18 / 23
18
しおりを挟む
「はー……怒涛の展開でした……!」
ドラマを見終えて満足しているエイルさん。
「異世界の方々はこのようなものを毎日見ているのですね……」
「俺はあまり見ていないですけどね」
「こんなに面白いのにですか!?」
「目が肥えているというのがあります。それに単純にテレビ離れもありますね」
「……異世界の方々はすごいのですね」
信じらないといった顔をしているが、これからエイルさんがテレビを見ていたらこうなる。いやならないか?
ていうかあれだな、サブスクが見れるようにすればドラマとかも見放題だからエイルさん的にはありなのかもしれないが何せお金を払えないからなー。
……あっ、お金を払わなくていいじゃないか。
俺の力で見れるテレビを作れば全く問題ないのか。さすがにスパチャとかは無理だけどインディーゲームでもそれができるように作ればいいんだ。
えっ、できるよな? いやさすがにできるだろ。ここまでなんでもできてこれができませんなんてことはない。
まー、違法視聴な感じは否めないが……そもそも俺は異世界にいるのだからその法律に従う必要はないか!
神様だって見たいと思ったサブスク配信のドラマを違法で見ているはずだから大丈夫だろ。
「ふわぁ……あっ」
俺がそう考えていればエイルさんはかわいいあくびをした。
それを俺に見られて恥ずかしそうにしているエイルさんもかわいい。
「今日は色々とあったから眠たいんですね。もう休んでください」
「はい……そうさせてもらいます」
今日は追放されたり違う世界に来たりして色々と大変だっただろう。今までドラマを楽しんでいたことがかなり異常だったと思う。
「部屋に必要なものはありますか?」
「いえ……あれほど立派なベッドがありますから十分です」
「気軽に必要なものを言ってください。人にとって寝ることは大事ですからね」
「はい、それは十分に分かっています」
聖女にそんなことを言うのは釈迦に説法だったかな。
「それでは、おやすみなさい。優斗様」
「おやすみなさい」
エイルさんはリビングから二階に上がっていき二階の部屋の扉が閉まる音を聞いた。
お風呂に入ったしご飯も食べた。それでドラマも見てリラックスしていた。だからエイルさんはしっかりと寝れるだろうな。
ドラマを見て興奮が収まらなくて眠れない可能性は無きにしも非ず。
それでも色々とあったから眠れるだろうなー。
今はあの真面目な聖女がゆっくりと休めれるようにしよう。そこから何をするのかはエイルさん次第だ。
とりあえず今はサブスクが見れるようにテレビを作り直せるか確認してみよう。
「ん?」
俺のスマホが震えて着信を示していた。
このスマホには母さんと父さんしかかかってこない。そういう風に設定したからな。
今のところ俺は前の世界で行方不明になっているから母さんと父さんの二人にしか異世界に着ていることを伝えていない。だから数少ない友人にも教えていないし通じないようにしている。
二人以外からかかってこないと思っているからこそ油断して画面を見る。
『不明』
着信主は分からなかった。
そのことに目をむくほど驚いてしまった。
ありえない。迷惑電話などかかってくるはずがない。かかってくるのは絶対に二人だけだ。
……ただ、これが誰なのか分からないが出ないと正体が分からないから出ることにした。
「……はい」
『あ、あの、そちらは優斗様のお電話で間違いないでしょうか……?』
「……はい」
まあ俺のことを知っているのは当然か。
『わたくしは、聖女に加護を授けている女神、パナケアと申します……』
ふわふわとしている声色でそう言うが衝撃だった。
「えっ、エイルさんに加護を与えたあのパナケアさんですか」
『はい……!』
「なんでそんな女神様が俺に電話をかけてきているんですか?」
つかどうやって電話をかけているんだよ。
『その、お礼を言おうかと……』
「お礼? あぁ、エイルさんのことですか?」
『はい。それから、謝罪を』
「謝罪?」
あー、もしかしてここに導いたことか?
『優斗様がいる場所に、わたくしは無断でエイルちゃんを導きました……急ぎだったとは言え、ごめんなさい』
「やっぱり神様ならできるんですね」
『はい、できます』
何か対策を考えていないといけないのかー。
「別にエイルさんのことは構いませんよ。一報は欲しかったですけど」
『ごめんなさい……!』
……なんだかこの神もエイルさんみたいな雰囲気を感じるな。
「もう大丈夫ですよ。ここが神に通じないのは分かりましたから」
今のままではな。
俺の能力の名前は神をも超越する箱庭。神に通じないわけがない。
『ありがとうございます……!』
「次があるかどうかは分かりませんけど、まあ連絡はください」
『必ず……でも、わたくしの地区は、いないかもしれません』
「どういうことですか?」
『その、エイルちゃんの仕打ちを見ていた他の神が、加護を打ち切ると言っているので……』
えっ!? なにそのすごい見たい展開は! ちょっとスマホで見れるようにしよう!
「それは……アイテル聖王国がやばいってことですか」
『……もう、知りません』
あっ、激おこな感じですね。これはさすがに神でも許容できなかったようだ。
「このことはエイルさんに言わないようにする方向でいいですか?」
『はい……エイルちゃんが望まない限りは、言わなくていいです』
「分かりました。それとエイルさんのことは任せてください、しっかりとエイルさんがここから出ていくまではしっかりとサポートしますから」
元からそのつもりだが神にもそう宣言する。
『ふふっ……心配していませんよ……』
ドラマを見終えて満足しているエイルさん。
「異世界の方々はこのようなものを毎日見ているのですね……」
「俺はあまり見ていないですけどね」
「こんなに面白いのにですか!?」
「目が肥えているというのがあります。それに単純にテレビ離れもありますね」
「……異世界の方々はすごいのですね」
信じらないといった顔をしているが、これからエイルさんがテレビを見ていたらこうなる。いやならないか?
