190 / 480
第七章 魔王復活
クリスは自らの行いを恥じますが、皆に慰められます
しおりを挟む
「あああ、最悪。使者を黒焦げにしてしまうなんて。最低!」
クリスは自己嫌悪のあまり自室のソファの上で頭を抱えていた。
「まあクリス。あの使者が生意気だったから仕方が無いよ」
ちゃっかりと横に座っているオーウェンが慰める。
「オウ。でも、使者に頭にきたからって雷撃を浴びせる国主が他にいますか」
涙目でクリスが言う。
「まあ、奴らが生意気だから仕方が無かったんだよ。俺でも殴りたかったくらいだから」
「でも、普通は雷撃なんて浴びせませんよね」
「うん、まあね」
オーウェンは思わず頷いてしまった。
「やっぱり最低の筆頭魔導師です」
クリスは突っ伏した。
「オーウェン様」
横からメイが非難する。
「クリス様は私の為に。怒ってGAFAを雷撃で攻撃して頂きました。
私はそれを後で聞いてとてもうれしかったです」
メイが横からクリスの肩に手を添える。
「本当に部下想いの主様だと感動しました」
メイはクリスを慈しむように見た。
「メイ」
クリスはメイに抱きついていた。
「今回も使者はクリス様の騎士のジャスティン様を貶めたんです。
それに対してクリスは様は鉄槌を下して頂きました。
ジャステイン様もクリス様に感謝しているはずです。
本当にあの使者の態度は生意気でしたから」
メイはクリスの背に手を添えて慰める。
もっとも使者はほとんど言葉を言えていなかった。
だから命が助かったという面もあったが。
もし、カーンの言ったとおりに話していたらおそらく怒り狂ったジャンヌらによってなます切りにされただろうとことは幸いにも知らなかった。
「クリス。判ったぞ。モルロイは次はワットに攻撃を仕掛けてくるそうだ」
そこへ扉を蹴破るようにしてジャンヌが飛び込んできた。
「ワットの村ですか」
クリスが立ち上がった。
「使者の中で話せるものがいたので尋問したらそう吐いたぞ」
使者の一人はジャンヌの剣幕に驚いてとてもクリスに筆頭魔術師の地位を譲れといいに来たとは言えなかった。代わりにターゲット地点のみ伝えたのだ。
「直ちに私の魔導騎士団を展開しようと思うが」
ジャンヌが言った。
「いえ、お姉さま。私も参ります」
「クリスさすがに危険だ」
オーウェンが慌てて言う。
「足手まといになるかもしれませんが、ロルフによると私とカーンの魔力量は変わらないのでしょう」
クリスがジャンヌを見て言う。
「確かに、そうだが」
それに最悪シャラザールが来臨してくれれば、おそらく魔王は瞬殺できるとジャンヌは思ってしまった。
「では私も行く」
「オーウェン様はこちらで何かあった時の対応をお願いします」
「しかし、クリス」
オーウェンはなおも喰らいつく。
「クリフィズさんにも私ならカーンと対抗できるとはっきり言われてしまいましたし、
ジャルカ様にお願いして魔術の練習もしてきました。オーウェン様は後方でいざという時の対処をお願いしたいのですが」
クリスはオーウェンを見て言う。
確かにクリスの魔力量は限界が見えないとロルフにも言われているし、
雷撃の攻撃にてGAFAの4拠点を同時攻撃の威力を見ると十分に対処できるようにも思えた。
「判った、私もアレクも行こう。それで負ける訳は無い」
ジャンヌが言った。
ボフミエの2大凶器の赤い死神と暴風王女が傍に控えるというのだ。
例えカーンが魔王だったとしても何とかなる陣容かもしれないとオーウェンも思った。
本来ならば絶対にクリスだけ行かせたくはなかったが、後方支援でオーウェンの右に出る者はいなかった。
これが陽動の可能性もある。
アレクとジャンヌとウイルは転移が出来るし、他の地にカーンが来てもおそらく瞬時に転移で対応できるはずだ。
「判った。後方は任せてもらいたい。ありとあらゆる対応は考えておく」
「良し。直ちに作戦会議だ」
オーウェンの言葉にジャンヌが頷いた。
翌朝、目を覚ましたテムゲは座席に縛り付けられているのに気付いた。
「な、なんだ」
周りの席に側近たちも縛られている。
そして側近たちは髪がきれいに刈られて坊主頭になっていた。
「お前ら頭はどうした」
テムゲが聞く。
「殿下も刈られていますぞ」
側近の一人が言う。
「ほっほっほっ」
前部の画面がついてジャルカが現れた。
「貴様。何をした」
テムゲが叫ぶ。
「これは異なことを。このままにするとジャンヌ殿下に拷問で殺されてしまうかと心配になってモルロイに帰してあげようとしておりますのに」
「どうやって帰すつもりだ」
「我がボフミエの最新兵器。人間ロケットで送り返してあげますのじゃ」
「おい、なんか、とんでもないもののように思えるのだが」
テムゲが不安げに言う。
「まあ、わが国の騎士団長にいろいろしていただきましたからな。
それ相応のお礼をせねばなりますまいて」
ジャルカは不吉な笑みを浮かべた。
「待て、私がしたわけでは。やったのは兄上だ」
必死にテムゲは叫ぶ。
「では良い旅を」
ジャルカが合図を送る。
一瞬にて人間ロケットにすさまじい加速がかかる。
「ギョエェェェーーー」
テムゲは叫けんだが、あまりの加速の大きさに白目を剥いて聞か絶していた。
クリスは自己嫌悪のあまり自室のソファの上で頭を抱えていた。
「まあクリス。あの使者が生意気だったから仕方が無いよ」
