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サンタさん、トレジャーハンターになる
14 サンタさん、魔法を披露する(3)
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トレジャーハンター協会のサブチーフと私が、互いに黒く微笑んで睨み合っていると、は~っと疲れたように溜息を吐きながら、ホッパーさんが助け舟を出してくれた。
「まあ普通なら無理だと諦めるところですが、ここに居るサンタさんの魔ほ・・・魔術を見てから断られては如何ですか?
先日私が強盗に襲われた話は、耳が速いサブチーフならご存じでしょう?
あの絶体絶命の場面で、私はサンタさんの中位魔術で助けられたのです。
瞬時に眉間目掛けて拳大の石を当て、風魔術で大男を一瞬で吹き飛ばす様は、この目で見ても信じられないくらい衝撃的でしたね」
「はあ、中位魔術だと? 信用が一番と豪語するホッパー商会の商会長さんが、そんな嘘はいけないな。
どう見ても5歳にも満たないガキが中位魔術を使った? あり得ん。
どんなに凄い天才でも、中位魔術は10歳を過ぎないと使えないんだぞ」
サブチーフは大きく首を横に振り、全くの嘘だと思って取り合わない。
それどころか、ホッパーさんの信用にまで難癖を付けている。
「ホッパーさんの言うことが嘘じゃなかったらどうするの? 手をついて謝る?
それとも、サブチーフという地位にある者が、人を見る目がなかったと認め、わた・・・僕に魔術師試験を受けさせてくれたりするのかな?」
私は腕組みをして、完全に上から目線で物申す。ニヤリと笑ってね。
「なんだこのガキは、この俺に謝れ? 話す内容からすると頭は回るようだが、この俺と睨み合って譲らない豪胆さは何なんだ。
ファイト子爵様、このガキとはどういう関係なんでしょうか?
このガキの職業は・・・ま、まさか中位、いや高位職業の魔術師か?」
気味が悪いって視線を私に向け、サブチーフはお爺様に関係と職業を訊く。
そして直ぐに、滅多とお目に掛かれない【高位・魔術師】なのではと思ったようで、今度は奇異な目で私を見る。
「サンタはわしの孫だ。この孫を説明するには常識を捨ててもらう必要がある。
サンタの職種は魔術師ではない。なのに魔術が使える。
サンタの職業は【過去・輪廻】。教会でも詳しい仕事内容は不明で、職業ランクは、中位から高位だと言われている」
「はあ? 魔術師じゃないのに魔術が使える? しかも中位から高位職?
いや、待ってくれ、孫? ファイト子爵様の孫なんですか?」
いろいろとテンパってしまった様子のサブチーフは、お爺様とホッパーさんの顔を交互に何度か見て、は~っと大きく息を吐きだし席を立った。
「分かりました。試験会場に案内します。
つい先程、本部から【中位・魔術師】のファーズ指導教官が、新しく発見されたロードに同行するため到着された。
彼はトレジャーハンター協会の、魔術師試験の試験官でもある。
そこまで言うなら、プロの判断に委ねるのが一番だろう」
サブチーフが試験会場へ案内すると言ってくれたので、私たちは揃って移動を開始する。
『サンタや、お主はちと、目上の者に対する態度が横柄すぎやしないか?』
『はあ? 私の喋り方や語彙力は、全てサーク爺から学んだんだけど?
それにあのタイプは、あれくらい言わなきゃ聞く耳なんてないし、ビビってたら舐められるだけだよ。丁寧な言葉遣いだと、きっとイライラすると思う」
『まあ、そうかもしれんが、サンタや、お主、本当は40歳くらいじゃろう?』
いつものように百面相しながら歩いていたら、「ちがーう、私は3歳!」って最後の会話が声に出てしまった。
アンタレス君がビクッと肩を震わせ、お爺様がびっくりして私の顔を見る。
私の百面相と独り言に慣れているホッパーさんは、またか・・・と平常運転。
「大きな声を出してしまい、申し訳ありません」と、私は小声で謝った。
……ふぅ・・・無表情とお口チャックを身に付けなきゃ。
案内された地下にある試験会場で待つこと10分。
試験会場は広い地下室で、お爺様が販売している広域ランプが設置され、意外と明るいから試験に使われるらしい的や岩などがよく見えた。
丸い板に蜘蛛とか蝙蝠なんかの絵が描いてある的が、様々な高さで距離もバラバラにして地面に刺してあった。
……う~ん、動く的は無いのかな? あっ、よく見たら天井にも的がある。
……でも、天井に攻撃を当てたら崩れるんじゃないかなぁ?
『サンタや、この部屋の壁や天井には強化魔法が掛けられておる。この時代にも、物体に魔法を掛ける技術はあるようじゃ』
ほうほう、だったら壊れないから安心だわって思っていたら、お待ちかねの皆さんがやって来た。
眼光鋭く隙のない雰囲気で、絶対に貴族ですよねって感じの50代くらいの男性と、如何にも魔術師ですって感じのローブを着た、お爺様と同年代くらいの男性を伴って、サブチーフが階段を下りてくる。
お爺様とホッパーさんは挨拶を交わし、互いに微笑みかけてはいるけど、あちらの瞳は全然笑ってない。まあ、協会員に失礼な態度はとれないよね。
でもきっと、迷惑なガキを連れてきたと思っているに違いない。
ローブを着た魔術師のお爺ちゃんは、私を探るようにじっと見て、少しだけ首を捻って左手で顎髭を触っている。
「まあ本日は見学ということですから、簡単な説明をして、魔術が使えるのなら、試しに近くの的に向かって得意な魔術を当ててみるのもいいでしょう。
私はゲートル協会の責任者で、チーフのヨクルドだよ。的に当てるって意味が分かるかい?」
まあ子供相手ですからって言いながら、チーフと名乗ったおじさんは一番近くの的を指さした。
「いやいやチーフ、サブチーフは中位魔術が使えると聞いたんでしょう?
こうして会員を2人も同伴して来たからには、幼児扱いするのは失礼ですよ。
そうだろうキミ。私は魔術師試験の試験官もしているファーズだ」
……ああ、なんだか喧嘩を売られてる感じ。きっと私の鼻をへし折りたいんだ。
「まあ普通なら無理だと諦めるところですが、ここに居るサンタさんの魔ほ・・・魔術を見てから断られては如何ですか?
先日私が強盗に襲われた話は、耳が速いサブチーフならご存じでしょう?
あの絶体絶命の場面で、私はサンタさんの中位魔術で助けられたのです。
瞬時に眉間目掛けて拳大の石を当て、風魔術で大男を一瞬で吹き飛ばす様は、この目で見ても信じられないくらい衝撃的でしたね」
「はあ、中位魔術だと? 信用が一番と豪語するホッパー商会の商会長さんが、そんな嘘はいけないな。
どう見ても5歳にも満たないガキが中位魔術を使った? あり得ん。
どんなに凄い天才でも、中位魔術は10歳を過ぎないと使えないんだぞ」
サブチーフは大きく首を横に振り、全くの嘘だと思って取り合わない。
それどころか、ホッパーさんの信用にまで難癖を付けている。
「ホッパーさんの言うことが嘘じゃなかったらどうするの? 手をついて謝る?
それとも、サブチーフという地位にある者が、人を見る目がなかったと認め、わた・・・僕に魔術師試験を受けさせてくれたりするのかな?」
私は腕組みをして、完全に上から目線で物申す。ニヤリと笑ってね。
「なんだこのガキは、この俺に謝れ? 話す内容からすると頭は回るようだが、この俺と睨み合って譲らない豪胆さは何なんだ。
ファイト子爵様、このガキとはどういう関係なんでしょうか?
このガキの職業は・・・ま、まさか中位、いや高位職業の魔術師か?」
気味が悪いって視線を私に向け、サブチーフはお爺様に関係と職業を訊く。
そして直ぐに、滅多とお目に掛かれない【高位・魔術師】なのではと思ったようで、今度は奇異な目で私を見る。
「サンタはわしの孫だ。この孫を説明するには常識を捨ててもらう必要がある。
サンタの職種は魔術師ではない。なのに魔術が使える。
サンタの職業は【過去・輪廻】。教会でも詳しい仕事内容は不明で、職業ランクは、中位から高位だと言われている」
「はあ? 魔術師じゃないのに魔術が使える? しかも中位から高位職?
いや、待ってくれ、孫? ファイト子爵様の孫なんですか?」
いろいろとテンパってしまった様子のサブチーフは、お爺様とホッパーさんの顔を交互に何度か見て、は~っと大きく息を吐きだし席を立った。
「分かりました。試験会場に案内します。
つい先程、本部から【中位・魔術師】のファーズ指導教官が、新しく発見されたロードに同行するため到着された。
彼はトレジャーハンター協会の、魔術師試験の試験官でもある。
そこまで言うなら、プロの判断に委ねるのが一番だろう」
サブチーフが試験会場へ案内すると言ってくれたので、私たちは揃って移動を開始する。
『サンタや、お主はちと、目上の者に対する態度が横柄すぎやしないか?』
『はあ? 私の喋り方や語彙力は、全てサーク爺から学んだんだけど?
それにあのタイプは、あれくらい言わなきゃ聞く耳なんてないし、ビビってたら舐められるだけだよ。丁寧な言葉遣いだと、きっとイライラすると思う」
『まあ、そうかもしれんが、サンタや、お主、本当は40歳くらいじゃろう?』
いつものように百面相しながら歩いていたら、「ちがーう、私は3歳!」って最後の会話が声に出てしまった。
アンタレス君がビクッと肩を震わせ、お爺様がびっくりして私の顔を見る。
私の百面相と独り言に慣れているホッパーさんは、またか・・・と平常運転。
「大きな声を出してしまい、申し訳ありません」と、私は小声で謝った。
……ふぅ・・・無表情とお口チャックを身に付けなきゃ。
案内された地下にある試験会場で待つこと10分。
試験会場は広い地下室で、お爺様が販売している広域ランプが設置され、意外と明るいから試験に使われるらしい的や岩などがよく見えた。
丸い板に蜘蛛とか蝙蝠なんかの絵が描いてある的が、様々な高さで距離もバラバラにして地面に刺してあった。
……う~ん、動く的は無いのかな? あっ、よく見たら天井にも的がある。
……でも、天井に攻撃を当てたら崩れるんじゃないかなぁ?
『サンタや、この部屋の壁や天井には強化魔法が掛けられておる。この時代にも、物体に魔法を掛ける技術はあるようじゃ』
ほうほう、だったら壊れないから安心だわって思っていたら、お待ちかねの皆さんがやって来た。
眼光鋭く隙のない雰囲気で、絶対に貴族ですよねって感じの50代くらいの男性と、如何にも魔術師ですって感じのローブを着た、お爺様と同年代くらいの男性を伴って、サブチーフが階段を下りてくる。
お爺様とホッパーさんは挨拶を交わし、互いに微笑みかけてはいるけど、あちらの瞳は全然笑ってない。まあ、協会員に失礼な態度はとれないよね。
でもきっと、迷惑なガキを連れてきたと思っているに違いない。
ローブを着た魔術師のお爺ちゃんは、私を探るようにじっと見て、少しだけ首を捻って左手で顎髭を触っている。
「まあ本日は見学ということですから、簡単な説明をして、魔術が使えるのなら、試しに近くの的に向かって得意な魔術を当ててみるのもいいでしょう。
私はゲートル協会の責任者で、チーフのヨクルドだよ。的に当てるって意味が分かるかい?」
まあ子供相手ですからって言いながら、チーフと名乗ったおじさんは一番近くの的を指さした。
「いやいやチーフ、サブチーフは中位魔術が使えると聞いたんでしょう?
こうして会員を2人も同伴して来たからには、幼児扱いするのは失礼ですよ。
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