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09:事情
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「どうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
リビングでどうしたらいいのか分からず立っていたエイルさんは紅茶を置いたテーブルの前にある椅子に座る。
そして俺はその正面に自身の紅茶を置いて椅子に座る。
「……いいにおいですね」
「今俺が一番お気に入りの紅茶です」
一口飲んでいつも通りの味だと思った。
俺が飲んでいるところを見て恐る恐る紅茶を口にするエイルさん。
「……おいしい」
「それは良かったです」
もしかしたらこっちの人の舌には合わないかもしれないと思ったが杞憂だった。
異世界ものの作品だと日本料理とか地球の調味料とか作って美味しいとか言わせてるけど俺は文明が違って進化体系も違うのにそんなことあり得るのかと思っていた。
ただ今回は異世界ものの作品と同じようになったらしい。
少しの間だけ紅茶を味わう時間があり、俺は口を開いた。
「どういう理由で追われていたとか、そうしてここに来れたのかとか、そういうのは聞きません。エイルさんの気が済むまでここにいて大丈夫です」
下心がないわけではない。というかこんな日本では見れないような美人が目の前にいるだけで嬉しいものだ。
ただ傷心中の女性を放置できるほど俺は冷たい人間ではない。それに俺はスローライフ中だから気にならない。
「その……ありがとうございます。でも、お話しします。どうして私が追われていたか」
「明日でもいいんですよ? 今は体も心もしんどいでしょうから。よく食べてよく寝て、健康な精神で話した方が落ち着けると思います」
前の世界で落ち込んだ時とか何もかも怠くなった時はめっちゃ食べてめっちゃ寝ていた。
意外とそれで精神は落ち着くものだ。しかもそういうのがどうでもよくなる。
地球に隕石が落ちてきたらどうしようとかそういうのを考えている人たちにも言いたい。そんなこと考えてもどうしようもないんだからおいしいものを食べて寝ろと。
「いいえ、私は今話したいんです。今、優斗様に聞いてもらいたいです」
ただエイルさんがこういうのなら止めはしないし確固たる意思だ。
「分かりました。それなら聞きます」
「ありがとうございます」
エイルさんは一口紅茶を飲んでから話し始めた。
「私はアイテル聖王国の聖女でした」
ふむ? アイテル聖王国……? あぁ、パズルゲームじゃなくて異世界のことを勉強しておくべきだったな。
今は話の腰を折らないために神妙な面持ちでうなずいておく。
「あ、ありがとうございます……」
リビングでどうしたらいいのか分からず立っていたエイルさんは紅茶を置いたテーブルの前にある椅子に座る。
そして俺はその正面に自身の紅茶を置いて椅子に座る。
「……いいにおいですね」
「今俺が一番お気に入りの紅茶です」
一口飲んでいつも通りの味だと思った。
俺が飲んでいるところを見て恐る恐る紅茶を口にするエイルさん。
「……おいしい」
「それは良かったです」
もしかしたらこっちの人の舌には合わないかもしれないと思ったが杞憂だった。
異世界ものの作品だと日本料理とか地球の調味料とか作って美味しいとか言わせてるけど俺は文明が違って進化体系も違うのにそんなことあり得るのかと思っていた。
ただ今回は異世界ものの作品と同じようになったらしい。
少しの間だけ紅茶を味わう時間があり、俺は口を開いた。
「どういう理由で追われていたとか、そうしてここに来れたのかとか、そういうのは聞きません。エイルさんの気が済むまでここにいて大丈夫です」
下心がないわけではない。というかこんな日本では見れないような美人が目の前にいるだけで嬉しいものだ。
ただ傷心中の女性を放置できるほど俺は冷たい人間ではない。それに俺はスローライフ中だから気にならない。
「その……ありがとうございます。でも、お話しします。どうして私が追われていたか」
「明日でもいいんですよ? 今は体も心もしんどいでしょうから。よく食べてよく寝て、健康な精神で話した方が落ち着けると思います」
前の世界で落ち込んだ時とか何もかも怠くなった時はめっちゃ食べてめっちゃ寝ていた。
意外とそれで精神は落ち着くものだ。しかもそういうのがどうでもよくなる。
地球に隕石が落ちてきたらどうしようとかそういうのを考えている人たちにも言いたい。そんなこと考えてもどうしようもないんだからおいしいものを食べて寝ろと。
「いいえ、私は今話したいんです。今、優斗様に聞いてもらいたいです」
ただエイルさんがこういうのなら止めはしないし確固たる意思だ。
「分かりました。それなら聞きます」
「ありがとうございます」
エイルさんは一口紅茶を飲んでから話し始めた。
「私はアイテル聖王国の聖女でした」
ふむ? アイテル聖王国……? あぁ、パズルゲームじゃなくて異世界のことを勉強しておくべきだったな。
今は話の腰を折らないために神妙な面持ちでうなずいておく。
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