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1章
3話 不穏な噂
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【閲覧注意!】死に至る絵!
見ただけで死んでしまう絵。そんなものが実在したら、怖いとは思いませんか?
しかも、そんな恐ろしい絵が、ある日突然、あなたの住む街のビルや塀に落書きされていたら?
今、都内某駅の近辺で、そうした落書きがいくつも見つかっているのです。安全のため、詳しい場所をここに記すことはできませんが、直近に起きた大量昏倒事件を調べて頂けると、特定はさほど難しくはないかと思われます(筆者としては、特定はお勧めしません)。
その現地にさっそく取材を試みたのですが、なんと、いずれも付近の塀やビルの壁面に巨大なカバーがかけられていることが判明しました。
例えばこちらの写真①ですが、落書きがあったとされるトンネルの壁面には工事用のカバーがかけられ、さらに壁面補修中の看板が掲げられています(写真②)。しかし、こちらのトンネルは昨年開通したばかりの新道の一部で、他の壁面の新しさを見ても、補修が必要だとは到底思えません。
続いて写真③ですが、落書きがあったとされるこちらの廃ビルにも、やはり、工事用の覆いがかけられています。傍らには最初のケースと同様、解体工事の看板が(写真④)。しかし、近所の人の証言によると、このビルは何年も前から所有者不在のまま放置されており、解体工事は寝耳に水だったとのこと。
他の事件現場でも、同様に謎の突発工事が――
「か、い、え、だ、くんっ!」
陽気な声に名を呼ばれ、漣は顔を上げる。先日とは違う女子生徒が、何が楽しいのか上機嫌で漣を見下ろしている。いかにも男好きのするフェミニンな風貌は、愛らしさよりはむしろ、在学中に有望な男を捕まえてやりたいという貪欲な戦略性を感じさせる。
「なに読んでるの?」
何と問われると、いま目の前で開いている神経医学の専門書か、LINEで美海に送りつけられた三文キュレーションサイトのどちらを答えるべきか悩む。が、結局、真面目に答える義務などないことに気付き、「別に」と素っ気ない答えを返す。
そもそもここは大学図書館内の読書コーナーで、フロアは心地よい静寂に包まれている。多くの人間がマナーに従うことで保たれる静寂。それを無遠慮にぶち壊す人間とは、男であれ女であれ言葉を交わす気になれない。
ところが女子生徒は、漣の言外の拒絶を汲み取るどころか、逆に無遠慮に顔を覗き込んでくる。
「……何か」
「真っ青だよ、顔。体調大丈夫?」
そして女子生徒は、ほら、と手鏡を突き出してくる。別に体調は悪くないのになと半信半疑で覗き込むと、チアノーゼ気味の男が確かに映っている。
「てか病院行った方がよくない? あ、海江田くんは家で診てもらえるか」
「いや……大丈夫」
本を閉じ、足元に置かれたボストンバッグを抱えると、本を元の書架に戻して図書館を出る。最初はついてくるそぶりを見せた女子生徒も、いつの間にか気配は消えていた。漣の突き放すような早足に、さすがにないなと悟ったのだろう。
信濃町駅で下り列車に乗り込むと、そのまままっすぐ自宅を目指す。このままJR線で吉祥寺まで下り、あとはバスで西東京を目指す。それが漣の通学ルートだ。
――動揺など。
していない。するはずがない。あんな、どこの誰が書いたとも知れない信憑性皆無のゴミ記事にどうして慌てる必要がある。ああ、そうだ。壁にカバーがされていたから何だ。工事の看板が立っているならそりゃただの工事だろう。いくら新しいトンネルでも、思いがけず地下水が沁みて壁の一部が脆くなることもある。そうした常識的な思考をすっ飛ばして、いきなり突飛な説に走るから、あの手の記事はゴミだの陰謀論者の巣窟だのと馬鹿にされるんだ。
だから……そう、何もかも偶然。ただの偶然だ。