ていうかあれだな、サブスクが見れるようにすればドラマとかも見放題だからエイルさん的にはありなのかもしれないが何せお金を払えないからなー。
……あっ、お金を払わなくていいじゃないか。
俺の力で見れるテレビを作れば全く問題ないのか。さすがにスパチャとかは無理だけどインディーゲームでもそれができるように作ればいいんだ。
えっ、できるよな? いやさすがにできるだろ。ここまでなんでもできてこれができませんなんてことはない。
まー、違法視聴な感じは否めないが……そもそも俺は異世界にいるのだからその法律に従う必要はないか!
神様だって見たいと思ったサブスク配信のドラマを違法で見ているはずだから大丈夫だろ。
「ふわぁ……あっ」
俺がそう考えていればエイルさんはかわいいあくびをした。
それを俺に見られて恥ずかしそうにしているエイルさんもかわいい。
「今日は色々とあったから眠たいんですね。もう休んでください」
「はい……そうさせてもらいます」
今日は追放されたり違う世界に来たりして色々と大変だっただろう。今までドラマを楽しんでいたことがかなり異常だったと思う。
「部屋に必要なものはありますか?」
「いえ……あれほど立派なベッドがありますから十分です」
「気軽に必要なものを言ってください。人にとって寝ることは大事ですからね」
「はい、それは十分に分かっています」
聖女にそんなことを言うのは釈迦に説法だったかな。
「それでは、おやすみなさい。優斗様」
「おやすみなさい」
エイルさんはリビングから二階に上がっていき二階の部屋の扉が閉まる音を聞いた。
お風呂に入ったしご飯も食べた。それでドラマも見てリラックスしていた。だからエイルさんはしっかりと寝れるだろうな。
ドラマを見て興奮が収まらなくて眠れない可能性は無きにしも非ず。
それでも色々とあったから眠れるだろうなー。
今はあの真面目な聖女がゆっくりと休めれるようにしよう。そこから何をするのかはエイルさん次第だ。
とりあえず今はサブスクが見れるようにテレビを作り直せるか確認してみよう。
「ん?」
俺のスマホが震えて着信を示していた。
このスマホには母さんと父さんしかかかってこない。そういう風に設定したからな。
今のところ俺は前の世界で行方不明になっているから母さんと父さんの二人にしか異世界に着ていることを伝えていない。だから数少ない友人にも教えていないし通じないようにしている。
二人以外からかかってこないと思っているからこそ油断して画面を見る。
『不明』
着信主は分からなかった。
そのことに目をむくほど驚いてしまった。
ありえない。迷惑電話などかかってくるはずがない。かかってくるのは絶対に二人だけだ。
……ただ、これが誰なのか分からないが出ないと正体が分からないから出ることにした。
「……はい」
『あ、あの、そちらは優斗様のお電話で間違いないでしょうか……?』
「……はい」
まあ俺のことを知っているのは当然か。
『わたくしは、聖女に加護を授けている女神、パナケアと申します……』
ふわふわとしている声色でそう言うが衝撃だった。
「えっ、エイルさんに加護を与えたあのパナケアさんですか」
『はい……!』
「なんでそんな女神様が俺に電話をかけてきているんですか?」
つかどうやって電話をかけているんだよ。
『その、お礼を言おうかと……』
「お礼? あぁ、エイルさんのことですか?」
『はい。それから、謝罪を』
「謝罪?」
あー、もしかしてここに導いたことか?
『優斗様がいる場所に、わたくしは無断でエイルちゃんを導きました……急ぎだったとは言え、ごめんなさい』
「やっぱり神様ならできるんですね」
『はい、できます』
何か対策を考えていないといけないのかー。
「別にエイルさんのことは構いませんよ。一報は欲しかったですけど」
『ごめんなさい……!』
……なんだかこの神もエイルさんみたいな雰囲気を感じるな。
「もう大丈夫ですよ。ここが神に通じないのは分かりましたから」
今のままではな。
俺の能力の名前は神をも超越する箱庭。神に通じないわけがない。
『ありがとうございます……!』
「次があるかどうかは分かりませんけど、まあ連絡はください」
『必ず……でも、わたくしの地区は、いないかもしれません』
「どういうことですか?」
『その、エイルちゃんの仕打ちを見ていた他の神が、加護を打ち切ると言っているので……』
えっ!? なにそのすごい見たい展開は! ちょっとスマホで見れるようにしよう!
「それは……アイテル聖王国がやばいってことですか」
『……もう、知りません』
あっ、激おこな感じですね。これはさすがに神でも許容できなかったようだ。
「このことはエイルさんに言わないようにする方向でいいですか?」
『はい……エイルちゃんが望まない限りは、言わなくていいです』
「分かりました。それとエイルさんのことは任せてください、しっかりとエイルさんがここから出ていくまではしっかりとサポートしますから」
元からそのつもりだが神にもそう宣言する。
『ふふっ……心配していませんよ……』
41
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる