関白の息子!

アイム

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戦勝者の憂鬱

戦後処理(エロ度☆☆☆☆☆)

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「三成ぃ、まだあんの?」
「これが終わらねば、お休みいただくことなど出来ませぬ!」

 戦後の恩賞処理は、今の俺にはとても重く頭の痛い作業だった。
 五奉行と五大老は連日大阪城で会議を繰り返し、何かある度に俺に採択を求める。
 あの、俺八歳なんだけど・・・・・・とは流石に言えない。

 ああ、早く浅井三姉妹丼食べたい。

 先日の戦で徳川方に付いた大名達の中には京極家の名もあり、初叔母上も身柄預かりで大阪に来ているのだ。
 捕虜となった大名やその重臣の妻子は実に5百人以上になり、余りにも多いので男子のいない側室などはその場で解放したほどだ。

 それでもまだ3百人ほどが残っている。
 彼等の処置を早く決めてやりたいのは当然その通りなのだけど・・・・・・

「先ず、徳川方に付いた大名は一族郎党まで全て処断いたします」

 三成がいきなり極端なことを言いだす。

「馬鹿言うな。改易で十分。そこからやり直すなら豊臣家で雇う」

 この時代では学のある者自体が珍しいのだ。
 誰がそんなもったいないことをするか!

「しかし、禍根を残すことになります」
「罪を憎んで人を憎まず。まして妻子に罪などあろうはずもない。大名からの転落では苦労するだろうが、一年は生きて行けるだけの金を渡して放してやれ」
「そ、それは甘すぎます!」
「決定事項だ。異議は認めん」

 その言葉に五大老も五奉行も不承不承で納得する。

 これでいいはずだ。
 頑張ればお家の再興も叶うかもしれない。
 そう言った者達が朝鮮で活躍してくれれば・・・・・・いや、幾らなんでも皮算用か。

「そんな事より今回の手柄を順に並べてくれ。ちゃんと客観的に見て、だぞ?」
「はっ! それでは――

 三成の読み上げた手柄の概略は以下の通り、

 一番功:総大将であり、敵総大将を討った部隊などの指揮をした俺
 二番功:全作戦を立案した如水
 三番功:敵軍の進撃を孤立無援ながら耐えた佐竹義宣
 四番功:長政の隊を関東に引き入れ、家康を実際に捕え、江戸の開城に大きく貢献した真田親子
 五番功:各方面軍を率いた七将軍、中でも東北で活躍した清正と俺の傍で活躍した忠興、本隊を率いて関東制圧に大きく貢献した正則
 六番功:家康確保に向け最終戦に貢献した小早川秀秋、長曾我部盛親、島津義弘、立花宗茂、鍋島直茂、小西行長。
 七番功:兵站確保を行った五大老・五奉行。特に前田・上杉は堀を討つのに大きく貢献した

 正直、今回は如水の策で一カ月と少しで戦が終わったことで諸大名の活躍の機会は少なかった。
 特に毛利や秀次叔父上などは関東に到着したころには終わっていたという感がある。
 兵站確保とはよくも言ったものだ。

 まぁ、重要なのも間違いではないが、早々に決着がついたのであまり役に立たなかった。

「うん、まぁ、良いんじゃないか?」

 因みに二番功の如水だが、本来は既に隠居なので基本的に長政に渡すことになる。
 だが、そこそこの功を立てた大名の多い九州では加増も出来ない・・・・・・

「転封だな。特に七将軍には軍監の様な事を頼むことになるから各地に散ってもらいたいし」
「七将は特に西国に多くいますが、いかがいたしましょう?」
「正則には東北に、清正には関東に、東海には長政に来てもらう。小田原は嘉明に頼もう。三成その方向で転封を創案してくれ」
「ははっ!」

 三成が頭を下げた隙に、スッと立ち上がり走り去る。

「と、殿! お待ちくだされ、まだ決めねばならぬことが山ほど――

 三成が何か言っていたが、さっさと逃げる。
 だってもうかれこれ五時間近くの会議だ。
 八歳児に耐えられるわけがない。

「ん~! 桜で遊ぼうかなぁ、ん?」

 そう言えば桜(樹木の)の時期だし並べて遊ぼうかななどと考えていると、裾を引っ張られていることに気付く。

「あにうえ、おはな!」

 マイエンジェル降臨。
 この娘が来ると俺のピンク色の脳細胞が只のシスコンに変化する。

 桜の枝を持ってはしゃいでいる千姫にキュンキュンしてしまう。

「ん~、お花だねぇ。でもこれは桜って言うんだよ?」

 優しく頭を撫でながら答えてやる。
 そう言えばカステラが部屋にあったな。

「お千。お菓子食べる?」
「うん!」

 今なら父上が俺を溺愛した気持ちも分かるかもしれない。
 子供って可愛いなぁ。
 しかもこの子は成長したら絶対美人になる。
 いや、今は純粋に可愛がっているだけだけど・・・・・・

 それに義理とはいえ妹。
 もうすぐ実の両親は遠く蝦夷の地に向かう。
 俺が支えてやらないでどうするんだ!

「カステラというフワフワのあまぁいお菓子だぞぉ」
「わーい!」

 因みにすぐそこに三成が控えているが無視する。

 ついこの間お千といる時は誰も邪魔してはならぬと申し付けたのだ。
 昔、父上が母上と会う時も似たようなことを言ったらしいので、まぁ、遺伝かなぁ。

「それじゃ、茶室に行こうか」
「ぴかぴかのおへや?」
「そうそう、黄金茶室」
「やたー」

 父上の残してくれた黄金茶室は今は千姫と俺の遊び場だ。
 だって苦いお茶なんてお子様な俺達には必要ない。
 お茶菓子だけで十分だ。

 はぁ、という盛大な溜め息が何処かから聞こえた気がした。

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