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秀頼ルート 黒幕捜査2
茶会2(エロ度☆☆☆☆☆)
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一つの結論に達した時、急に頭が澄み渡ったように感じることがある。
それは、悩みに悩んで苦しんだ証拠であり、同時にそれが答えだと確信したということでもある。
「・・・・・・天海、その刀を取ってくれないか?」
床の間に飾られた刀は一期一振、父上から受け継ぎ、義光に与え、彼が死んだことで俺が預かっている。
いずれは白寿にやるとお駒とも約束している刀。
「ほっほ、僧侶に刀を取れとはまた殺生な」
柔らかく拒否してくる。
「悪いな天海。これは命令だ。刀を取れ」
「・・・・・・」
「政宗、奥州には昔蘆名と言われる名門があったそうだな」
突然水を向けられても、そこはやはり政宗落ち着いた様子で返答する。
「はっ! ですが、とうの昔に某が攻め立てましてございます。会津を中心とした一族でございましたが・・・・・・」
「ああ、もはや嫡流は途絶えた。そうだったな?」
「ははっ!」
戦国の世で滅びた一族などいくらでもある。
でも、それはただそう言われているだけということもある。
「だが、僧になって残っている者もいるかもしれんな?」
「・・・・・・それは、その通りでございますが」
「例えば、だ。再び世が乱れた時、蘆名の名にどれほどの価値がある?」
「・・・・・・奥州にいる者にとっては伊達に並ぶ名門でございます。最上も既になく、直系が生きているとあらば一波乱起こすには容易いでしょう」
地域に長く居座り、土着の名族として知られるということはそう言うことだ。
一度滅んだとて、そのつながりを持つ者は地域に多くが息づく。
「そして、奥州で立つとき邪魔になるのは誰だ?」
「まず間違いなく某にございましょう。また、伊達には蘆名の旧臣も多くおります。倅では抑えきれぬことも予想されます」
「どうした天海、早く刀を持て」
爪を立て威嚇するものは本当の意味では恐ろしくない。
それは、近寄らなければ襲ってこないからだ。
では、爪を隠し、近寄ってくる者はどうだろう。
まして、その顔は好々爺然とした老僧だ。
「・・・・・・どのようにしてお調べに?」
「ふんっ、俺の忍びを舐めるな」
ただの一日で桜達は天海について調べられるだけの情報を調べて来てくれた。
だが、その成果は蘆名出身という程度。
先程までそれはあまり役に立たない情報と考えていた。
前世の知識に照らせば、天海の出自には幾つかの説が知られている。
一番有名なのは天海自身が実は明智光秀だというものだが、まぁ、それはないだろう。
実際に一番有力なのは蘆名氏13代当主盛高の一族とのこと。
「お家再興を願ってのことか?」
「さて、どうですかのう」
「乱を望んだな? 同じく商品を売るために乱を望む商人と、世の正当性を理屈でほざく林羅山とで共謀したといったところか」
商人にとって戦争ほど大きなビジネスになるものは他にない。
そして、今の日本は長い戦国の世を開けた泰平の世であり、明との戦争のための取引は俺のお膝元である堺の豪商がほぼ独占している。
それは、豊臣に莫大な財を築かせる一因ともなり、少しずつ少しずつ各大名との差を開いている。
それに、林羅山には会ったことはなくても商人の伝手でいくらでも交流できる。
問題があるとすれば、東北で一つの乱が起きた程度じゃどうにもならない。
・・・・・・必ず数カ所同時に起こすはずだ。
「そうだとして、また比叡山を焼きますかな?」
肯定も否定もなし、か。
「天海、必ずや突き止める。比叡山が納得してお前を差し出す証拠をな。それまでせいぜい首を洗って待っていろ」
「・・・・・・では、拙僧はこれにて」
深々と礼をして天海が出ていく。
此処で捕まえて殺すことは簡単だ。
だが、それではいけない。
天海は同時に他の者に繋がる手掛かりなのだ。
今、彼を殺せば、家康に繋がらぬどころか、乱の芽を摘む可能性まで消してしまいかねない。
