関白の息子!

アイム

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秀頼ルート 徳川家存続作戦

方策(エロ度☆☆☆☆☆)

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 先ず呼んだのは(黒田)長政。

 お菊の親と言う意味では一応疑うべき人間の一人ではあるが、まぁ、普通に考えてないだろう。
 蜂須賀家の娘として来ているし、既に側室二人が世継ぎを産んでいるのだから、千がいなくなったとしてもお菊の立場が変わるとは思えない。

 とは言え、念のため・・・・・・。

「長政、今回の件でなにか知らないか?」

「へ、陛下!?」

 狼狽えると逆に怪しく思えてしまう。

「いや、別に疑っているわけではないんだが、実はなかなか手掛かりが掴めていないのが現状でな。藁にもすがる気分なんだよ」

「・・・・・・たしか、徳川の皆様の尋問は陛下が行っているとか」

「あ? うん。でもどうせ知らないから世間話しているだけだけどな」

 本来ならこんなことを話すべきではないのだが、長政は如水のこともありなんとか引き込みたい。
 それに清正が明の方に行っている現在、長政が対金政策の責任者となっている。
 金を動かすためにも、仲間に引き入れたいのは当然と言えば当然。

「どういう、ことですか?」

「俺はお千を正室から降ろす気はない。そのために明国で手柄を立てさせている。南京の制圧をもって功で罪を贖うということにしている」

「む、むぅ」

 長政が押し黙り、顎に手を当て考え込んでしまう。
 常識外れな考えではあっても、なにを言いたいのかは長政にも分かるだろう。

「それでな――」

「金軍を動かさせるのですね?」

「そうだ。北京にいる明軍の目を金に向かせる。戦力を分散させるだけでも大きな助けになるからな」

 実は金軍と明軍の戦いは正史とは違い、決着つかずの膠着状態となっている。
 初戦は金軍が優勢だったものの、上海への日本軍の侵略の情報が伝わったのか早々に明軍が後退、瀋陽まで撤退したのだ。
 因縁のあるイェヘは統一されたものの、野戦が得意な金軍は城に閉じこもった明軍に手を焼いているのだ。



「金軍に瀋陽を越えさせろ」

「・・・・・・朝鮮と違い、明の城塞は強固です。銃なども備えているようですし、簡単ではないのではないかと・・・・・・」

 朝鮮は明の属国として城などの防衛設備を造らないことで臣従の証としていた。
 それが日本軍の大勝と攻略の速さの理由があったのだが、明には古代から街を巨大な城壁で囲む風習がある。
 それどころか北方異民族を防ぐための万里の長城で国ごと防ぐほど。

「ああ、だからそれを解決してやれ」

「・・・・・・新式の砲を他国の侵略のために使え、と?」

 当然、金軍の戦に使えば機密の漏えいという心配がある。
 いや、それどころか金軍が負けてしまえばこちらの新式砲を明軍に接収される。
 他にも実際の運用に護衛として当たらせる朝鮮部隊の離反の可能性や金軍自身が寝返る可能性。
 そういったものも考慮しなければならない。

 それにこちらにとっても新式の砲の数はそう多くはない。
 故に与えるのは新式砲ではない。

「いや、臼砲(肉厚で短い幅広の砲身の大砲)を与える。あれなら射程も精度も大したことがない。威力だけは折り紙付きだけどな」

「あれは我が軍が城塞を攻める際にと南蛮の者から買い取り、研究して製造したものですぞ?」

 始めから明を攻めるのに城塞の壁が問題になることは分かりきっていた。
 だからその解決に攻城兵器としての臼砲についても研究・製造を推し進めていた。

「朝鮮部隊も立派な日本軍だ。それが日本の武器を使うことの何がおかしい」

 もっとも、逆の立場なら俺も反対するだろう。
 未だに統一してから4年。
 (木村)重成は頑張ってくれているが、やはり細やかな諍いが絶えないのもまた事実。

 その理由は、やはり民族としての誇りなのだろう。
 税は以前より低く、治水や開墾技術の開示などにより格段に豊かに暮らしやすくなっているはずなのに反乱が起きるのだから。
 そして、それが日本の将達が朝鮮出身者を信じない風潮に拍車をかけている。

「・・・・・・一つ、教えていただいても?」

 しばらく目を閉じ、考え込んでいた長政がおもむろに口を開く。
 その顔には一切の表情を出さずにただ淡々となにかを確認するかのような口調だ。

「なんだ?」

「陛下は何故女子一人のためにこのようなことをなさろうと?」

 たしかにお千のことが無ければこんな性急に事を進めることは無い。
 もともと年始に行った軍議でも上海を足掛かりに少しずつ勢力を進め、同時に明国内での民の反乱の意志を高め、明軍の視線を金軍の方を向かせつつ疲弊したところで一息に攻めあがる。
 そう言った筋書きだったのだ。

 だからこそ陸路でつながる北京を狙うのではなく、商工業の要衝である上海を狙った。
 明の経済に大打撃を与え、更なる重税を民に強いるしかないように。

「聞かなければ分からないか?」

 だが、妻を救うために方針を転換するくらいなんだと言うのだ?

「某にとって妻は道具でございました。流石に子は可愛くは思いますが、それも家名を残すための道具。すなわち某が生きた証にございます。陛下にとっては違うと仰られるのですか?」

「・・・・・・もしもそうなら徳川家の娘を正妻にするわけがない」

 道具として活用すると言うなら、それこそ天皇の娘でももらえばいいだろう。
 あの頃、もっともそれは今もだけど、そう要求して通らないはずも無かった。

「では何故ですか?」

「惚れた女のためだ! それ以上でもそれ以下でもない! 俺の我儘に付き合え、長政!」

 上座から立ち上がり、長政に近づきながらそう叫ぶ。

 考えてみれば娘を側室にもらい受けていながら、残酷なことを言っている気もする。
 だが、これが俺の紛れもない本心。

 ところが一拍の間を置き、長政は破顔して大声で笑いだす。

「フッ、フハハハハハ。やはり陛下は太閤殿下の子だ。何時も強引に胸襟に入ってくる。某には出来ない芸当です」

「・・・・・・なんだそりゃ? で、答えは?」

 どうしてここで父上が出て来るのか。
 
「フ、元より命じられれば身命を賭して答えるのが武士の勤め。某が直接朝鮮に行き瀋陽を抜いてご覧に入れましょう」

「長政が直接? 良いのか?」

 朝鮮部隊には圧倒的に火器を扱う経験が足りない。
 重成とてそうなのだから、誰かは派遣しなくてはならないとは思っていた。
 長政ならばうってつけの人材であることは間違いない。

「む、では一つ条件を付けさせていただいても?」

「条件? なんだ?」

 今でも武官の最高位にいる長政に与えられるものなど領地くらい。
 若しくは金や財宝、か?

「娘にややこを授けてくださいませ。あれも陛下の妻でございますれば。子の一人も出来れば慰めにもなりましょう」

「・・・・・・頑張ります」

 結局、最後は一人の父としての願いだった。

 
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