新宿で乗客が一気に捌けたところで空席を見つけ、素早く確保する。その直後、いかにも足腰が弱そうな老婆が乗り込んできて、漣は慌てて席を立つ。が、急に立ち眩みを覚えてふらつき、逆に老婆に心配される羽目になる。
「いえ、大丈夫です……」
半ば強引に席を譲り、少し離れた場所で縋るように吊革を握る。
そう、偶然だ。何もかも――だとしても、ありえるのか、こんな偶然が。
少なくとも、あの三文キュレーションサイトで紹介されていたのは、いずれも漣にとってはありすぎるほど見覚えのある場所だった。
それらはまた、ここ二ヶ月ほど頻発する謎の集団昏倒事件の現場でもあった。
最初の事件は今から三か月前。漣があれを始めて間もない頃だった。翌朝、まさにその場所で通りすがりの女性が倒れ、一週間ほど意識不明の状態が続いた。さいわい女性は意識を取り戻したが、倒れた時のことは何も覚えていないという。
二度目、および三度目の事件は、記事にもあった新道の地下道で起きた。
まず、偶然現場を通りかかった通行人六名が相次いで倒れ、その後、ガス漏れの調査で訪れたガス会社の社員五名が昏倒、病院に搬送された。うち三名は海江田病院に運ばれ、今なお意識不明の状態が続いている。ちなみに顔見知りの医師の話では、あらゆる病理検査を施したものの原因の特定には至らなかったらしい。
四度目の事件も、やはり記事で紹介された路地裏で起きた。
そこは、夜間こそ人通りに乏しいが、通勤時間帯は駐輪場から駅へ向かう人の流れができる。事件は、まさにその朝のラッシュ時に起きた。通行人が次々と倒れ、最終的に五十名近くもの人間が被害に遭ったという。海江田病院でも十名の急患を受け入れ、一時は廊下をストレッチャーが埋め尽くす事態にもなった。
そしてついに、一連の事件で犠牲者が出る。別の病院に運ばれた患者だが、二名が搬送後に命を落としたそうだ。
吊革を握る手がやけにねばつく。
我ながらひどい手汗だ。が、今はそれを嗤う気にもなれない。
「見たら死ぬ絵だって。ヤバいよね」
ふと、隣に立つカップルの会話が耳に入る。
「見たら死ぬ? 何それ」
「いや、だから、見ただけで死んじゃう絵。そういう絵がね、あるんだって実際」
あの三文記事の話か。どうやら例の噂は、結構な規模で拡散しているらしい。
「てか、アート界隈じゃそこそこ有名らしいよ。見ただけで狂う絵とか、聴いただけで死ぬ歌とか」
「は、何それウケる」
「いやいやマジだって。ナオミが言ってたもん。ほら、あの子美大に通ってるじゃん? そこで先輩に聞いたって」
「へー、じゃあその先輩ってのは誰に聞いたの。ソースは?」
「あーもう、あんたすぐそうやってソースソース言う! でね、そういう特殊なアーティストのことを、ギフテッド、って呼ぶらしいの」
「ギフテッド?」
「そう。んで、ギフテッドだとわかると、米軍の偉い人が来て拉致されちゃうの。ナオミの話だと、人体実験の材料にされちゃうらしいよ!」
「人体実験! 宇宙人かよウケる!」
すると女の方は、男のリアクションが気に入らなかったのだろう、やっぱ話すんじゃなかったと拗ねる。一方、男の方は相変わらず半笑いで、しかし、その隣に立つ漣はつられて笑うどころではなかった。
ギフテッド。
一般には特殊な、あるいは過剰な才能を与えられた人間を指す言葉。だが、さっきの女の説明に従うなら、作品を通じて死や狂気を振りまく特殊なアーティストを指す単語、ということになりそうだ。
いや、用語などこの際どうだっていい。
これまでの情報が、それを踏まえた漣の妄想が仮に事実だとして――そう、漣は自問する。それでも俺は、止められるのか。この、何をしていても……寝ても醒めても、食事中も、授業の最中にさえのべつ幕無しに湧き上がるイメージを、ビジョンを、描きたいという衝動を、俺は。
見ただけで死んでしまう絵。そんなものが実在したら、怖いとは思いませんか?
