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サンタさん、人助けをする
56 秘密の扉(5)
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このままでは、どんどん可愛気のない幼女になってしまう・・・
凄く立派な高位・魔術師や学者の皆さんに注意したり意見するなんて、この調査が終わったら、きっと許されない不敬なのだと思う。
今は、魔力量が多い必要な人材だと思われているから、寛大な態度で接してくれてるはずだもん。
だから私は、王立能力学園に講師として誘われても、魔術師協会と一緒に研究をしたとしても勘違いなんかしないよ。
世間には、王宮魔術師団のラースクみたいな人の方が多いもん。
貴族の多くは、私みたいな幼女のトレジャーハンターなんて、簡単に踏み潰しにくるって知ってるから。
……だからこそ早く、独立できる自分の爵位が欲しい。
……魔術師協会の中位・魔術師試験に合格すれば、最低でも準男爵になれる。母様や兄さまを守れる最低の爵位が必要だ。
『はーっ、こんな幼女なんて嫌だなぁ。だからって、何も知らない、何も学ばない生き方も嫌だ』
『サンタさん、私は死んでから気付いたんだけど、人生なんて、30歳になろうが50歳になろうが、ずっと迷ったり間違ったりしながら学ぶんだって。
だから、もっと自由に、子供らしくなくたって、他者と違ってたっていいのよ。
失敗なんて当たり前。それでも前を向く強さを持って生きて欲しいの』
『パトリシアさんの言う通りやでサンタさん。
そもそも俺たちは、思い残したことがあったから、こうして守護霊になってでもこの時代にやって来たんやから』
『サンタや、そろそろ話ができなくなる地点じゃ。気を付けるんじゃぞ」』
『うん、ありがとう、みんな大好き』
前回も登った66階段を、いつの間にか私の足元に居た光猫のシリスと一緒に、フーフー言いながら登っていく。時々シリスが後ろから押してくれる。
もしもシリスが、サーク爺の時代の光猫の種族だったら、体長1.5メートル以上になるみたいだから、背中に乗せてくれるかもしれない。
残念だけど、魔術師メンバーに抱っこは期待できない。
筋肉は普通だし、一番若い42歳のニンターイ課長は女性だし、他は50代・60代だから、自力で階段を登らねば。
幼児に厳しい66段は、日頃鍛えていない皆さんにも厳しかった。
だから66段上った後に現れた33段の階段を見て、少し休憩をする必要があった。
よく見たら皆さん軽装備で、ファーズさん以外は水を持参していなかった。
私が飲んでいる水を羨ましそうに見るので、予備に入れておいた水筒の水を、魔術師チーム4人に分けてあげた。
「ちょっと訊くけどサンタさん、どう見てもそのリュックに、この大きさの水筒は入らないと思うんだが? しかも容量は2リットルはあるだろう?」
水筒を取り出した子供用のリュックを不思議そうに見て、魔術師協会のミエハール部長が質問してきた。
……あちゃー、まあいつかはバレると思っていたけど、ここでかぁ・・・
「うん、このリュックは超古代紀の遺物みたいなものかな。リュックの大きさの数倍は収納できて、重さはあまり感じない優れものなんだよ」
「何だとー!」と、全員から突っ込みが入った。
当然どんな物なんだと、ギラギラした瞳で全員がリュックを見たがったけど、欲しがられるのが分かっているからお断りする。
それでも是非にと、アロー公爵までが食い下がってくる。
「もしも上級魔法使いのレベルに到達できたら、その秘密を教えてあげます」
私は念のために、このリュックを勝手に開けることは不可能だし、私以外が持ったら実際の内容物の重さがかかると教えておいた。
試しに持ってみたいと全員が言うので、ホッパーさんが作ってくれた大トカゲの尻尾リュックを、私は地面に置いて試させてあげた。
「な、なんだこの重さは! 信じられん」
最初に挑戦したアロー公爵は、1センチも持ち上げられずに諦めた。
