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王立能力学園・金級ハンター編
166 サンタさん、制服を着る
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馬車が到着すると、執事のエイモスさんが出てきて対応してくれた。
「これはサンタナリア様、お帰りなさいませ」
「ご苦労様ですエイモスさん。急ぎで王太子様にお会いしなきゃいけなくなったから、カーレイル叔父さんを応接室に、ポートさんには至急馬車の準備を頼んでもらえるかな?」
「承知しました」
そう答えたエイモスさんは、私を応接室に案内して2人を呼びに行ってくれた。
今回はお爺様に話せることは少ない。アルバの町のことは言わない方がいいだろう。言えば戦争に口出しするなと、間違いなく言われるはずだ。う~ん。
「早かったなサンタナリア。どうじゃ、良い素材は獲れたか?」
「うん、バッチリよ。お土産の魔術具もあるからね」
にこにこしながら現れたお爺様は、ハンター姿の私を見て嬉しそうだ。
豪華なドレス姿の侯爵より、ハンター姿の方が私らしいもんね。
新ロードの側道でゲットした小型魔術具を1つテーブルの上に出し、高度文明紀後期文字で【穴あけ機】と書いてあるよと説明する。
「ご主人様、モエナ支部の様子はどうでしたか? ロードのゴールまで行かれましたか?」
バタバタと急ぐような足音がして、カーレイル叔父さんがノックと同時に部屋に入って来た。
お爺様には詳しい話をしていないから、カーレイル叔父さんも問題のない範囲で質問してくる。
「しっかり確認してきたよ。心配はないみたい。ただ、急ぎで王太子様か公爵様に会って話す案件があるから、30分後にはモエナ伯爵領に向かいたいの」
「なんじゃ、折角戻ってきたのに直ぐに出るのか?」
「ごめんねお爺様。今は特別休暇中だから時間を有効に使いたいんだ」
目の前の魔術具を早く見たくてたまらないって顔をしているお爺様に、にっこり笑いながら旅立つことを伝える。
カーレイル叔父さんが準備のため部屋を出たので、私も客間に行って着替えをする。ドレスじゃないよ、王立能力学園の制服に着替えるんだよ。
もしもクソババア親子に会ったら、ドレスや身分じゃなくて制服で見返せるって気付いた。侯爵だって言う必要はない。
そのくらいの仕返しで充分。仲良くする気なんてないし、もう会う気もない。
なんて思いながら着替えて応接室に戻ったら、居たよ。
派手なドレスで着飾り、大きな顔で見下す準備をして座ってたよ。
クソババアとナリスティアが・・・上座で。
……ああ、侯爵である私に挨拶するため正装したんだ・・・んな訳あるかー!
「あら、男爵になったと聞いていたけど、制服なの? ドレスを買うお金もないのかしら?」
……あれ? お爺様は私が子爵になったって言ってないんだ。いや、アイガー伯父さんが故意に言ってないのかも。
「お母さま、そんなことを言ったら可哀そうよ。制服だって頑張って買った・・・はあ? 何その制服。なんでアンタみたいなバカが王立能力学園の制服着てるのよ!」
玉の輿を狙っている金持ち大好きのナリスティアだけあって、王立能力学園の制服はやっぱりチェックしてたか。フフ、まあ当然だよね。
「なんでって、受験して合格したからに決まってるじゃない。兄さまも一緒に受験して合格してるわ。
最年少合格らしいけど、中位・魔術師にも合格してるから当然ね」
どうだー!って感じじゃなく、淡々と感情の籠らない口調で言う。
「な、な、なんでよー! あんたなんか、バカで間抜けなのに魔術師ですって! そんな嘘が通用すると思ってるのー!」
……あぁ、いい感じにナリスティアが壊れていくわね。
「そうよ、アナタの職業は役に立たない【過去】でしょう? 魔術師になれる訳がないわ! なんてウソつきなのかしら。フン、親の躾が悪いのね」
……相変わらず母様に負けたくないんだ。フフフ、完全に負けてるけど。
「確かに職業選別では【過去】を授かったけど、外れじゃなかったわ。だって中位・魔術師にも最年少で合格したし、高位職だもの。
ごめんなさい、騙すつもりじゃなかったんだけど。殺されたくなかったから」
フハハハハ、ここでにっこりと微笑むのが正解。
……まあ、信じようが信じまいがどうでもいい。ナリスティアの悔しそうな顔が見れたからね。
