撃受けてまで待機は出来まい。
「これより全軍出撃する」
進軍ラッパが高らかに鳴り響いた。
**********************************************
皇帝に連れ去られたクリスの運命やいかに
次回はクリスの登場です。
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