それに、焦って手を出せば末端まで潰すことはできない。
この俺に手を出す恐ろしさを思い知らせるためにも完璧を期さねば。
それは、悩みに悩んで苦しんだ証拠であり、同時にそれが答えだと確信したということでもある。
「・・・・・・天海、その刀を取ってくれないか?」
床の間に飾られた刀は一期一振、父上から受け継ぎ、義光に与え、彼が死んだことで俺が預かっている。
いずれは白寿にやるとお駒とも約束している刀。
「ほっほ、僧侶に刀を取れとはまた殺生な」
柔らかく拒否してくる。
「悪いな天海。これは命令だ。刀を取れ」
「・・・・・・」
「政宗、奥州には昔蘆名と言われる名門があったそうだな」
突然水を向けられても、そこはやはり政宗落ち着いた様子で返答する。
「はっ! ですが、とうの昔に某が攻め立てましてございます。会津を中心とした一族でございましたが・・・・・・」
「ああ、もはや嫡流は途絶えた。そうだったな?」
「ははっ!」
戦国の世で滅びた一族などいくらでもある。
でも、それはただそう言われているだけということもある。
「だが、僧になって残っている者もいるかもしれんな?」
「・・・・・・それは、その通りでございますが」
「例えば、だ。再び世が乱れた時、蘆名の名にどれほどの価値がある?」
「・・・・・・奥州にいる者にとっては伊達に並ぶ名門でございます。最上も既になく、直系が生きているとあらば一波乱起こすには容易いでしょう」
地域に長く居座り、土着の名族として知られるということはそう言うことだ。
一度滅んだとて、そのつながりを持つ者は地域に多くが息づく。
「そして、奥州で立つとき邪魔になるのは誰だ?」
「まず間違いなく某にございましょう。また、伊達には蘆名の旧臣も多くおります。倅では抑えきれぬことも予想されます」
「どうした天海、早く刀を持て」
爪を立て威嚇するものは本当の意味では恐ろしくない。
それは、近寄らなければ襲ってこないからだ。
では、爪を隠し、近寄ってくる者はどうだろう。
まして、その顔は好々爺然とした老僧だ。
「・・・・・・どのようにしてお調べに?」
「ふんっ、俺の忍びを舐めるな」
ただの一日で桜達は天海について調べられるだけの情報を調べて来てくれた。
だが、その成果は蘆名出身という程度。
先程までそれはあまり役に立たない情報と考えていた。
前世の知識に照らせば、天海の出自には幾つかの説が知られている。
一番有名なのは天海自身が実は明智光秀だというものだが、まぁ、それはないだろう。
実際に一番有力なのは蘆名氏13代当主盛高の一族とのこと。
「お家再興を願ってのことか?」
「さて、どうですかのう」
「乱を望んだな? 同じく商品を売るために乱を望む商人と、世の正当性を理屈でほざく林羅山とで共謀したといったところか」
商人にとって戦争ほど大きなビジネスになるものは他にない。
そして、今の日本は長い戦国の世を開けた泰平の世であり、明との戦争のための取引は俺のお膝元である堺の豪商がほぼ独占している。
それは、豊臣に莫大な財を築かせる一因ともなり、少しずつ少しずつ各大名との差を開いている。
それに、林羅山には会ったことはなくても商人の伝手でいくらでも交流できる。
問題があるとすれば、東北で一つの乱が起きた程度じゃどうにもならない。
・・・・・・必ず数カ所同時に起こすはずだ。
「そうだとして、また比叡山を焼きますかな?」
肯定も否定もなし、か。
「天海、必ずや突き止める。比叡山が納得してお前を差し出す証拠をな。それまでせいぜい首を洗って待っていろ」
「・・・・・・では、拙僧はこれにて」
深々と礼をして天海が出ていく。
此処で捕まえて殺すことは簡単だ。
だが、それではいけない。
天海は同時に他の者に繋がる手掛かりなのだ。
今、彼を殺せば、家康に繋がらぬどころか、乱の芽を摘む可能性まで消してしまいかねない。
それに、焦って手を出せば末端まで潰すことはできない。
この俺に手を出す恐ろしさを思い知らせるためにも完璧を期さねば。
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