20 / 190
サンタさん、トレジャーハンターになる
20 怒濤のデビュー戦(4)
しおりを挟む
新しく発見されたロードへと足を踏み入れると、何故か微かに風を感じた。
『風を感じるじゃと? それならこのロードは地上に繋がっている可能性がある。煙を出せば風の来る方角が分かるじゃろう』
『これって、皆に言った方がいいの?』
『そうじゃのう、もう既に分かっておるやもしれんが、言うのは構わんじゃろう』
いつものように一人百面相をしながら頷き、皆に話すことにした。
「サブチーフ、みんな、風を感じるからこのロードは、外に繋がっているかもしれない。煙を出せば方角が分かるよ」
私は前方に現れた幾つかの側道に視線を向けたまま、皆に気付いたことを話す。
「やはり風か・・・俺も感じたが、それにしてもサンタさん、その知識は何処からくるんだ?」
「サブチーフ、ちょっと話したと思うけど、私には天才魔法使いの師匠がいるよね。その師匠は守護霊みたいに常に私と一緒に居るの。
だから皆には聞こえなくても、私はよく師匠と会話していて、一人で頷いたりむくれたり怒ったりと百面相してるんだよ。
目には見えないけど、パーティーメンバーがもう一人居るって思ってね」
もう面倒だから、私は全てぶっちゃけることにした。
私がそう思うって言うより、師匠がそう言ってるっていう方が信用度が上がるはずだし、幼児らしからぬ言動や行動は、全てサーク爺のせいにすれば問題なし。
よっしゃー!
『サンタや、それは違うんじゃないか?』と、サーク爺が文句を言う。
皆の反応を見ると、ホッパーさんは納得した感じで微笑み、お爺様はなんだか諦めの表情で、魔術師のファーズさんは「素晴らしいです」と何故か感動している。
サブチーフや【最速踏破者】のメンバーやポーターさんは、首を捻りながら考えているけど、どうやら守護霊を理解するのが難しかったみたい。
「だから私は、よく独り言を言ってると思われるけど、ちゃんと師匠のサーク爺と会話してるから。独り言じゃないから」
「う~ん、よく分からんが、サンタさんの隣に魔法の師匠が居るって思えばいいんだな」
サブチーフがそう言うと、【最速踏破者】のメンバーは「そういうことか、なるほど」っと言って理解したっぽい。
「ああ、やけに頭がいいと思ったら、師匠の知恵だったんだな」って、リーダーのカーリンさんが納得したように頷く。
「うん、そういうことリーダー。だからね、未確認地底生物は、地底じゃなくて地上の生物の可能性もあるってこと」
私はにっこり笑って、次に考えられることを予想し意見を言ってみる。
「いや、全然分からんわ! それも師匠の言葉か?」
「ううん、これは私の考え。古代都市の地上は、荒れ地の部分以外は広大な森や深い谷でしょう? だから、そういうこともあるかなって・・・」
私がリーダーにそう答えると、皆がまたスッと表情を失くし、目をパチパチさせたり、2本指で眉間をぐりぐりしたり、こめかみぐりぐりを始めた。
……ん? 私、何か変なこと言った?
「皆さん、サンタさんのことは、天才だと思っていた方が楽ですよ。
実は私、あることを思い出しました。7年前に国王が、新しい資源を求めて古代都市の地上を調査させたことがあったんです。
あの時、巨大なトカゲや巨大な鳥、そして地底生物よりも凶暴な獣が出て、多くの兵士が死傷しました。
現在は、隣国との戦争のこともあり、調査は中止されています」
そう話すのはホッパーさんだ。
その調査の時に、ホッパー商会は食料や野営道具の調達を担当したが、全く利益にならず無償で薬まで提供させられ損をしたと、ちょっと毒を吐きながら説明してくれた。
「おお、わしも覚えておる。わしが今のファイト子爵領を任される前のことで、今のファイト子爵領から森に入り、ゲートルの町の方角へ南下したと聞いておる」
お爺様も当時を思い出しながら、調査は困難を極めたと指揮を執ったロルツラ侯爵から聞いていたようだ。
もしも本当に地上と繋がっていたら、手に負えない生物と対峙する可能性が高くなる。だからなのか、ブラックワームの時のやる気と闘志は何処かへ消えてしまったみたい。
深層部へと繋がれば、魔術具などのお宝が眠っている可能性もあるけど、地上じゃあ金目の物は期待できないだろうなって。
「でもさあ、地上の谷とかに繋がっていたら、誰も見たことのない未開の資源があるかもしれないし、巨大トカゲなら素材としては最高かもしれないよ。
私はワクワクする。誰にも発見されていないルートができるって考えたら、凄いことだよね。国にも貢献できるかもだし」
「そ、そういうこともある・・・のか?」と、リーダーのカーリンさん。
「そ、そうだよな、地上でもお宝があるかもしれないよな」と、サバンヤさん。
「まあ、あれだ。何処であろうとトレジャーハンターは、お宝を求めて戦うだけだ。なんだか俺も、ちょっとだけワクワクしてきたぞ」と、サブチーフ。
「もしかしたら、地上からなら入れる深層部へのロードだってあるかもしれない。
未知なるものを探求するのがロマン! 想像力を働かせれば、深い谷にはSランク地底生物の墓場があるかもしれない。
そしたらさあ、何があると思う?」
私は皆に視線を向け、黒く微笑みながら問う。
「Sランク地底生物の墓場なら・・・あっ! 魔核、魔核が有るかもしれない」
「はい正解! そう考えたら、このロードが何処に繋がっていても楽しそうでしょう? 風が吹いてる。それだけで、ぼろ儲けの予感がするもの」
私はリーダーにウインクして、ぼろ儲けする未来を描きニヤリと微笑む。
「あぁ、最後のぼろ儲けって話を聞かなかったら、本当にかっこいいロマン話だったのに、この幼児は本当に・・・今のは絶対に師匠じゃなくて、サンタさんの意見だよな?」
……ちょっと、なんで残念な子を見るような視線を私に向けるのサブチーフ?