他のメンバーも同じように挑戦したけど、持ち上げるどころか動かすことができなかった。
「いったい何を入れているんだ、サンタさん」
私の異能や破天荒ぶりを知っているはずのファーズさんが、眉間に皺を寄せ怪しい物を見るような視線をリュックに向けて質問する。
「う~ん、最速踏破者の食料とかお菓子とか・・・まあ、いろいろ?」
本当はちょっとした家具なんかも入ってるけど、それは言わない方がいいだろう。私、世間の常識がまだ分からないし、殺されたくないから。
「まあいろいろ?」と、疑るような信じられないような皆の声が揃った。
「そ、そんなお宝、いや、それが本当なら、この遺跡と同レベルの発見だと思うんだが・・・でも、サンタさん関連は口外禁止だよなぁ・・・あぁ~っ、でも知りたい! 上級魔法使い・・・サンタさん、上級魔法使いになったら、本当にそのリュックの秘密を教えてくれるんですか?」
「うん、約束は守るよエバル教授」
……それまで良好な関係だったらねって言葉は、口には出さなかった。
休憩を終え登りきった場所には、2つの扉がある。
1つはピラミッド遺跡の途中に出る、ピラミッド遺跡の絵が描かれている普通の大きさの扉で、小さな魔核が埋め込まれている。
もう1つの大きな1枚扉は、太陽と月、雲と風、雨と雪の絵が描かれており、中央には直系8センチほどの大き目の魔核が埋め込まれている。
当然皆は、派手な扉の方に寄っていく。
暫く帰らないと思われるので、私は見ない振りして、光猫のシリスと一緒におやつタイムにする。
ここから先に進む派手な方の扉は、今のこのメンバーでは開けることができないだろうから、ゆっくり休憩しよう。
懲りないメンバーは、大きい方の扉に魔力を注ぐけど、誰も開くことはできなかったし、どうやら魔力が激減して疲れ始めているようだ。
私は落胆の大きかった他の学者の皆さんに渡すお土産として、スケッチブックに2枚の扉の絵を描いておく。
「さあ、帰るよ。この扉すぐ閉まるから、取り残されないよう気を付けてね」
扉の前で必要な魔力量について議論しているメンバーに、私は探索終了を告げ、ピラミッド遺跡の絵が描いてある扉の前に立って言った。
凄く立派な高位・魔術師や学者の皆さんに注意したり意見するなんて、この調査が終わったら、きっと許されない不敬なのだと思う。
今は、魔力量が多い必要な人材だと思われているから、寛大な態度で接してくれてるはずだもん。
だから私は、王立能力学園に講師として誘われても、魔術師協会と一緒に研究をしたとしても勘違いなんかしないよ。
世間には、王宮魔術師団のラースクみたいな人の方が多いもん。
貴族の多くは、私みたいな幼女のトレジャーハンターなんて、簡単に踏み潰しにくるって知ってるから。
……だからこそ早く、独立できる自分の爵位が欲しい。
……魔術師協会の中位・魔術師試験に合格すれば、最低でも準男爵になれる。母様や兄さまを守れる最低の爵位が必要だ。
『はーっ、こんな幼女なんて嫌だなぁ。だからって、何も知らない、何も学ばない生き方も嫌だ』
『サンタさん、私は死んでから気付いたんだけど、人生なんて、30歳になろうが50歳になろうが、ずっと迷ったり間違ったりしながら学ぶんだって。
だから、もっと自由に、子供らしくなくたって、他者と違ってたっていいのよ。
失敗なんて当たり前。それでも前を向く強さを持って生きて欲しいの』
『パトリシアさんの言う通りやでサンタさん。
そもそも俺たちは、思い残したことがあったから、こうして守護霊になってでもこの時代にやって来たんやから』
『サンタや、そろそろ話ができなくなる地点じゃ。気を付けるんじゃぞ」』
『うん、ありがとう、みんな大好き』
前回も登った66階段を、いつの間にか私の足元に居た光猫のシリスと一緒に、フーフー言いながら登っていく。時々シリスが後ろから押してくれる。
もしもシリスが、サーク爺の時代の光猫の種族だったら、体長1.5メートル以上になるみたいだから、背中に乗せてくれるかもしれない。
残念だけど、魔術師メンバーに抱っこは期待できない。
