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サンタさん、人助けをする
48 遺跡調査(7)
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翌日の午前は、遺跡に簡易宿泊施設を作るための道具や資材を購入したり、ポーターとして荷物を運搬してくれるハンターパーティーの選定が行われた。
イオナロードに潜るには、最低でも銀級以上のパーティーの必要があるため、うちのリーダーの推薦で、仲良しの【ロードの申し子】5人に決まった。
いつものように金級パーティーの【選ばれし勇者】たちが絡んできたけど、完全に荷物持ちなのだと分かると、【ロードの申し子】のメンバーをバカにする暴言を吐きながら去っていった。
「とうとう荷物持ちに落ちぶれたか」ってバカにしてたけど、【ロードの申し子】のリーダーは、自分たちの方が先に【聖なる地】に入れると喜んでいた。
【聖なる地】の簡易宿泊施設は、元々ある遺跡の住居を利用するし、超古代紀の防護魔法が効いているので、基本的に雨や風の心配はない。
強いて言えば、ブラックウルフ等の猛獣から身を守る仕掛けや戸を設置すれば、屋根がなくても問題ない。
運ぶ物は、各チームに簡易机や椅子をワンセットと簡易ベッドと寝具、煮炊き道具や燃料鉱石、食材や衛生用品、そして武器くらいだ。
チームは7つあるから、協会のポーターさん2人と【ロードの申し子】5人がリヤカーを1台ずつ担当する。
王宮魔術師団の2人は調査団ではなく護衛だから、自分たちでリヤカーを調達するらしい。
昨夜、トキニさんたちが調べたことの一部をアロー公爵に伝えたので、王宮魔術師団の2人は、今後魔術師チームとは別扱いすることになった。
自分を殺す可能性がある者と、一緒に寝泊まりするなんて危険は冒せない。
そもそも王宮魔術師団の2人は、調査団として王様に任命されていないらしい。
『でもあれよね、あの新人君、ヒバド伯爵のバカ息子から、一番下の立場だから魔術師のトップであるアロー公爵に、お茶ぐらい勧める義務があるって命令されてたわよ。新人君は何も知らないみたい』
ハンター協会ゲートル支部の前に集合した新人君を見て、パトリシアさんが可哀想だと同情する。
『しかも好感を持たれるよう、お前も一緒に同じお茶を飲めって命令してたで』
『えっ? それって、新人君も殺すつもりってことトキニさん?』
『そうやろうな。もう一人の男はバカ息子とごにょごにょ話しとったから、あれはヒバド伯爵側の人間やろうな』
『捨て駒ってことじゃな。どうするサンタや?』
サーク爺が、どうする気かと訊いてきた。
その意味するところは、助けるのか見捨てるのかってことか、お茶を飲ませないように手を打つのかどうかって問いなんだろうな。
『う~ん、アロー公爵は自分を団長と呼べって言ってたから、仲良しこよししながら私の用意したお茶を、「団長どうぞ」って感じで飲ませるのはどうかなぁ?』
私はいつものように一人百面相をしながら、3階の宿泊部屋から眼下を見下ろして皆と念話する。
『せやな、幼児のサンタさんが差し出したお茶を断ることはないやろうし、自分を殺す可能性がある者が淹れた茶なんて、怖くて飲めんやろうしな』
「分かった。早速高級なお茶を用意しなきゃ」と言って、出発時間に間に合うように私は買い物に出掛ける。
空間拡張魔法って、本当に最高!
目的地である【聖なる地】には、予定通りの時間で到着した。
途中、地底生物とは思えない地上に生息しているはずの小動物に遭遇した。
このロードは、地上と繋がっている可能性が高いだろうと、チーフもサブチーフも私の仮説を認める発言をしていた。
小動物のお肉は、光猫のシリスのご飯にしてくれるって。ありがとう。
到着後ハンターやポーターたちは、直ぐに簡易宿泊施設の設置を始める。
私はサブチーフに抱っこされたまま、魔術師チームと一緒にブラックウルフの侵入口を捜索する。
「シリス、ブラックウルフの侵入口が分かる?」
私は同行している光猫のシリスに、知ってるって訊いてみた。
するとシリスは、ウニャ~ンと鳴いて神殿の裏に向かって進み始めた。
調査団の皆には、シリスは【聖なる地】に住んでいたんだと説明してある。
歩くこと10分、神殿裏の火山活動でできた巨大な断層前までやって来た。
シリスはグゥーと低く唸り、シャーと警戒しながら攻撃的な姿勢をとった。
「この穴は、恐らくブラックウルフの侵入口で間違いないだろう。
穴の入り口周辺には、黒く血で染まった跡がある。落ちている毛の色も黒だ」
シリスと出会った時も一緒にいたサブチーフが、間違いないだろうと言って、侵入口を睨み付けた。
あの時、光猫たちはブラックウルフと戦い、無残にも引き摺られていった。
シリスの家族もいただろうと思うと胸が苦しい。
サブチーフの腕から下りて、穴に向かって唸っているシリスを抱き締める。
「ウルフは穴を掘るのが上手いから、大きな岩で塞ぎ、周辺の土を強固に固める魔法陣を使いましょう」
魔術師のファーズさんがそう言うと、アロー公爵も同意して、王立能力学園のエバル教授が、倒れた神殿の柱を魔法陣を使って移動させる。
他の魔術師の皆さんは穴の周辺に並んで、一斉に地面を強固にする魔法陣を発動していく。
『勉強になるなぁ。あれは確か中位魔術でも上位の魔術だったわね』
『サンタなら、地面よ固まれ!でいけると思うぞ』
『そうかもねぇサーク爺。魔法で考えれば初級魔法だけど、広範囲に発動させるとなると中級魔法だね』
高位・魔術師であるアロー公爵、ミエハール魔術師協会部長、そして中位・魔術師であり女性のニンターイ魔術師協会課長の魔法陣発動を見ながら念話する。
『魔術師なのに、使っているのは魔法陣って・・・ちょっと変だよね』
『せやなサンタさん、俺の時代には、もう魔法使いやなくて魔術師やったな』
『私の時代は魔法使いだったわよ。あぁ、でも魔力量が少なくて魔法陣を使う者は魔術師って呼ばれてたかも・・・』
……そうなんだ。凄く勉強になった。星の再生紀頃に魔術師は誕生してたんだ。
「た、大変だー! だ、大蛇にポーターが襲われてるー!」
作業完了をアロー公爵が確認していると、血相を変えた護衛の王宮魔術師団のラースク40歳が、大声で助けを求めてきた。
イオナロードに潜るには、最低でも銀級以上のパーティーの必要があるため、うちのリーダーの推薦で、仲良しの【ロードの申し子】5人に決まった。
いつものように金級パーティーの【選ばれし勇者】たちが絡んできたけど、完全に荷物持ちなのだと分かると、【ロードの申し子】のメンバーをバカにする暴言を吐きながら去っていった。
「とうとう荷物持ちに落ちぶれたか」ってバカにしてたけど、【ロードの申し子】のリーダーは、自分たちの方が先に【聖なる地】に入れると喜んでいた。
【聖なる地】の簡易宿泊施設は、元々ある遺跡の住居を利用するし、超古代紀の防護魔法が効いているので、基本的に雨や風の心配はない。
強いて言えば、ブラックウルフ等の猛獣から身を守る仕掛けや戸を設置すれば、屋根がなくても問題ない。
運ぶ物は、各チームに簡易机や椅子をワンセットと簡易ベッドと寝具、煮炊き道具や燃料鉱石、食材や衛生用品、そして武器くらいだ。
チームは7つあるから、協会のポーターさん2人と【ロードの申し子】5人がリヤカーを1台ずつ担当する。
王宮魔術師団の2人は調査団ではなく護衛だから、自分たちでリヤカーを調達するらしい。
昨夜、トキニさんたちが調べたことの一部をアロー公爵に伝えたので、王宮魔術師団の2人は、今後魔術師チームとは別扱いすることになった。
自分を殺す可能性がある者と、一緒に寝泊まりするなんて危険は冒せない。
そもそも王宮魔術師団の2人は、調査団として王様に任命されていないらしい。
『でもあれよね、あの新人君、ヒバド伯爵のバカ息子から、一番下の立場だから魔術師のトップであるアロー公爵に、お茶ぐらい勧める義務があるって命令されてたわよ。新人君は何も知らないみたい』
ハンター協会ゲートル支部の前に集合した新人君を見て、パトリシアさんが可哀想だと同情する。
『しかも好感を持たれるよう、お前も一緒に同じお茶を飲めって命令してたで』
『えっ? それって、新人君も殺すつもりってことトキニさん?』
『そうやろうな。もう一人の男はバカ息子とごにょごにょ話しとったから、あれはヒバド伯爵側の人間やろうな』
『捨て駒ってことじゃな。どうするサンタや?』
サーク爺が、どうする気かと訊いてきた。
その意味するところは、助けるのか見捨てるのかってことか、お茶を飲ませないように手を打つのかどうかって問いなんだろうな。
『う~ん、アロー公爵は自分を団長と呼べって言ってたから、仲良しこよししながら私の用意したお茶を、「団長どうぞ」って感じで飲ませるのはどうかなぁ?』
私はいつものように一人百面相をしながら、3階の宿泊部屋から眼下を見下ろして皆と念話する。
『せやな、幼児のサンタさんが差し出したお茶を断ることはないやろうし、自分を殺す可能性がある者が淹れた茶なんて、怖くて飲めんやろうしな』
「分かった。早速高級なお茶を用意しなきゃ」と言って、出発時間に間に合うように私は買い物に出掛ける。
空間拡張魔法って、本当に最高!
目的地である【聖なる地】には、予定通りの時間で到着した。
途中、地底生物とは思えない地上に生息しているはずの小動物に遭遇した。
このロードは、地上と繋がっている可能性が高いだろうと、チーフもサブチーフも私の仮説を認める発言をしていた。
小動物のお肉は、光猫のシリスのご飯にしてくれるって。ありがとう。
到着後ハンターやポーターたちは、直ぐに簡易宿泊施設の設置を始める。
私はサブチーフに抱っこされたまま、魔術師チームと一緒にブラックウルフの侵入口を捜索する。
「シリス、ブラックウルフの侵入口が分かる?」
私は同行している光猫のシリスに、知ってるって訊いてみた。
するとシリスは、ウニャ~ンと鳴いて神殿の裏に向かって進み始めた。
調査団の皆には、シリスは【聖なる地】に住んでいたんだと説明してある。
歩くこと10分、神殿裏の火山活動でできた巨大な断層前までやって来た。
シリスはグゥーと低く唸り、シャーと警戒しながら攻撃的な姿勢をとった。
「この穴は、恐らくブラックウルフの侵入口で間違いないだろう。
穴の入り口周辺には、黒く血で染まった跡がある。落ちている毛の色も黒だ」
シリスと出会った時も一緒にいたサブチーフが、間違いないだろうと言って、侵入口を睨み付けた。
あの時、光猫たちはブラックウルフと戦い、無残にも引き摺られていった。
シリスの家族もいただろうと思うと胸が苦しい。
サブチーフの腕から下りて、穴に向かって唸っているシリスを抱き締める。
「ウルフは穴を掘るのが上手いから、大きな岩で塞ぎ、周辺の土を強固に固める魔法陣を使いましょう」
魔術師のファーズさんがそう言うと、アロー公爵も同意して、王立能力学園のエバル教授が、倒れた神殿の柱を魔法陣を使って移動させる。
他の魔術師の皆さんは穴の周辺に並んで、一斉に地面を強固にする魔法陣を発動していく。
『勉強になるなぁ。あれは確か中位魔術でも上位の魔術だったわね』
『サンタなら、地面よ固まれ!でいけると思うぞ』
『そうかもねぇサーク爺。魔法で考えれば初級魔法だけど、広範囲に発動させるとなると中級魔法だね』
高位・魔術師であるアロー公爵、ミエハール魔術師協会部長、そして中位・魔術師であり女性のニンターイ魔術師協会課長の魔法陣発動を見ながら念話する。
『魔術師なのに、使っているのは魔法陣って・・・ちょっと変だよね』
『せやなサンタさん、俺の時代には、もう魔法使いやなくて魔術師やったな』
『私の時代は魔法使いだったわよ。あぁ、でも魔力量が少なくて魔法陣を使う者は魔術師って呼ばれてたかも・・・』
……そうなんだ。凄く勉強になった。星の再生紀頃に魔術師は誕生してたんだ。
「た、大変だー! だ、大蛇にポーターが襲われてるー!」
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