……トレジャーハンターがお宝を求めて何が悪いの? ねえ、何が悪いの?
ズン、ドス、ドシーン!
私が口を尖らせてむくれた瞬間、ロードの奥から地響きが伝わってきた。
『風を感じるじゃと? それならこのロードは地上に繋がっている可能性がある。煙を出せば風の来る方角が分かるじゃろう』
『これって、皆に言った方がいいの?』
『そうじゃのう、もう既に分かっておるやもしれんが、言うのは構わんじゃろう』
いつものように一人百面相をしながら頷き、皆に話すことにした。
「サブチーフ、みんな、風を感じるからこのロードは、外に繋がっているかもしれない。煙を出せば方角が分かるよ」
私は前方に現れた幾つかの側道に視線を向けたまま、皆に気付いたことを話す。
「やはり風か・・・俺も感じたが、それにしてもサンタさん、その知識は何処からくるんだ?」
「サブチーフ、ちょっと話したと思うけど、私には天才魔法使いの師匠がいるよね。その師匠は守護霊みたいに常に私と一緒に居るの。
だから皆には聞こえなくても、私はよく師匠と会話していて、一人で頷いたりむくれたり怒ったりと百面相してるんだよ。
目には見えないけど、パーティーメンバーがもう一人居るって思ってね」
もう面倒だから、私は全てぶっちゃけることにした。
私がそう思うって言うより、師匠がそう言ってるっていう方が信用度が上がるはずだし、幼児らしからぬ言動や行動は、全てサーク爺のせいにすれば問題なし。
よっしゃー!
『サンタや、それは違うんじゃないか?』と、サーク爺が文句を言う。
皆の反応を見ると、ホッパーさんは納得した感じで微笑み、お爺様はなんだか諦めの表情で、魔術師のファーズさんは「素晴らしいです」と何故か感動している。
サブチーフや【最速踏破者】のメンバーやポーターさんは、首を捻りながら考えているけど、どうやら守護霊を理解するのが難しかったみたい。
「だから私は、よく独り言を言ってると思われるけど、ちゃんと師匠のサーク爺と会話してるから。独り言じゃないから」
「う~ん、よく分からんが、サンタさんの隣に魔法の師匠が居るって思えばいいんだな」
サブチーフがそう言うと、【最速踏破者】のメンバーは「そういうことか、なるほど」っと言って理解したっぽい。
「ああ、やけに頭がいいと思ったら、師匠の知恵だったんだな」って、リーダーのカーリンさんが納得したように頷く。
「うん、そういうことリーダー。だからね、未確認地底生物は、地底じゃなくて地上の生物の可能性もあるってこと」
私はにっこり笑って、次に考えられることを予想し意見を言ってみる。
「いや、全然分からんわ! それも師匠の言葉か?」
「ううん、これは私の考え。古代都市の地上は、荒れ地の部分以外は広大な森や深い谷でしょう? だから、そういうこともあるかなって・・・」
私がリーダーにそう答えると、皆がまたスッと表情を失くし、目をパチパチさせたり、2本指で眉間をぐりぐりしたり、こめかみぐりぐりを始めた。
……ん? 私、何か変なこと言った?
「皆さん、サンタさんのことは、天才だと思っていた方が楽ですよ。
実は私、あることを思い出しました。7年前に国王が、新しい資源を求めて古代都市の地上を調査させたことがあったんです。
あの時、巨大なトカゲや巨大な鳥、そして地底生物よりも凶暴な獣が出て、多くの兵士が死傷しました。
現在は、隣国との戦争のこともあり、調査は中止されています」
そう話すのはホッパーさんだ。
その調査の時に、ホッパー商会は食料や野営道具の調達を担当したが、全く利益にならず無償で薬まで提供させられ損をしたと、ちょっと毒を吐きながら説明してくれた。
「おお、わしも覚えておる。わしが今のファイト子爵領を任される前のことで、今のファイト子爵領から森に入り、ゲートルの町の方角へ南下したと聞いておる」
お爺様も当時を思い出しながら、調査は困難を極めたと指揮を執ったロルツラ侯爵から聞いていたようだ。
もしも本当に地上と繋がっていたら、手に負えない生物と対峙する可能性が高くなる。だからなのか、ブラックワームの時のやる気と闘志は何処かへ消えてしまったみたい。
深層部へと繋がれば、魔術具などのお宝が眠っている可能性もあるけど、地上じゃあ金目の物は期待できないだろうなって。
「でもさあ、地上の谷とかに繋がっていたら、誰も見たことのない未開の資源があるかもしれないし、巨大トカゲなら素材としては最高かもしれないよ。
私はワクワクする。誰にも発見されていないルートができるって考えたら、凄いことだよね。国にも貢献できるかもだし」
「そ、そういうこともある・・・のか?」と、リーダーのカーリンさん。
「そ、そうだよな、地上でもお宝があるかもしれないよな」と、サバンヤさん。
「まあ、あれだ。何処であろうとトレジャーハンターは、お宝を求めて戦うだけだ。なんだか俺も、ちょっとだけワクワクしてきたぞ」と、サブチーフ。
「もしかしたら、地上からなら入れる深層部へのロードだってあるかもしれない。
未知なるものを探求するのがロマン! 想像力を働かせれば、深い谷にはSランク地底生物の墓場があるかもしれない。
そしたらさあ、何があると思う?」
私は皆に視線を向け、黒く微笑みながら問う。
「Sランク地底生物の墓場なら・・・あっ! 魔核、魔核が有るかもしれない」
「はい正解! そう考えたら、このロードが何処に繋がっていても楽しそうでしょう? 風が吹いてる。それだけで、ぼろ儲けの予感がするもの」
私はリーダーにウインクして、ぼろ儲けする未来を描きニヤリと微笑む。
「あぁ、最後のぼろ儲けって話を聞かなかったら、本当にかっこいいロマン話だったのに、この幼児は本当に・・・今のは絶対に師匠じゃなくて、サンタさんの意見だよな?」
……ちょっと、なんで残念な子を見るような視線を私に向けるのサブチーフ?
……トレジャーハンターがお宝を求めて何が悪いの? ねえ、何が悪いの?
ズン、ドス、ドシーン!
私が口を尖らせてむくれた瞬間、ロードの奥から地響きが伝わってきた。
133
あなたにおすすめの小説
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。
第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。
生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。
その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。
「加護縫い」
(縫った布に強力な祝福を込められる)
「嘘のほころびを見抜く力」
(相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする)
を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。
さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?
暗殺者の少女、四大精霊に懐かれる。〜異世界に渡ったので、流浪の旅人になります〜
赤海 梓
ファンタジー
「…ここは、どこ?」
…私、そうだ。そういえば…
「貴女、ここで何をしておる」
「わっ」
シュバッ
「…!?」
しまった、つい癖で回り込んで首に手刀を当ててしまった。
「あっ、ごめんなさい、敵意は無くて…その…」
急いで手を離す。
私が手刀をかけた相手は老人で、人…であはるが、人じゃない…?
「ふははは! よかろう、気に入ったぞ!」
「…え?」
これは暗殺者として頂点を飾る暗殺者が転生し、四大精霊に好かれ、冒険者として日銭を稼ぎ、時に人を守り、時に殺め、時に世界をも救う…。そんな物語である…!
領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。
さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。
しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。
7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。
ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。
★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。
皆様応援よろしくお願いします
できない子に転生しましたが、家族と食卓があれば十分です ―人間不信だった私が、ゆっくり育つ異世界生活―
愛朱ひいろ
ファンタジー
人の顔色ばかり伺い、心を壊した26歳の会社員女性。
彼女は死後、異世界で「できない子」として転生する。
魔法は使えない。
体は不器用で、成長も人より遅い。
前世の記憶のせいで、人と関わることが少し怖い。
けれどこの世界には、
見守り支えてくれる両親と、
あたたかい食卓があった。
泣いて、つまずいて、できないことに落ち込みながら、
彼女は少しずつ「できないままでも、生きていていい」と知っていく。
これは、
最強でもチートでもない主人公が、
家族と食事に支えられながら、ゆっくり育ち直す
生活密着型・異世界転生×成長×グルメファンタジー。
……の、予定です。
毎日更新できるように執筆がんばります!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる