転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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44:準備②

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 俺とリリスはリリスの部屋に向かう。

「ここで配信をするのか?」
「ここ以外にある?」
「アパートとか、新しく家を建てるとか、そういうのはするぞ」
「新しい家は機材よりも高くない?」
「生活する分には不自由はさせないだけだ」

 そりゃ新しい家の方が金額だけ見れば高くはなるがそれとこれとは違う話だ。

「あたしはここにするよ。この家が好きだし、新しい家を建てたらエイルの畑がなくなるから」

 へぇ、そういうところはちゃんと考えているのか。

 いやまあエイルとリリスはお酒のことが絡めば攻防が始まるが、それ以外は仲がいいからな。そういうことを考えていてもおかしくはない。

「それに部屋で配信した方がすぐに寝れるじゃん」
「それが理由だろ」

 部屋でやるのならもしもの時がないように配信の切り忘れとか、そういうのを見ておかないといけないな。

「それで部屋に来て何するの?」
「部屋の模様替えだ。いや、部屋を作り変えると言った方が正しいか」

 このチートな箱庭には何でもできる。

 そしてこのチートな箱庭に果てはない。

 無限に広がるこの場所は空間すらも容易に変えることができる。

 やろうと思えば宇宙を創ることだってできる。

 何が言いたいかと言えば、この部屋でも空間を捻じ曲げて広くすることができるということだ。

 この空間の認識する大きさは俺が作り出しているに過ぎないのだからそこを変えることだって可能だ。

 この家ではすでに捻じ曲げている部分がある。

 俺の部屋とエイルの部屋はそうなっている。エイルの部屋は大量の本を収納しておくにはあの部屋では足りなかったからクローゼットが巨大な空間になっている。

 それなら図書館なんていらなかっただろって話だけどね。

「リリス、どんな部屋にしたいのか考えてくれ」
「どんな部屋って、なにが?」
「内装の話だ。部屋の雰囲気のことだな」
「そういうことね。うーん、サキュバスっぽい雰囲気?」

 まんまだし俺に丸投げしすぎだ。

「あっ、でもベッドはこのままフカフカの方がいい。それからキンキンのお酒を入れておくための冷蔵庫も欲しい」
「それ生活する分の要望だろ。……まあ、俺が適当にしておく」
「それでお願いねー」

 これだと俺がマネージャーになりかねないな……。まあそこの手助けは構わないけど。

 俺も特に詳しくは考えない。ただサキュバスっぽい雰囲気になるような部屋に模様替えしようとすれば見事にサキュバスっぽい雰囲気の部屋ができた。

「おー、それっぽいねー」

 部屋は紫を基調としている色っぽい雰囲気を出している。

 それに部屋に置かれているクッションや小物も卑猥なものがあったりして見る側からすればサキュバスみたいな部屋だと思わされる。

「それでこの服って?」

 ベッドの上には服が置かれていた。

 しかもその服はサキュバスが着るような布面積が少ないエッチな服だった。ちゃんとしっぽが通る場所も空いているのがポイント高い。

「配信用の服だな。ついでに出しておいた」
「これいる? 下着姿でよくない?」
「ふっ、何も分かっていないな」
「ほぉ、何か聞かせてもらおうじゃないか」
「ただパンツを見る、ただ下着を見る、それは画面越しでは何ら想像を掻き立てられない。エッチな恰好だからこそ、そこに想像の余地があったり妄想が捗るというものだ。そこら辺を分かっていないとお酒はいっぱい飲めないぞ」
「ふーん……そういうものか」

 まあモノホンのサキュバスには分かりづらいことか。

「とりあえずこれでやってみるよ。髪型も少し凝ってみる」
「あぁ、そこら辺は考えてみるといい」

 どう人気になるか、そう考えるのもいい時間になるだろう。

「エイルにも聞いてみよー」
「そうだな」

 エイルに聞いたとしてもあまりいい答えは出ないとは思う。そういうことには無縁の世界で生きていたし今もそれよりも勉強の方が楽しそうだからな。

「じゃあ最後に機材を置くぞ」

 ちょうど空いている場所が配信機材を置く場所になっている。

 そこにハイスペックを通り越してウルトラスペックのパソコンと配信機材を配置した。

「おー、それっぽくなった」

 配信機材を設置するにあたり、マイクとかの配信機材の保管などをリリスにやらせようかと思った。

 だが、こんな世界にいるのだからそういうことはやめた方がいいかと踏みとどまった。

 あくどいことを考えるとすれば、ちゃんと管理しなければマイクは壊れてしまう。それをリリスはちゃんとしないと思うからマイクを壊し、借金を増やしてお酒を一本よりも多く飲まさないようにはできる。

 さすがにやめたけど。

「それでいくら?」
「まあ……百万円だな」
「……えっ、まじで?」
「なんだ安かったか? それなら三百万円にするか」
「そんなわけないだろ!」

 お酒がかかわっているから声を張るリリス。

「高くない?」
「いやそんなことないぞ。これでも安くしている」

 初期に普通に配信機材を揃えるだけなら百万は行かない。だけど高いものと言われたんだからそれ以上はするし百万円では済まない。

「それとももう少し安い機材にしておくか?」
「……いや、これにする。これで百万円を速攻で稼いでやる!」
「志が高くて何よりだ」

 こうやってリリスにも生きがいというものができるのならいいことだ。
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