「お待たせしました侯爵様。馬車の用意ができました」
おっと、ここでノックをして入って来たポートさんが、身分をバラシてしまったわ。確か馬車は別の場所に置いていたはずなのに早かったわね。
「お待たせしましたご主人様。アロー公爵様にお会いになるなら、出来るだけ早く出発いたしましょう」
今度はカーレイル叔父さんが、高位貴族家用の警備隊長服でやって来て、これ見よがしに頭を下げるなんて・・・さては、部屋の外で会話を聞いていたわね。
まあ、あれだけ大声でナリスティアが喚いたら聞こえるかぁ・・・
お爺様が渋ーい顔をして、困惑した顔のクソババアと、怒りで顔を歪めて醜くなってるナリスティアを見るけど、知ーらない。
「そうね。王太子様にも報告があるわ。急ぎましょう警備隊長」
ここは折角だから、カーレイル叔父さんとポートさんの演技?に合わせて、侯爵として出発しよう。
「ちょっと待ちなさいよ!」って、ナリスティアの声が聞こえるけど無視。
「どういうことですの義父さま!」って、クソババアのキンキン声も聞こえる。
玄関まで出ると、執事のエイモスさんとお婆様が馬車の前で待っていた。
光猫のシリスは、定位置の馬車の上で伸びをしている。
「王立能力学園の制服よく似合うわサンタナリア。今度は私が王都に遊びに行ってもいいかしら?」
「勿論よお婆様。アイガー伯父さん家族は立ち入り禁止だけど、お爺様とお婆様は大歓迎よ。お母さまも兄さまも、きっと会いたがってるわ」
私はお婆様の手を取って、来る時は手紙を頂戴ねとお願いして馬車に乗り込む。
クソババアはお爺様と何やら口論しながらやって来て、王子から貰った無駄に豪華な馬車を見て立ち止まった。
そして信じられないという顔をして、その場によろよろと倒れるように膝をついてしまった。
カーレイル叔父さんも馬車に乗り込み、窓を開けてお婆様に「また」と言って軽く手を振るから、私も笑って手を振った。
「噓よ~! うちより豪華な馬車なんてあり得ないー!」
ナリスティアの叫びが聞こえた。
……よし、勝った。
「これはサンタナリア様、お帰りなさいませ」
「ご苦労様ですエイモスさん。急ぎで王太子様にお会いしなきゃいけなくなったから、カーレイル叔父さんを応接室に、ポートさんには至急馬車の準備を頼んでもらえるかな?」
「承知しました」
そう答えたエイモスさんは、私を応接室に案内して2人を呼びに行ってくれた。
今回はお爺様に話せることは少ない。アルバの町のことは言わない方がいいだろう。言えば戦争に口出しするなと、間違いなく言われるはずだ。う~ん。
「早かったなサンタナリア。どうじゃ、良い素材は獲れたか?」
「うん、バッチリよ。お土産の魔術具もあるからね」
にこにこしながら現れたお爺様は、ハンター姿の私を見て嬉しそうだ。
豪華なドレス姿の侯爵より、ハンター姿の方が私らしいもんね。
新ロードの側道でゲットした小型魔術具を1つテーブルの上に出し、高度文明紀後期文字で【穴あけ機】と書いてあるよと説明する。
「ご主人様、モエナ支部の様子はどうでしたか? ロードのゴールまで行かれましたか?」
バタバタと急ぐような足音がして、カーレイル叔父さんがノックと同時に部屋に入って来た。
お爺様には詳しい話をしていないから、カーレイル叔父さんも問題のない範囲で質問してくる。
「しっかり確認してきたよ。心配はないみたい。ただ、急ぎで王太子様か公爵様に会って話す案件があるから、30分後にはモエナ伯爵領に向かいたいの」
「なんじゃ、折角戻ってきたのに直ぐに出るのか?」
「ごめんねお爺様。今は特別休暇中だから時間を有効に使いたいんだ」
目の前の魔術具を早く見たくてたまらないって顔をしているお爺様に、にっこり笑いながら旅立つことを伝える。
カーレイル叔父さんが準備のため部屋を出たので、私も客間に行って着替えをする。ドレスじゃないよ、王立能力学園の制服に着替えるんだよ。
もしもクソババア親子に会ったら、ドレスや身分じゃなくて制服で見返せるって気付いた。侯爵だって言う必要はない。
そのくらいの仕返しで充分。仲良くする気なんてないし、もう会う気もない。
なんて思いながら着替えて応接室に戻ったら、居たよ。
派手なドレスで着飾り、大きな顔で見下す準備をして座ってたよ。
クソババアとナリスティアが・・・上座で。
……ああ、侯爵である私に挨拶するため正装したんだ・・・んな訳あるかー!
「あら、男爵になったと聞いていたけど、制服なの? ドレスを買うお金もないのかしら?」
……あれ? お爺様は私が子爵になったって言ってないんだ。いや、アイガー伯父さんが故意に言ってないのかも。
「お母さま、そんなことを言ったら可哀そうよ。制服だって頑張って買った・・・はあ? 何その制服。なんでアンタみたいなバカが王立能力学園の制服着てるのよ!」
玉の輿を狙っている金持ち大好きのナリスティアだけあって、王立能力学園の制服はやっぱりチェックしてたか。フフ、まあ当然だよね。
「なんでって、受験して合格したからに決まってるじゃない。兄さまも一緒に受験して合格してるわ。
最年少合格らしいけど、中位・魔術師にも合格してるから当然ね」
どうだー!って感じじゃなく、淡々と感情の籠らない口調で言う。
「な、な、なんでよー! あんたなんか、バカで間抜けなのに魔術師ですって! そんな嘘が通用すると思ってるのー!」
……あぁ、いい感じにナリスティアが壊れていくわね。
「そうよ、アナタの職業は役に立たない【過去】でしょう? 魔術師になれる訳がないわ! なんてウソつきなのかしら。フン、親の躾が悪いのね」
……相変わらず母様に負けたくないんだ。フフフ、完全に負けてるけど。
「確かに職業選別では【過去】を授かったけど、外れじゃなかったわ。だって中位・魔術師にも最年少で合格したし、高位職だもの。
ごめんなさい、騙すつもりじゃなかったんだけど。殺されたくなかったから」
フハハハハ、ここでにっこりと微笑むのが正解。
……まあ、信じようが信じまいがどうでもいい。ナリスティアの悔しそうな顔が見れたからね。
「お待たせしました侯爵様。馬車の用意ができました」
おっと、ここでノックをして入って来たポートさんが、身分をバラシてしまったわ。確か馬車は別の場所に置いていたはずなのに早かったわね。
「お待たせしましたご主人様。アロー公爵様にお会いになるなら、出来るだけ早く出発いたしましょう」
今度はカーレイル叔父さんが、高位貴族家用の警備隊長服でやって来て、これ見よがしに頭を下げるなんて・・・さては、部屋の外で会話を聞いていたわね。
まあ、あれだけ大声でナリスティアが喚いたら聞こえるかぁ・・・
お爺様が渋ーい顔をして、困惑した顔のクソババアと、怒りで顔を歪めて醜くなってるナリスティアを見るけど、知ーらない。
「そうね。王太子様にも報告があるわ。急ぎましょう警備隊長」
ここは折角だから、カーレイル叔父さんとポートさんの演技?に合わせて、侯爵として出発しよう。
「ちょっと待ちなさいよ!」って、ナリスティアの声が聞こえるけど無視。
「どういうことですの義父さま!」って、クソババアのキンキン声も聞こえる。
玄関まで出ると、執事のエイモスさんとお婆様が馬車の前で待っていた。
光猫のシリスは、定位置の馬車の上で伸びをしている。
「王立能力学園の制服よく似合うわサンタナリア。今度は私が王都に遊びに行ってもいいかしら?」
「勿論よお婆様。アイガー伯父さん家族は立ち入り禁止だけど、お爺様とお婆様は大歓迎よ。お母さまも兄さまも、きっと会いたがってるわ」
私はお婆様の手を取って、来る時は手紙を頂戴ねとお願いして馬車に乗り込む。
クソババアはお爺様と何やら口論しながらやって来て、王子から貰った無駄に豪華な馬車を見て立ち止まった。
そして信じられないという顔をして、その場によろよろと倒れるように膝をついてしまった。
カーレイル叔父さんも馬車に乗り込み、窓を開けてお婆様に「また」と言って軽く手を振るから、私も笑って手を振った。
「噓よ~! うちより豪華な馬車なんてあり得ないー!」
ナリスティアの叫びが聞こえた。
……よし、勝った。
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