筋肉は普通だし、一番若い42歳のニンターイ課長は女性だし、他は50代・60代だから、自力で階段を登らねば。
幼児に厳しい66段は、日頃鍛えていない皆さんにも厳しかった。
だから66段上った後に現れた33段の階段を見て、少し休憩をする必要があった。
よく見たら皆さん軽装備で、ファーズさん以外は水を持参していなかった。
私が飲んでいる水を羨ましそうに見るので、予備に入れておいた水筒の水を、魔術師チーム4人に分けてあげた。
「ちょっと訊くけどサンタさん、どう見てもそのリュックに、この大きさの水筒は入らないと思うんだが? しかも容量は2リットルはあるだろう?」
水筒を取り出した子供用のリュックを不思議そうに見て、魔術師協会のミエハール部長が質問してきた。
……あちゃー、まあいつかはバレると思っていたけど、ここでかぁ・・・
「うん、このリュックは超古代紀の遺物みたいなものかな。リュックの大きさの数倍は収納できて、重さはあまり感じない優れものなんだよ」
「何だとー!」と、全員から突っ込みが入った。
当然どんな物なんだと、ギラギラした瞳で全員がリュックを見たがったけど、欲しがられるのが分かっているからお断りする。
それでも是非にと、アロー公爵までが食い下がってくる。
「もしも上級魔法使いのレベルに到達できたら、その秘密を教えてあげます」
私は念のために、このリュックを勝手に開けることは不可能だし、私以外が持ったら実際の内容物の重さがかかると教えておいた。
試しに持ってみたいと全員が言うので、ホッパーさんが作ってくれた大トカゲの尻尾リュックを、私は地面に置いて試させてあげた。
「な、なんだこの重さは! 信じられん」
最初に挑戦したアロー公爵は、1センチも持ち上げられずに諦めた。
他のメンバーも同じように挑戦したけど、持ち上げるどころか動かすことができなかった。
「いったい何を入れているんだ、サンタさん」
私の異能や破天荒ぶりを知っているはずのファーズさんが、眉間に皺を寄せ怪しい物を見るような視線をリュックに向けて質問する。
「う~ん、最速踏破者の食料とかお菓子とか・・・まあ、いろいろ?」
本当はちょっとした家具なんかも入ってるけど、それは言わない方がいいだろう。私、世間の常識がまだ分からないし、殺されたくないから。
「まあいろいろ?」と、疑るような信じられないような皆の声が揃った。
「そ、そんなお宝、いや、それが本当なら、この遺跡と同レベルの発見だと思うんだが・・・でも、サンタさん関連は口外禁止だよなぁ・・・あぁ~っ、でも知りたい! 上級魔法使い・・・サンタさん、上級魔法使いになったら、本当にそのリュックの秘密を教えてくれるんですか?」
「うん、約束は守るよエバル教授」
……それまで良好な関係だったらねって言葉は、口には出さなかった。
休憩を終え登りきった場所には、2つの扉がある。
1つはピラミッド遺跡の途中に出る、ピラミッド遺跡の絵が描かれている普通の大きさの扉で、小さな魔核が埋め込まれている。
もう1つの大きな1枚扉は、太陽と月、雲と風、雨と雪の絵が描かれており、中央には直系8センチほどの大き目の魔核が埋め込まれている。
当然皆は、派手な扉の方に寄っていく。
暫く帰らないと思われるので、私は見ない振りして、光猫のシリスと一緒におやつタイムにする。
ここから先に進む派手な方の扉は、今のこのメンバーでは開けることができないだろうから、ゆっくり休憩しよう。
懲りないメンバーは、大きい方の扉に魔力を注ぐけど、誰も開くことはできなかったし、どうやら魔力が激減して疲れ始めているようだ。
私は落胆の大きかった他の学者の皆さんに渡すお土産として、スケッチブックに2枚の扉の絵を描いておく。
「さあ、帰るよ。この扉すぐ閉まるから、取り残されないよう気を付けてね」
扉の前で必要な魔力量について議論しているメンバーに、私は探索終了を告げ、ピラミッド遺跡の絵が描いてある扉の前に立って言った。
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