しかも、そんな恐ろしい絵が、ある日突然、あなたの住む街のビルや塀に落書きされていたら?
今、都内某駅の近辺で、そうした落書きがいくつも見つかっているのです。安全のため、詳しい場所をここに記すことはできませんが、直近に起きた大量昏倒事件を調べて頂けると、特定はさほど難しくはないかと思われます(筆者としては、特定はお勧めしません)。
その現地にさっそく取材を試みたのですが、なんと、いずれも付近の塀やビルの壁面に巨大なカバーがかけられていることが判明しました。
例えばこちらの写真①ですが、落書きがあったとされるトンネルの壁面には工事用のカバーがかけられ、さらに壁面補修中の看板が掲げられています(写真②)。しかし、こちらのトンネルは昨年開通したばかりの新道の一部で、他の壁面の新しさを見ても、補修が必要だとは到底思えません。
続いて写真③ですが、落書きがあったとされるこちらの廃ビルにも、やはり、工事用の覆いがかけられています。傍らには最初のケースと同様、解体工事の看板が(写真④)。しかし、近所の人の証言によると、このビルは何年も前から所有者不在のまま放置されており、解体工事は寝耳に水だったとのこと。
他の事件現場でも、同様に謎の突発工事が――
「か、い、え、だ、くんっ!」
陽気な声に名を呼ばれ、漣は顔を上げる。先日とは違う女子生徒が、何が楽しいのか上機嫌で漣を見下ろしている。いかにも男好きのするフェミニンな風貌は、愛らしさよりはむしろ、在学中に有望な男を捕まえてやりたいという貪欲な戦略性を感じさせる。
「なに読んでるの?」
何と問われると、いま目の前で開いている神経医学の専門書か、LINEで美海に送りつけられた三文キュレーションサイトのどちらを答えるべきか悩む。が、結局、真面目に答える義務などないことに気付き、「別に」と素っ気ない答えを返す。
そもそもここは大学図書館内の読書コーナーで、フロアは心地よい静寂に包まれている。多くの人間がマナーに従うことで保たれる静寂。それを無遠慮にぶち壊す人間とは、男であれ女であれ言葉を交わす気になれない。
ところが女子生徒は、漣の言外の拒絶を汲み取るどころか、逆に無遠慮に顔を覗き込んでくる。
「……何か」
「真っ青だよ、顔。体調大丈夫?」
そして女子生徒は、ほら、と手鏡を突き出してくる。別に体調は悪くないのになと半信半疑で覗き込むと、チアノーゼ気味の男が確かに映っている。
「てか病院行った方がよくない? あ、海江田くんは家で診てもらえるか」
「いや……大丈夫」
本を閉じ、足元に置かれたボストンバッグを抱えると、本を元の書架に戻して図書館を出る。最初はついてくるそぶりを見せた女子生徒も、いつの間にか気配は消えていた。漣の突き放すような早足に、さすがにないなと悟ったのだろう。
信濃町駅で下り列車に乗り込むと、そのまままっすぐ自宅を目指す。このままJR線で吉祥寺まで下り、あとはバスで西東京を目指す。それが漣の通学ルートだ。
――動揺など。
していない。するはずがない。あんな、どこの誰が書いたとも知れない信憑性皆無のゴミ記事にどうして慌てる必要がある。ああ、そうだ。壁にカバーがされていたから何だ。工事の看板が立っているならそりゃただの工事だろう。いくら新しいトンネルでも、思いがけず地下水が沁みて壁の一部が脆くなることもある。そうした常識的な思考をすっ飛ばして、いきなり突飛な説に走るから、あの手の記事はゴミだの陰謀論者の巣窟だのと馬鹿にされるんだ。
だから……そう、何もかも偶然。ただの偶然だ。
新宿で乗客が一気に捌けたところで空席を見つけ、素早く確保する。その直後、いかにも足腰が弱そうな老婆が乗り込んできて、漣は慌てて席を立つ。が、急に立ち眩みを覚えてふらつき、逆に老婆に心配される羽目になる。
