転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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54:準備

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 テミスさんに許可をもらって俺たち三人でカノナス領地に向かうことになった。

 そのために万全な準備を整えないといけなかった。

「俺は外では弱いからしっかりと準備しておかないと」

 ここでば全能的な立ち位置である俺だが一歩外に出ればそうではなくなる。

「それほど魔力があれば弱くはならないと思いますが」
「俺は魔力の使い方がこの箱庭以外だと分からないからなー」
「こんなものを作れても魔力の扱い方はできないんだ」

 俺たちの前には俺が作り出した武器や装備品が置かれていた。

 まずカノナス領地に入るために必須なのは魔神病から身を守るためのもの。

 それは完治したテミスさんでも必要なものであるから絶対に用意しなければいけないものだ。

 俺は腕輪型の魔道具『拒絶の腕輪』を作り出した。

 これは病気や魔法、はたまた物理攻撃すらすべての外的効果を受け付けなくなる腕輪だ。回復魔法すらだ。

 ただこの拒絶の腕輪を持っている同士ならその限りではなくなる。だから俺たち四人はお互いにダメージを与えることができる。

 それから元々あった加護はその限りではない。

「……すごいわね、この腕輪」

 拒絶の腕輪を見ながら絶賛するテミスさん。

「テミスさんから見てもそうですか?」

 俺はここにあるものしか知らないが神殺しができる武器が作れるからそれが強いと思っているが、客観的な意見は欲しいものだ。

「当り前よ。こんなもの売ろうとしたら城一つ買えるわ」
「おぉ、それはすごいですね」

 ぶっちゃけそんなことを言われても興味がない。

 このチートな箱庭でほしいものは大体手に入るし何なら金すらも作り出すことができる。だからお金になるとしても興味がない。

「その言い方は気に食わないわね。まるでそんなお金いらないみたいな言い方ね」
「実際そうですよ。ここでは何でも作ることができるのでお金なんてどうでもいいんですよ」
「え、ほ、本当に何でも作れるの……?」
「大体は作れますよ。さすがに人間は作れませんけど」

 たぶん人間も作れる。でもそんな業を背負いたくはないからやらないけど。

「へ、へー……」

 うわぁ、なんかめっちゃお願いしたい顔だなぁ。

 でも今は魔神病が蔓延しているカノナス領地に行くことが優先だからな。他にも魔道具を作っておかないといけない。

 テミスさんはたぶんアストレアから加護を受けているとは思うから俺を除く三人は加護持ちということになる。

 前に聞いた話だと加護持ちは加護持ちでしか戦うことができないと聞いた。

 だから外に出た俺はこの三人よりもかなり劣っていることになる。

 ……やっぱりロマンを求めていくか。俺の戦闘能力が低いのならそれを補う防具を作ればいいだけの話だ。

 しかも外に出たとしてもこの箱庭とつながっているからそこから武器をいくらでも射出して殲滅することができる。ただ箱庭の中にいた方が俺は強いという話だ。

 心配だから色々な武器を作っておく。俺が色々と思い浮かべるだけで俺の知らない種族に特攻の武器や個人に対して特攻の武器すら作り出すことすら可能だ。

 数多の武器の創造と同時に俺専用の装着型武器を作る。

「エイルとリリスは何か作ってほしいものはあるか?」

 加護持ちとは言え追われてきている身だから強いわけではないだろうからそう聞く。

 戦いに行くわけではないから強くする必要はないんだけど。

「私はこの腕輪だけで十分です。何かあればみなさんを回復します」
「そうか。それならエイルのことは俺が守る」
「はい!」

 エイルの嬉しそうな顔はいつ見ても綺麗だ。

「あっ、それならあたしはカメラがほしー」
「動画のネタにするつもりか?」
「そうだよ。ストックはいくらあっても足りなさそうじゃん。それに一気にやって一気にぐーたらしたいし」
「分かった。カメラとあとサキュバスだとバレないようにするための魔道具だな」
「そうだね」

 サキュバスだとバレない魔道具は簡単だ。

 普通の女性に見えるようにする機能とサキュバスの能力をリリスの意思がない限り表には出ない機能が付いた眼鏡を作る。

「できたぞ」
「おー、どう? 知的に見える?」
「それを言うやつは大体知的には見えないだろうな」

 眼鏡をかけて満足している様子のリリス。

 あとはカメラだ。

 どうせ作るなら普通のカメラを作っても面白くはないだろう。

「普通のカメラか、自分の思うままに動かせて変形できるカメラ。どっちがいい? ちなみにもれなく高性能でタダだ」
「そんなの後者一択でしょ。カメラ持ちたくないし」
「了解」

 俺はリリス専用のカメラを創造した。

 俺の手にはソフトボールほどの大きさの鉄の塊があった。

「できたぞ」
「これが……?」

 リリスがそれを持てば自動でカメラの所有者として登録された。

「もう登録されたから説明が始まる」
「え」

 カメラには一つの目が開き音声が出てくる。

『はじめまして、リリス様。私は優斗様より生み出された自立式自在変形カメラの<アラギ>と申します』
「どーも」
『それでは簡単に私の機能を説明いたします。まずリリス様からテレパシーを受ければ私がどこを撮影したらいいのかを理解します』
「声にしなくてもいいんだ」
『はい、その通りです。さらに自然に紛れれるように変形することも可能です。このように』

 アラギは丸い球からスズメに変化してリリスの肩に乗る。

「へー、それなら周りから怪しまれることがないね」
『はい。さらにこの状態ですと他の動物との会話も可能となっております』
「それいる?」
「あっても問題ないだろ?」

 俺に聞いてきたからそう答えた。

『異常が大まかな説明となっております。それでは失礼します』

 説明が終わったことでアラギは球体状態に戻った。

「……すごすぎてどう反応したらいいのか分からないな」
「難しく考える必要はない。ただ撮りたいものを撮ればいいだけだ」
「そうだね、分かった」
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