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昔の話、今の話。
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目が覚めたとき部屋は薄暗かった。
悠人はしばらくまどろみながら、まだ昨晩飲んだ酒の香りが残っている気がした。
同時に、誰と飲んでいたのかと思いだし、そして自分が言った言葉を思い出す。
「っ!」
慌てて身を起こして隣を確認する。だが純一はおらず、見知らぬ部屋には一人きりだ。
時間を把握しようと思ったものの、荷物は見当たらない。部屋に時計の類いはぱっとみたところ目に入ってこない。
慌ててベッドから降りる。
カーテンの隙間から日差しが入っているのを見て、少しだけめくって外を見た。
「まぶしっ……」
小さく呟いて、今がもう朝なのだと認識するとドアへと向かい、そっと開けた。
頭を出してリビングを見回すが、こちらもカーテンはぴっちりと閉まっており、遮光されて外の光はうっすらとしか入っていない。
静かにドアを開けてリビングへと足を進めると、ソファに純一が寝ているのが目に入った。
その近くに荷物も置いたままである。
足音を立てないように近づいていき、純一を覗き込んだがソファの上で少し窮屈そうに寝ていた。
少し迷ったが純一を起こさないまま、テーブルの上に置いたままのグラスを掴んでキッチンへ向かった。
グラスに直接水道水を注いでそのまま一気に飲んだ。ぬるい水が乾いた身体に入っていく。
二日酔いというほどの怠さなどはないが、身体のむくみがひどい。
少し汗臭いのではないかと着ていた服を掴んで匂いを嗅いでみる。
このまま帰りたいほど、昨夜の醜態を思い出すがこのまま帰るわけにはいかない。
図々しいのは承知の上で、とりあえずシャワーが浴びたいと思い、再びソファに向かって静かに歩みを進める。
寝ている純一の近くまで行って、どうやって声を掛けようかと悩んだ。
手を伸して触れようとして、悩んで手をひく。
口を開いては閉じてを繰り返し、どうするかと腕を組んだ。
そうしていると小さく笑うように空気が震え、純一が目を開けていた。
「お……起きてたのかよ」
「いま起きた。なんでそんな悩んでんの」
身体を起こして純一は身体を伸した。窮屈なところに寝ていたのだから、身体は痛いのではないかと悠人は不安になる。
「悪い……昨日はその、ベッド借りて」
「良いよ別に。最初からそのつもりだったし。で、どしたの?」
「あー……シャワー浴びたくて」
「ああ、そうだね」
そう言うと純一は立ち上がってバスルームへと案内した。
「コレ使って」
そう言って差し出されたのは着替えの一式だった。
下着はこの部屋に来る前にあったコンビニで買ってきたらしいパッケージで、いつの間にと思わず聞いていた。
「悠人が寝た後。シャツは俺のだからデカいかもしんないけど。オーバーサイズ似合いそうだから大丈夫でしょ」
そう言って純一は一通り、ソープやシャンプーなどを指差しで説明するとリビングに戻って行った。
一人残された洗面所で、悠人は小さく素直な感想を口にした。
「わからん」
まったく、何を考えているか分からない。
だが恐らくは、純一は昨晩言った通り本当に話がしたいだけなのだろうということは痛い程よく分かった。
渡された着替えを見つめて、ふと悠人は気になってしまいシャツに恐る恐る顔を近づけた。
少しだけ匂いを嗅いでみた。
ほんの少しだけ、あの甘い匂いがはりしたので小さなため息を吐いた。
悠人はしばらくまどろみながら、まだ昨晩飲んだ酒の香りが残っている気がした。
同時に、誰と飲んでいたのかと思いだし、そして自分が言った言葉を思い出す。
「っ!」
慌てて身を起こして隣を確認する。だが純一はおらず、見知らぬ部屋には一人きりだ。
時間を把握しようと思ったものの、荷物は見当たらない。部屋に時計の類いはぱっとみたところ目に入ってこない。
慌ててベッドから降りる。
カーテンの隙間から日差しが入っているのを見て、少しだけめくって外を見た。
「まぶしっ……」
小さく呟いて、今がもう朝なのだと認識するとドアへと向かい、そっと開けた。
頭を出してリビングを見回すが、こちらもカーテンはぴっちりと閉まっており、遮光されて外の光はうっすらとしか入っていない。
静かにドアを開けてリビングへと足を進めると、ソファに純一が寝ているのが目に入った。
その近くに荷物も置いたままである。
足音を立てないように近づいていき、純一を覗き込んだがソファの上で少し窮屈そうに寝ていた。
少し迷ったが純一を起こさないまま、テーブルの上に置いたままのグラスを掴んでキッチンへ向かった。
グラスに直接水道水を注いでそのまま一気に飲んだ。ぬるい水が乾いた身体に入っていく。
二日酔いというほどの怠さなどはないが、身体のむくみがひどい。
少し汗臭いのではないかと着ていた服を掴んで匂いを嗅いでみる。
このまま帰りたいほど、昨夜の醜態を思い出すがこのまま帰るわけにはいかない。
図々しいのは承知の上で、とりあえずシャワーが浴びたいと思い、再びソファに向かって静かに歩みを進める。
寝ている純一の近くまで行って、どうやって声を掛けようかと悩んだ。
手を伸して触れようとして、悩んで手をひく。
口を開いては閉じてを繰り返し、どうするかと腕を組んだ。
そうしていると小さく笑うように空気が震え、純一が目を開けていた。
「お……起きてたのかよ」
「いま起きた。なんでそんな悩んでんの」
身体を起こして純一は身体を伸した。窮屈なところに寝ていたのだから、身体は痛いのではないかと悠人は不安になる。
「悪い……昨日はその、ベッド借りて」
「良いよ別に。最初からそのつもりだったし。で、どしたの?」
「あー……シャワー浴びたくて」
「ああ、そうだね」
そう言うと純一は立ち上がってバスルームへと案内した。
「コレ使って」
そう言って差し出されたのは着替えの一式だった。
下着はこの部屋に来る前にあったコンビニで買ってきたらしいパッケージで、いつの間にと思わず聞いていた。
「悠人が寝た後。シャツは俺のだからデカいかもしんないけど。オーバーサイズ似合いそうだから大丈夫でしょ」
そう言って純一は一通り、ソープやシャンプーなどを指差しで説明するとリビングに戻って行った。
一人残された洗面所で、悠人は小さく素直な感想を口にした。
「わからん」
まったく、何を考えているか分からない。
だが恐らくは、純一は昨晩言った通り本当に話がしたいだけなのだろうということは痛い程よく分かった。
渡された着替えを見つめて、ふと悠人は気になってしまいシャツに恐る恐る顔を近づけた。
少しだけ匂いを嗅いでみた。
ほんの少しだけ、あの甘い匂いがはりしたので小さなため息を吐いた。
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