転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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46:配信後

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 リリスの一時間ほどの自己紹介配信は大成功に終わった。

 俺が裏技を仕掛けたが、それ以上に話題になり俺の裏技はきっかけに過ぎなかった。

 リリスの同接は五千人と最初で個人としては最高の出だしになった。

 ただまあその分BANに警戒をしておかないといけないわけだが……BANされてから動くよりも早めに動いておいた方がいいか。

 俺の裏技はここで作った<ぼくのかんがえたさいきょうのでんのうおう>を使い、こちらから向こうのネットワークをアクセス。

 そしてリリスに興味がありそうな人をピックアップしておすすめにリリスの配信を上げるというものをした。

 この電脳王を使ってリリスのアカウントをBANさせないようにする。まあクラッキングだな。

 それをしていた方が後手に回らなくていいから……やっておくか。

「すごかったですね。五千人にリリスさんを見ていたのですね!」

 配信の内容はともかくとしてもリリスが見られていることに安堵しているエイル。

 この裏技については話すつもりはないからエイルに合わせておく。

「あぁ、これだけ見られているのなら十分だな」
「あまりたくさんお酒を飲んでほしくはありませんが、仕方がありませんね」
「その辺はまだ大丈夫だ。収益化も通っていないからまだお金は稼げていないぞ」
「そうなのですか? あんなにも見られていたのにそうなのですね……」

 まあすぐに通ると思うが最初だからな。

 収益化が通るまではなにもしないが収益化が停止にならないように電脳王を監視させておこう。

「あー、つかれたー」

 二階からリリスが降りてきた。てっきりそのまま寝るのかと思った。

「お疲れリリス」
「配信を見ていましたけどすごかったです。複数の人とお話ができるのですから」
「あんなの気持ち悪い豚だらけじゃん」
「ぶ、豚ですか……?」
「そー。どうせ会ったら気持ち悪い視線を向けてくるでしょ」

 まあリリスの言うことは間違いではないし俺もそう思っている。

 俺は可愛い系の配信者を見ていたわけではないからそういう偏見が強い。しかもそいつらが変な主張をするから気持ち悪さに拍車をかけているような気がする。

「それなら配信をして大丈夫なのか?」
「大丈夫。だって画面を見てシコるだけしかできないなんて滑稽だよね」
「それもそうだな」
「せっかく見てくれた人たちにそのようなことを思っていいのでしょうか……?」
「じゃあさ、エイルに優斗という素敵な夫がいるにもかかわらずエイルが配信している時に求婚してくるやつをどう思う?」
「そ、そんなことをする人がいるのですか?」
「普通にいるよ。それがネット」
「……ふ、不思議な世界ですね……」

 ネットという魔境に足を踏み入れるというのはそれだけの覚悟がいるからな。

 魔境の民を相手にするにはリリスのスタンスがちょうどいいだろ。

「さーて、頑張ったしいっぱいお酒のむー」
「いっぱいは飲めないぞ。一つだけだ」
「え」
「まだ収益化していないだろ。稼いだお金で飲むって言っていたんだからまだだな」
「……え」

 俺の言っていることを聞いて絶望する顔を見せるリリス。

「じ、じゃああたしはあのキモオタたちと会話してお酒一つで済ませるってこと!?」
「最初はそうだろ。まあ収益化が通ったりスパチャも解禁されたら飲める量もたくさんになるだろうな」
「……もう一つの条件だったらどうなってた?」

 リリスの『異世界サキュバス リリス』のチャンネル登録者数はすでに三千人を越えていた。

「チャンネル登録者数百人ごとに一本だから、三十本は飲めたな」
「さ、三十本……そんなの天国じゃん……」

 魔族が天国と言っていることに面白さを感じるな。

「い、今から変えることはできますか……?」
「無理だな。収益化が通るまで我慢することだな」
「あー……どうして稼いだお金にしたんだ……!」

 めっちゃ後悔しているリリスにエイルが話しかける。

「落ち込まないでください。きっとここを乗り切ればいっぱい飲めるようになりますよ。一本でも満足できるように最高のお酒の肴を用意しますね」
「……うん」

 エイルの言う通りここを通りすぎればいっぱい飲めるようになるんだ。それまで頑張れば仕事を頑張っていると堂々と言えるな。

 エイルに続いてリリスもキッチンに向かったところで俺のスマホに着信が入った。

「……またか」

 パナケアとフレイヤから連絡が来たとしても分かるようにしてある。

 だが今回の着信は不明になっているから二人とは違う神だと分かる。

 でもここには誰も来ていないのに着信が先に来たことに違和感を覚えつつも俺は応答する。

「はい」
『あっ、繋がってよかったー。優斗くんでいいよね?』
「はい、そうです。そっちは誰ですか?」
『僕は正義の女神、アストレア。君にお願いがあって連絡したよ』

 女神が僕っ子とは少し癖に刺さりそう。ただ面倒ごとなのは間違いないけど。
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