転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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28:ルール

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「エイルさん、そのサキュバスと一緒に家に飛ばします」

 このチートな箱庭では逃げてくださいとかではなくこういう言い方になる。

「いけません優斗様! 私も戦います!」
「大丈夫です。俺はこの空間に限り、最強なんですから」

 ここに入ってくるのは面倒だが、ここに入ってくれば対処が簡単になるのは事実だ。

 だからエイルさんとリリスと呼ばれたサキュバスを実家の前に飛ばした。

 そしてここには俺と侵入者であるイケメンだけになった。

「一応聞いておくぞ、ここには何をしに来た?」
「なんでお前に答えないといけないんだよ……俺は男に興味はねぇんだよ」

 エイルさんとサキュバスがいなくなった途端に機嫌が悪くなる男。

 それよりも俺は早急にやっておくことをやりながら口を開く。

「そうか。それなら今すぐに出ていくのなら命までは勘弁してやるぞ」
「お前が俺を? ……くっ! ぷはははははは!」

 この男が笑ってくれている間にも時間は稼げているから問題はない。

 この世界のことなら何でもわかるしできるが、外のことになると少し時間がかかってしまうからな。

「笑わせんな! お前みたいな加護を持っていない人間のカスが俺に勝てるわけないだろ!」
「普通ならな。だがお前はここに入ってきている時点で負けている」
「は! それなら今からそれを証明してくれよ!」

 侵入者は目にも止まらぬ速さですれ違いざまに俺の顔をふき飛ばす勢いで顔面を殴ってきた。

「ほら、言ったろ」
「何をかっこつけているんだ?」

 俺を殺したと確信したのだろうが俺には一切の傷はない。

「ちぃっ!」

 今度は逃がさないように確実に何発も俺に攻撃してくる。

「なんだ、笑わせたから今度は笑わせてくれるのか?」

 だが俺には何も通じない。

「てめぇ何をした!?」
「当ててみろよ。それともそれも考えられない下半身だけのバカなのか?」
「なめんなぁ!」

 殴る、蹴る、さらに雷の魔法を俺にしてきてまさに嵐のような攻撃だった。

 だがそれでも俺は一切の攻撃を受けない。それどころか広範囲に広がっている攻撃も木にすらダメージを与えれていない。

「ハァ、ハァ……! 幻覚でも見せてんのかよ……!」
「信じられないからと言って幻のせいにするのか。単純な頭でうらやましいよ。ただお前が弱いだけだ」

 その言葉が侵入者の地雷となった。

「ざけんなぁ! 俺はバス王国の王だぞ!」

 王? 王様がこんなところにわざわざ来ているのか?

「ここまでコケにしたお前は簡単には殺さないぞ! あの人間の女を目の前で犯してやるよ! 孕んでいるところを見て死ね!」

 ……はぁ、こいつも俺の地雷を踏みぬいたようだ。

「やってみろよ。いつまでも俺に攻撃を与えれていないお前とは違って、俺はこうしてお前を殺せるんだぞ」
「……は?」

 バス王国の王の体は無数の剣に貫かれていた。

「がっ! ああああああああ!?」

 武器を大量に作っておいてよかった。それに魔族特化の武器も作っておいたからよりよかったと思っている。

「どうだ、魔族殺しの味は」
「ぐぎ……だからかぁ……!」

 全身に剣を貫かれているのにまだ意識があるとは驚きだ。

 ただ魔族殺しは斬られただけでも絶叫する痛みだからこいつはかなり強い部類なのだろう。全身刺されて意識があるんだから。

 そしてこいつにこんなことをしたのはもうやらないといけないことが終わったからだ。

 まさかこんなにも早くに見せしめをすることになるとは思わなかったが、まあ早めにやっておいて損はない。

「あああああぁ!」

 全身に剣を貫かれている状態で侵入者は俺に殴りかかってきた。

 俺の顔にちゃんとヒットした。

「んで、だよぉ! 当たってんだろうがぁ!」
「当たってはいるぞ。ただこの世界では俺にダメージを与えられないようにルールが敷かれている。ただそれだけだ」
「……は?」
「聞こえなかったか? だからもう一度分かりやすく同じことを言ってやる。ここに入った時点でお前の負けだ」

 このチートな箱庭は何でもできる。

 思い通りに、抽象的でも何でも出せて、異世界を超えた通話ができるスマホすら出せる。

 だがこのチートな箱庭の本質は物だけではない。

 この箱庭の気温や季節を変えることができ、植物や木の成長速度を変化させることができるなど、できる範囲は多岐にわたる。

 そんな中で、魔法的なことももちろんできる。

 さっきやった空間転移。これは箱庭内であれば自由自在に飛ぶことができる。

 そしてこの世界の主である力がルール付与。

 料理をしている時に手を切った時があった。その時は『すぐに傷が癒える』というルールを試しに作ってみればすぐに傷が癒えた。

 だから次に『優斗にダメージは入らない』というルールを設定すればあら不思議。料理で傷を作ることがなく、包丁を当てても、転んでも、俺は一切のダメージを受けることがなくなった。

 まさかこういうところで役に立つとは思わなかったけど。

 俺はもう動けないでいる侵入者の頭以外を消滅させた。

 それだけなら絶命するのだが俺が頭だけでも死なせないようにしている。

「は……?」
「一回目の忠告を聞いていれば死なずに済んだのにな」

 俺は侵入者を踏みつける。

「ま、待て! い、今すぐに出ていく!」
「攻撃しておいて通じなかったらハイやめ? ダサいな」
「そ、そうだ! リリス以外にもサキュバスをあてがってやる!」
「それとお前の命が釣り合っているのか? お前王様なんだろ?」

 特に逃がすつもりもないが言葉を返してやる。

「そ、それならバス王国を半分やる! お前と俺で統治をすればいい!」
「そうだな……」

 正直サキュバスがいる国に行ってみたい気持ちは少しある。

 サキュバスと交流したいとかではなくサキュバスが創作作品みたいな感じになっているのかがめっちゃ気になるだけだ。

「ま、お前みたいな下半身でしかものを考えていない下品なやつが統治する国なんて興味ねぇよ」
「ふざ――」

 怒りに染まった侵入者の顔を踏む力を徐々に強める。

「待て! た、助けてくれぇ!」
「みっともない」

 俺が頭を踏み潰したことで侵入者はようやく死を迎えた。

「……特に思うことはないな」

 初めて人? を殺したが……吐き気とか何も感じずにただただ虫を殺した時の達成感しかなかった。

 どこか壊れているのかもしれないが、今はどうでもいいや。
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