転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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「なにこれおいしい……!」

 懲りずにリリスが俺に悪魔の囁きをしていればエイルさんに成敗されるということが何度か続いて冷やし中華は完成した。

 テーブルに並んで座っている俺とエイルさんはお箸で、俺の正面に座っているリリスはフォークで冷やし中華を食べているがリリスはかなり冷やし中華を美味しそうに食べている。

 エイルさんはどうにかお箸を使えるようにしていたが理由は教えてくれなかった。

「王女なんだから美味しいものを食べていたんじゃないのか?」

 俺の王女のイメージともしかしたら違うのかもしれないが金があるんだから高いものを食べていそうだが。

「あたし普通のご飯を全然もらったことないよ」
「は?」

 えっ、どういうこと? こいつ王女なんだよな?

「あたしってこういう体質だからさ、ずっと地下に閉じ込められていたんだよね」
「……悪い」

 なんだかすごく地雷だった。

「別にいいよ。気にしてないしそれを経てこんな天国のような場所にこれたんだから」

 そう言ってものすごく美味しそうに冷やし中華を食べるリリス。

 ……魔族が天国のような場所に喜んでいるとは、なんともまあ変な話だ。

「まだありますからおかわりがいるようでしたら言ってください」
「もらう」

 エイルさんの言葉に即答したリリス。

「……幸せそうに食べるな」
「だっておいしいものを食べるのって幸せでしょー?」
「それもそうだな」

 よく分かっているじゃないかこのサキュバスは。やっぱり普通のサキュバスとは違うのかもしれないな。

 ☆

「んー……お腹いっぱいになったら眠くなってきた……」

 お腹いっぱいで眠たくなるとは欲望に忠実だと言いたくなるがまあさっきまで追われていたんだから仕方がないことだ。

「部屋に案内する」
「お? あたしの部屋があるの?」
「あるに決まっているだろ」
「……そっか」

 また地雷を踏みそうだから俺からは何も聞かないことにする。

「この部屋だ」

 父と母の部屋だったが荷物をアパートに瞬間移動させてから新たにリリス用に家具を設置した。

「おー……こんなふかふかなベッドを使っていいのか?」
「いいぞ。他に必要なものはあるか?」
「なし。極上のベッドがあればじゅうぶーん」

 早速ベッドに飛び込んだリリスはそのまま寝始めた。

「おやすみ。ゆっくり休め」

 聞いてはいないだろうがそういって扉をしめた。

「リリスさんは寝ましたか?」
「ベッドに入るなりすぐに寝ましたね」

 俺を待っていたエイルさんは俺がキッチンへと向かえばついてきて一緒に洗い物や掃除を始める。

 俺としてはお昼を作ってくれたのだから後片付けはしたいのだがエイルさんはそれを譲らず、ついには一緒にすることになった。

「今までは優斗様と私の二人でここに住んでいくのだと思っていました」

 一か月間何もなかったし俺が一人の一年間も誰もいなかったと言っているからそう思うのは当然だ。

 えっ、もしかして嫌だったとか……? そ、それを言われるのはめっちゃ怖いんだけど。二人で住んでいくのは不安だったからリリスさんが来てくれてよかったもやばい。

「ここに入るには神に導かれないといけませんからね」
「はい。……私としては優斗様と二人でずっと暮らしていけたらいいなとは思っていました。ですが、それは欲張りですね。リリスさんみたいに救われるべき存在がいるのですから」

 ……えっ? い、今のは……えっ!? も、もしかしてプロポーズされているのか!?

「え、エイルさん……?」

 俺が手を止めてエイルさんを見れば自分が言ったことをようやく気が付いたのかハッとして俺に視線を向けた。

 そしてカーっと顔を真っ赤にしたエイルさん。

「わ、忘れてください!」

 ど、どっちの意味なんだ!? ただ間違えただけなのかそれとも本心を言ったから恥ずかしいのか。どっちなんだ!?
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