ちゃっかりと横に座っているオーウェンが慰める。
「オウ。でも、使者に頭にきたからって雷撃を浴びせる国主が他にいますか」
涙目でクリスが言う。
「まあ、奴らが生意気だから仕方が無かったんだよ。俺でも殴りたかったくらいだから」
「でも、普通は雷撃なんて浴びせませんよね」
「うん、まあね」
オーウェンは思わず頷いてしまった。
「やっぱり最低の筆頭魔導師です」
クリスは突っ伏した。
「オーウェン様」
横からメイが非難する。
「クリス様は私の為に。怒ってGAFAを雷撃で攻撃して頂きました。
私はそれを後で聞いてとてもうれしかったです」
メイが横からクリスの肩に手を添える。
「本当に部下想いの主様だと感動しました」
メイはクリスを慈しむように見た。
「メイ」
クリスはメイに抱きついていた。
「今回も使者はクリス様の騎士のジャスティン様を貶めたんです。
それに対してクリスは様は鉄槌を下して頂きました。
ジャステイン様もクリス様に感謝しているはずです。
本当にあの使者の態度は生意気でしたから」
メイはクリスの背に手を添えて慰める。
もっとも使者はほとんど言葉を言えていなかった。
だから命が助かったという面もあったが。
もし、カーンの言ったとおりに話していたらおそらく怒り狂ったジャンヌらによってなます切りにされただろうとことは幸いにも知らなかった。
「クリス。判ったぞ。モルロイは次はワットに攻撃を仕掛けてくるそうだ」
そこへ扉を蹴破るようにしてジャンヌが飛び込んできた。
「ワットの村ですか」
クリスが立ち上がった。
「使者の中で話せるものがいたので尋問したらそう吐いたぞ」
使者の一人はジャンヌの剣幕に驚いてとてもクリスに筆頭魔術師の地位を譲れといいに来たとは言えなかった。代わりにターゲット地点のみ伝えたのだ。
「直ちに私の魔導騎士団を展開しようと思うが」
ジャンヌが言った。
「いえ、お姉さま。私も参ります」
「クリスさすがに危険だ」
オーウェンが慌てて言う。
「足手まといになるかもしれませんが、ロルフによると私とカーンの魔力量は変わらないのでしょう」
クリスがジャンヌを見て言う。
「確かに、そうだが」
それに最悪シャラザールが来臨してくれれば、おそらく魔王は瞬殺できるとジャンヌは思ってしまった。
「では私も行く」
「オーウェン様はこちらで何かあった時の対応をお願いします」
「しかし、クリス」
オーウェンはなおも喰らいつく。
「クリフィズさんにも私ならカーンと対抗できるとはっきり言われてしまいましたし、
ジャルカ様にお願いして魔術の練習もしてきました。オーウェン様は後方でいざという時の対処をお願いしたいのですが」
クリスはオーウェンを見て言う。
確かにクリスの魔力量は限界が見えないとロルフにも言われているし、
雷撃の攻撃にてGAFAの4拠点を同時攻撃の威力を見ると十分に対処できるようにも思えた。
「判った、私もアレクも行こう。それで負ける訳は無い」
ジャンヌが言った。
ボフミエの2大凶器の赤い死神と暴風王女が傍に控えるというのだ。
例えカーンが魔王だったとしても何とかなる陣容かもしれないとオーウェンも思った。
本来ならば絶対にクリスだけ行かせたくはなかったが、後方支援でオーウェンの右に出る者はいなかった。
これが陽動の可能性もある。
アレクとジャンヌとウイルは転移が出来るし、他の地にカーンが来てもおそらく瞬時に転移で対応できるはずだ。
「判った。後方は任せてもらいたい。ありとあらゆる対応は考えておく」
「良し。直ちに作戦会議だ」
オーウェンの言葉にジャンヌが頷いた。
翌朝、目を覚ましたテムゲは座席に縛り付けられているのに気付いた。
「な、なんだ」
周りの席に側近たちも縛られている。
そして側近たちは髪がきれいに刈られて坊主頭になっていた。
「お前ら頭はどうした」
テムゲが聞く。
「殿下も刈られていますぞ」
側近の一人が言う。
「ほっほっほっ」
前部の画面がついてジャルカが現れた。
「貴様。何をした」
テムゲが叫ぶ。
「これは異なことを。このままにするとジャンヌ殿下に拷問で殺されてしまうかと心配になってモルロイに帰してあげようとしておりますのに」
「どうやって帰すつもりだ」
「我がボフミエの最新兵器。人間ロケットで送り返してあげますのじゃ」
「おい、なんか、とんでもないもののように思えるのだが」
テムゲが不安げに言う。
「まあ、わが国の騎士団長にいろいろしていただきましたからな。
それ相応のお礼をせねばなりますまいて」
ジャルカは不吉な笑みを浮かべた。
「待て、私がしたわけでは。やったのは兄上だ」
必死にテムゲは叫ぶ。
「では良い旅を」
ジャルカが合図を送る。
一瞬にて人間ロケットにすさまじい加速がかかる。
「ギョエェェェーーー」
テムゲは叫けんだが、あまりの加速の大きさに白目を剥いて聞か絶していた。
3
あなたにおすすめの小説
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?
ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十年目。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる