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王立能力学園・金級ハンター編
167 金級ハンターサンタさん動く(1)
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馬車で8時間。モエナ伯爵領の領都に到着した時には既に日が暮れており、急いでホテルを探したけど何処も空室がなかった。
今は各領地から男爵家以上の領主やその子息が、国王の招集によりに集まっていて、高級なホテルにはその人たちが泊まっている。
……これは本部に行かなきゃ寝る場所も確保できないなぁ・・・
領都モエナには軍本部が置かれているから、各領地から届く食料の荷車や軍事物資の荷車、派遣されてきた兵士たちが溢れてごった返している。
最前線基地だったら貴族でもテントで寝泊まりしているだろうけど、此処は命の危険があるわけでもないから、緊張感や緊迫感は然程ないみたい。
……さて、本部は何処だろう?
御者をしているポートさんが、道行く兵士に質問してくれた結果、どうやら本部はモエナ伯爵屋敷の直ぐ近くにあるらしい。
夜間でも小高い場所にある領主屋敷は、松明が焚かれているからかよく見えた。
泊る場所がなければ最悪馬車に泊ればいいし、ハンター用のテントも簡易ベッドも完備しているから、安全な場所を確保できれば問題ない。
で、やってきました軍作戦本部。
通行を管理していたのはモエナ伯爵領の領兵で、子爵家当主の身分証と豪華な馬車が功を奏して、邪険にされることなく本部の近くまで通して貰えた。
「お疲れ様です」と頭を抱えているアロー公爵に声を掛ける。
「なんだこの子供は?!」と、側にいた貴族が怪訝そうに私を見て言う。
「はあ? 上級・魔術師のマントだと?」と、同じく魔術師のマントを着た貴族が私を睨む。
「おや? どうされたんですか大賢者様?」
今着ているエバル教授から貰ったローブは、私が大賢者として人前に出る時の衣装だと知っていた公爵は、最初から私を大賢者として扱ってくれる。
「はい、ハッシュ辺境伯領の古代都市ロルツの南ゲートが、ザルツ帝国に占拠された件についてご相談があって来ました公爵さま」
公爵の回りに居たのは、恐らく各領地の領主や軍の関係者だと思うけど、大賢者である私の容貌を知っている者は居なかった。
驚いた顔で私を見ながら「大賢者だと!」と口にした領主たちは、本当ですかと問うような視線をアロー公爵に向ける。
「大賢者様は、現在王立能力学園の学生をしながら、魔術師学部・工学部・鑑定士学部の講師をされている。
今回領地奪還のために息子ホバルが使用した魔術具も、大容量の空間拡張バッグも全て、大賢者様のご尽力のお陰て使用可能になったものだ。
国王と同等位にある大賢者様に、失礼な態度をとることは王様と私が許さない」
如何にも場違いな子供の私を、最大限に持ち上げてくれるとは意外だったけど、私に会えて嬉しそうなアロー公爵の顔と発言を聞いて、ちょっと嫌な予感がする。
「上級魔法使いで大賢者のサンタナリア・ギウステ・ガイアスラー侯爵です。皆さんよろしく」
折角持ち上げてくれたから、ここは大賢者らしく挨拶をしとこう。
私の挨拶に続いて、作戦本部に居た8人の人たちも名乗ってくれる。
予想通り公爵が1人と侯爵家の嫡男が2人、伯爵家当主が2人と嫡男が1人、そして軍の指揮官2人という錚々たるメンバーだった。
「マリネラ侯爵家嫡男のドレイプと申します。弟のセイエスから、エルドラ王子や大賢者様と一緒にイオナロードの聖なる地へ行ったと報告を受けています。
確かあの時、アロー公爵家のアンタレス君と一緒に、アースドラゴンを討伐されたのですよね。私がお預かりしているこの空間拡張バッグが、その時のアースドラゴン素材だと聞いています」
爽やか系好青年のマリネラ侯爵家の嫡男23歳は、エルドラ王子の側近候補である騎士学科のセイエス先輩のお兄さんだった。
「これはセイエス先輩のお兄さま。先輩にはお世話になっています。確かにお持ちの空間拡張バッグはアースドラゴン素材ですね。使うのに魔力が結構必要でしょう?」
「はい、最近ようやく10センチのカラ魔核に魔力充填できるようになりました。
私は上位・魔術師なのです。私にも魔法を伝授して頂ける機会があれば、是非にお声掛け頂きたい。魔術師協会の先輩方が魔法自慢されるのが悔しくて悔しくて」
……セイエス先輩のお兄さんは、上位・魔術師だったんだ。しかも10センチのカラ魔核に魔力充填できる逸材だったとは。
「それでは、これから私が考える作戦に参加していただけるなら、無料でお教えしましょう。フフ、でも、アロー公爵様や王太子様の許可が出たらですけど」
「それなら私も是非! 私も8センチのカラ魔核になら魔力充填できます」
さっき私を睨んでいた上位・魔術師のローブを着ていた男性、モエナ伯爵家の嫡男ヘンリー28歳も手を上げる。
彼は爽やかとは違うゴッツイ系青年だけど、魔術師のローブを着てるから、今回は魔術師として参戦してるんだろうな。笑うと意外と可愛い。
……成る程、王都に住んでいない魔術師は、私の講義に参加できなかったんだ。
「ゴホン、その許可は、王太子様が戻られて作戦を聞いてからでないと出せない。サンタさん、今度はいったい何をするつもりですか?」
何をやらかすつもりだ?って顔をして、私を見るのはどうなのアロー公爵?
「つい先日、ハッシュ辺境伯領の南ゲートの様子を、探ることに成功しました。
ハンターのみならず、町の大人や子供までが、古代都市ロルツのロードで採掘させられ、わずか200くらいの軍人に、我が国の民が虐げられていました。
奴等の進攻の目的の中に、古代魔術具の採掘が含まれていることは明らかです」
「なんですと!」と、数人の声が揃った。
「しかもザルツ帝国は、死の谷に生息する地底生物や獣から、多くの魔核を採取できるため、もしも戦争に有用な魔術具なんて物を奪われたら、戦況は大きく変わることになります。魔核が大量に取れるんですよ。脅威でしょう?」
なんて説明をしていたら、夕食を終えた王太子がやって来た。
お腹が空いた私は、王太子とアロー公爵、そして私の作戦に同行したいと手を上げた2人の青年と、カーレイル叔父とポートさん、シリスと一緒に、食堂のあるモエナ伯爵屋敷に会議の場を移すことにした。
「それでは、最強ハンター南ゲート奪還作戦の説明をします」
「はあ?」
今は各領地から男爵家以上の領主やその子息が、国王の招集によりに集まっていて、高級なホテルにはその人たちが泊まっている。
……これは本部に行かなきゃ寝る場所も確保できないなぁ・・・
領都モエナには軍本部が置かれているから、各領地から届く食料の荷車や軍事物資の荷車、派遣されてきた兵士たちが溢れてごった返している。
最前線基地だったら貴族でもテントで寝泊まりしているだろうけど、此処は命の危険があるわけでもないから、緊張感や緊迫感は然程ないみたい。
……さて、本部は何処だろう?
御者をしているポートさんが、道行く兵士に質問してくれた結果、どうやら本部はモエナ伯爵屋敷の直ぐ近くにあるらしい。
夜間でも小高い場所にある領主屋敷は、松明が焚かれているからかよく見えた。
泊る場所がなければ最悪馬車に泊ればいいし、ハンター用のテントも簡易ベッドも完備しているから、安全な場所を確保できれば問題ない。
で、やってきました軍作戦本部。
通行を管理していたのはモエナ伯爵領の領兵で、子爵家当主の身分証と豪華な馬車が功を奏して、邪険にされることなく本部の近くまで通して貰えた。
「お疲れ様です」と頭を抱えているアロー公爵に声を掛ける。
「なんだこの子供は?!」と、側にいた貴族が怪訝そうに私を見て言う。
「はあ? 上級・魔術師のマントだと?」と、同じく魔術師のマントを着た貴族が私を睨む。
「おや? どうされたんですか大賢者様?」
今着ているエバル教授から貰ったローブは、私が大賢者として人前に出る時の衣装だと知っていた公爵は、最初から私を大賢者として扱ってくれる。
「はい、ハッシュ辺境伯領の古代都市ロルツの南ゲートが、ザルツ帝国に占拠された件についてご相談があって来ました公爵さま」
公爵の回りに居たのは、恐らく各領地の領主や軍の関係者だと思うけど、大賢者である私の容貌を知っている者は居なかった。
驚いた顔で私を見ながら「大賢者だと!」と口にした領主たちは、本当ですかと問うような視線をアロー公爵に向ける。
「大賢者様は、現在王立能力学園の学生をしながら、魔術師学部・工学部・鑑定士学部の講師をされている。
今回領地奪還のために息子ホバルが使用した魔術具も、大容量の空間拡張バッグも全て、大賢者様のご尽力のお陰て使用可能になったものだ。
国王と同等位にある大賢者様に、失礼な態度をとることは王様と私が許さない」
如何にも場違いな子供の私を、最大限に持ち上げてくれるとは意外だったけど、私に会えて嬉しそうなアロー公爵の顔と発言を聞いて、ちょっと嫌な予感がする。
「上級魔法使いで大賢者のサンタナリア・ギウステ・ガイアスラー侯爵です。皆さんよろしく」
折角持ち上げてくれたから、ここは大賢者らしく挨拶をしとこう。
私の挨拶に続いて、作戦本部に居た8人の人たちも名乗ってくれる。
予想通り公爵が1人と侯爵家の嫡男が2人、伯爵家当主が2人と嫡男が1人、そして軍の指揮官2人という錚々たるメンバーだった。
「マリネラ侯爵家嫡男のドレイプと申します。弟のセイエスから、エルドラ王子や大賢者様と一緒にイオナロードの聖なる地へ行ったと報告を受けています。
確かあの時、アロー公爵家のアンタレス君と一緒に、アースドラゴンを討伐されたのですよね。私がお預かりしているこの空間拡張バッグが、その時のアースドラゴン素材だと聞いています」
爽やか系好青年のマリネラ侯爵家の嫡男23歳は、エルドラ王子の側近候補である騎士学科のセイエス先輩のお兄さんだった。
「これはセイエス先輩のお兄さま。先輩にはお世話になっています。確かにお持ちの空間拡張バッグはアースドラゴン素材ですね。使うのに魔力が結構必要でしょう?」
「はい、最近ようやく10センチのカラ魔核に魔力充填できるようになりました。
私は上位・魔術師なのです。私にも魔法を伝授して頂ける機会があれば、是非にお声掛け頂きたい。魔術師協会の先輩方が魔法自慢されるのが悔しくて悔しくて」
……セイエス先輩のお兄さんは、上位・魔術師だったんだ。しかも10センチのカラ魔核に魔力充填できる逸材だったとは。
「それでは、これから私が考える作戦に参加していただけるなら、無料でお教えしましょう。フフ、でも、アロー公爵様や王太子様の許可が出たらですけど」
「それなら私も是非! 私も8センチのカラ魔核になら魔力充填できます」
さっき私を睨んでいた上位・魔術師のローブを着ていた男性、モエナ伯爵家の嫡男ヘンリー28歳も手を上げる。
彼は爽やかとは違うゴッツイ系青年だけど、魔術師のローブを着てるから、今回は魔術師として参戦してるんだろうな。笑うと意外と可愛い。
……成る程、王都に住んでいない魔術師は、私の講義に参加できなかったんだ。
「ゴホン、その許可は、王太子様が戻られて作戦を聞いてからでないと出せない。サンタさん、今度はいったい何をするつもりですか?」
何をやらかすつもりだ?って顔をして、私を見るのはどうなのアロー公爵?
「つい先日、ハッシュ辺境伯領の南ゲートの様子を、探ることに成功しました。
ハンターのみならず、町の大人や子供までが、古代都市ロルツのロードで採掘させられ、わずか200くらいの軍人に、我が国の民が虐げられていました。
奴等の進攻の目的の中に、古代魔術具の採掘が含まれていることは明らかです」
「なんですと!」と、数人の声が揃った。
「しかもザルツ帝国は、死の谷に生息する地底生物や獣から、多くの魔核を採取できるため、もしも戦争に有用な魔術具なんて物を奪われたら、戦況は大きく変わることになります。魔核が大量に取れるんですよ。脅威でしょう?」
なんて説明をしていたら、夕食を終えた王太子がやって来た。
お腹が空いた私は、王太子とアロー公爵、そして私の作戦に同行したいと手を上げた2人の青年と、カーレイル叔父とポートさん、シリスと一緒に、食堂のあるモエナ伯爵屋敷に会議の場を移すことにした。
「それでは、最強ハンター南ゲート奪還作戦の説明をします」
「はあ?」
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