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41:ご褒美
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リリスが来てから二週間が経った。
一人増えたが俺とエイルの生活は特に変わるわけでもない。一人居候が増えただけだし、ご飯の量が一人分増えただけ。それだけの話だ。
いや問題はめちゃくちゃあった。変わるわけでもないというのは嘘だ。
「どこに行くつもりですか? リリスさん?」
「げっ」
こっそりとショッピングモールに行こうとするリリスだがエイルにバレる。
この家は普通の家だからまあ足音で大体わかる。
「お酒飲みたい!」
「ダメです」
「ちょっとだけ! 一本だけでいいからぁ!」
「ダメです。飲みたいのなら仕事をしてください」
「仕事の前に一本だけ……!」
聖女ではなくそこには母親がいた。リリスの言葉に無言の圧でダメだと言っているエイルがいる。
リリスはこうしてコッソリとショッピングモールに行ってお酒を飲もうとしているのだ。
ただエイルはリリスにお酒を禁止にしているわけではなく労働をすればお酒を飲んでもいいよ、という至極まっとうなことを言っている。
だがそれに対してリリスの回答はこうだった。
『えー、まじ?』
どうやらリリスにとって労働は嫌なものだったらしい。まあほとんどの人にとって労働はそういうものだろう。
ただ労働と言っても簡単なものだ。
必要な作物を収穫したり、俺やエイルの畑作りを手伝ったり、そういう簡単なものだ。ガチの農作業を要求しているわけではない。
「しかたないかー……」
一度失敗すればリリスは案外大人しく労働に向かう。ただ二日に一回はこれをしているけど。
まさかリリスがアル中みたいになるとは思わなかったけどなぁ。他にもハンバーガーとかも好きだとは言っているからエイルの手作りハンバーガーを作ったりはしている。
テレビで見たが意外にもハンバーガーというのはバランスのいい食べ物だからな。それを言ったらエイルが腕によりをかけてくれた。
さらに問題はそれだけではない。いや、これは問題というのか? あるべき姿と言えばあるべき姿なのだが……。
とりあえず、リリスの性欲がすごいことになっているということだ。
最初の印象ではリリスは自分に性的に見られることに嫌悪感を抱いていた。今もそれは変わらないと思う。
ただリリスは俺とエイルの仲に入り込んで俺の精液をいただくのがとても好きだ。それが好みの味だということを本人が言っていたからな。
別にリリスはサキュバスとしての本能をなくしたわけではない。ある方向には嫌悪感があるものの、サキュバスとしての本能は未だにリリスを支配している。
それをリリスが気づいた日からそれはまあ俺とエイルがする気がなくてもエイルをそそのかしてエッチに持ち込むということをしてくるんだ。
俺も俺でエイルがいる時はエイルの可愛さにやられて精液を溜めているからリリスにとってはとてつもなく都合がいいのだろう。
たまにだがリリス自身も見てほしそうな顔をしている時がある。
だからサキュバスにある男を誘惑する、という本能も残っているのかもしれない。
まあ今のところ欲望に忠実だからリリスの頭の中は今まで溜まっていた性的欲求を解放するかのようにそれが占めている。
二番目はお酒、三番目は睡眠とダメ人間な空気を感じさせるのはさすがだとは思っている。
「あー、疲れたー」
畑作業を手伝ったリリスはぐったりとしてソファに寝転んだ。
そんなに激しい作業はしていないはずなのにリリスはあたかも一日働いたみたいな雰囲気を出している。
「はい、どうぞ」
だがそんなリリスでも働いたからエイルはリリスにリリスが一番好きな缶ビールを出した。
それを受け取ったリリスはソファから起き上がってすぐに缶ビールのプルタブを起こす。
エイルが一緒に持ってきていたジョッキに缶ビールを注ぎ、泡が立っているのを眺め、ジョッキに口をつけるリリス。
こちらに飲んでいる音が聞こえるほど力強くビールを飲みほし、白いひげをつけたリリスがいた。
「ぷはぁ! 働いた後のビールはさいっこー!」
まだサキュバスの本能に従っている方が動いているだろうに。
まあ好きなものは違うってことか。こういうご褒美があるから労働が輝いて見えるのだろうな。
別に俺とエイルはそういうご褒美とないし生活をするためにやっているだけのことだし。
「もう一杯だけ!」
「ダメです」
「もー! これじゃあ生殺しだってー!」
……本当に大丈夫だろうか、このダメサキュバスは。
一人増えたが俺とエイルの生活は特に変わるわけでもない。一人居候が増えただけだし、ご飯の量が一人分増えただけ。それだけの話だ。
いや問題はめちゃくちゃあった。変わるわけでもないというのは嘘だ。
「どこに行くつもりですか? リリスさん?」
「げっ」
こっそりとショッピングモールに行こうとするリリスだがエイルにバレる。
この家は普通の家だからまあ足音で大体わかる。
「お酒飲みたい!」
「ダメです」
「ちょっとだけ! 一本だけでいいからぁ!」
「ダメです。飲みたいのなら仕事をしてください」
「仕事の前に一本だけ……!」
聖女ではなくそこには母親がいた。リリスの言葉に無言の圧でダメだと言っているエイルがいる。
リリスはこうしてコッソリとショッピングモールに行ってお酒を飲もうとしているのだ。
ただエイルはリリスにお酒を禁止にしているわけではなく労働をすればお酒を飲んでもいいよ、という至極まっとうなことを言っている。
だがそれに対してリリスの回答はこうだった。
『えー、まじ?』
どうやらリリスにとって労働は嫌なものだったらしい。まあほとんどの人にとって労働はそういうものだろう。
ただ労働と言っても簡単なものだ。
必要な作物を収穫したり、俺やエイルの畑作りを手伝ったり、そういう簡単なものだ。ガチの農作業を要求しているわけではない。
「しかたないかー……」
一度失敗すればリリスは案外大人しく労働に向かう。ただ二日に一回はこれをしているけど。
まさかリリスがアル中みたいになるとは思わなかったけどなぁ。他にもハンバーガーとかも好きだとは言っているからエイルの手作りハンバーガーを作ったりはしている。
テレビで見たが意外にもハンバーガーというのはバランスのいい食べ物だからな。それを言ったらエイルが腕によりをかけてくれた。
さらに問題はそれだけではない。いや、これは問題というのか? あるべき姿と言えばあるべき姿なのだが……。
とりあえず、リリスの性欲がすごいことになっているということだ。
最初の印象ではリリスは自分に性的に見られることに嫌悪感を抱いていた。今もそれは変わらないと思う。
ただリリスは俺とエイルの仲に入り込んで俺の精液をいただくのがとても好きだ。それが好みの味だということを本人が言っていたからな。
別にリリスはサキュバスとしての本能をなくしたわけではない。ある方向には嫌悪感があるものの、サキュバスとしての本能は未だにリリスを支配している。
それをリリスが気づいた日からそれはまあ俺とエイルがする気がなくてもエイルをそそのかしてエッチに持ち込むということをしてくるんだ。
俺も俺でエイルがいる時はエイルの可愛さにやられて精液を溜めているからリリスにとってはとてつもなく都合がいいのだろう。
たまにだがリリス自身も見てほしそうな顔をしている時がある。
だからサキュバスにある男を誘惑する、という本能も残っているのかもしれない。
まあ今のところ欲望に忠実だからリリスの頭の中は今まで溜まっていた性的欲求を解放するかのようにそれが占めている。
二番目はお酒、三番目は睡眠とダメ人間な空気を感じさせるのはさすがだとは思っている。
「あー、疲れたー」
畑作業を手伝ったリリスはぐったりとしてソファに寝転んだ。
そんなに激しい作業はしていないはずなのにリリスはあたかも一日働いたみたいな雰囲気を出している。
「はい、どうぞ」
だがそんなリリスでも働いたからエイルはリリスにリリスが一番好きな缶ビールを出した。
それを受け取ったリリスはソファから起き上がってすぐに缶ビールのプルタブを起こす。
エイルが一緒に持ってきていたジョッキに缶ビールを注ぎ、泡が立っているのを眺め、ジョッキに口をつけるリリス。
こちらに飲んでいる音が聞こえるほど力強くビールを飲みほし、白いひげをつけたリリスがいた。
「ぷはぁ! 働いた後のビールはさいっこー!」
まだサキュバスの本能に従っている方が動いているだろうに。
まあ好きなものは違うってことか。こういうご褒美があるから労働が輝いて見えるのだろうな。
別に俺とエイルはそういうご褒美とないし生活をするためにやっているだけのことだし。
「もう一杯だけ!」
「ダメです」
「もー! これじゃあ生殺しだってー!」
……本当に大丈夫だろうか、このダメサキュバスは。
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