「いえ、大丈夫です……」
半ば強引に席を譲り、少し離れた場所で縋るように吊革を握る。
そう、偶然だ。何もかも――だとしても、ありえるのか、こんな偶然が。
少なくとも、あの三文キュレーションサイトで紹介されていたのは、いずれも漣にとってはありすぎるほど見覚えのある場所だった。
それらはまた、ここ二ヶ月ほど頻発する謎の集団昏倒事件の現場でもあった。
最初の事件は今から三か月前。漣があれを始めて間もない頃だった。翌朝、まさにその場所で通りすがりの女性が倒れ、一週間ほど意識不明の状態が続いた。さいわい女性は意識を取り戻したが、倒れた時のことは何も覚えていないという。
二度目、および三度目の事件は、記事にもあった新道の地下道で起きた。
まず、偶然現場を通りかかった通行人六名が相次いで倒れ、その後、ガス漏れの調査で訪れたガス会社の社員五名が昏倒、病院に搬送された。うち三名は海江田病院に運ばれ、今なお意識不明の状態が続いている。ちなみに顔見知りの医師の話では、あらゆる病理検査を施したものの原因の特定には至らなかったらしい。
四度目の事件も、やはり記事で紹介された路地裏で起きた。
そこは、夜間こそ人通りに乏しいが、通勤時間帯は駐輪場から駅へ向かう人の流れができる。事件は、まさにその朝のラッシュ時に起きた。通行人が次々と倒れ、最終的に五十名近くもの人間が被害に遭ったという。海江田病院でも十名の急患を受け入れ、一時は廊下をストレッチャーが埋め尽くす事態にもなった。
そしてついに、一連の事件で犠牲者が出る。別の病院に運ばれた患者だが、二名が搬送後に命を落としたそうだ。
吊革を握る手がやけにねばつく。
我ながらひどい手汗だ。が、今はそれを嗤う気にもなれない。
「見たら死ぬ絵だって。ヤバいよね」
ふと、隣に立つカップルの会話が耳に入る。
「見たら死ぬ? 何それ」
「いや、だから、見ただけで死んじゃう絵。そういう絵がね、あるんだって実際」
あの三文記事の話か。どうやら例の噂は、結構な規模で拡散しているらしい。
「てか、アート界隈じゃそこそこ有名らしいよ。見ただけで狂う絵とか、聴いただけで死ぬ歌とか」
「は、何それウケる」
「いやいやマジだって。ナオミが言ってたもん。ほら、あの子美大に通ってるじゃん? そこで先輩に聞いたって」
「へー、じゃあその先輩ってのは誰に聞いたの。ソースは?」
「あーもう、あんたすぐそうやってソースソース言う! でね、そういう特殊なアーティストのことを、ギフテッド、って呼ぶらしいの」
「ギフテッド?」
「そう。んで、ギフテッドだとわかると、米軍の偉い人が来て拉致されちゃうの。ナオミの話だと、人体実験の材料にされちゃうらしいよ!」
「人体実験! 宇宙人かよウケる!」
すると女の方は、男のリアクションが気に入らなかったのだろう、やっぱ話すんじゃなかったと拗ねる。一方、男の方は相変わらず半笑いで、しかし、その隣に立つ漣はつられて笑うどころではなかった。
ギフテッド。
一般には特殊な、あるいは過剰な才能を与えられた人間を指す言葉。だが、さっきの女の説明に従うなら、作品を通じて死や狂気を振りまく特殊なアーティストを指す単語、ということになりそうだ。
いや、用語などこの際どうだっていい。
これまでの情報が、それを踏まえた漣の妄想が仮に事実だとして――そう、漣は自問する。それでも俺は、止められるのか。この、何をしていても……寝ても醒めても、食事中も、授業の最中にさえのべつ幕無しに湧き上がるイメージを、ビジョンを、描きたいという衝動を、俺は。
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